我が家のリノベーション録 <竹小舞づくり>
現代では壁の下地といえば、9割以上が「石膏ボード」という新建材を使用しています。安くて加工性がよく、透湿性、防火性もあるため言うことなしの材料のようですが、その裏には「産業廃棄物問題」などが隠されており、環境破壊の要因に成りかねない危うい材料でもあります。
昔といえば、壁の下地は竹を縄で編んでつくる「竹小舞」や板でつくる「木ずり」が一般的で、今回のリノベーションではその両方をやってみることにしました。
今回はその「竹小舞づくり」の話。
竹を集めるところからやってみる
まずは材料となる竹集めから。
田舎は竹が山ほど生えており疎われる存在でもある為、ご近所さんが少し前に切り倒した竹を好きなだけ山から運んでいいと言われ、せっせと運ばせてもらいました。
降ろした竹は必要なサイズに切り、「竹割り器」で割った後、鉈で節をキレイに整えます。(手を怪我しないように)
この後、解体で出た木材を燃やしていた焼却炉の煙を利用し、防虫対策として燻しておきました。
撤去した壁に使われていた竹も丁寧に外すと、半分くらいは使えそうだったので再利用することに。
しならせてポキッと折れたり、虫食いがあるものは再利用できないと判断し、燃やして灰にし庭の土へと還しました。
昔の家づくりの循環っぷりはすごいなぁと改めて感心。
長さを揃えて整理整頓し、いよいよ竹を編む作業へと進みます。
竹小舞を編んでいく
楔(くさび)を使って固定した貫(ぬき)に、丸い間渡竹(まわたしだけ)を釘で留める作業からスタートします。
竹の間隔、土台や梁との隙間、柱との隙間などすべてに意味があり、先生に教えてもらいながら進めていきます。
竹は引っ掛けておいたり、荒縄は腰にぶら下げておくと作業効率があがります。
現代では荒縄でなく「ビニールひも」を使ったりします。
安くて滑りがよく、作業しやすいからのようですが「土に還る素材」にこだわりたかったので荒縄を選択。
京都の祇園祭で使われているものを取り寄せてみました。なんだか本物感があってご利益ありそうだな、という理由だけですが。
興味を持ってくれた友人たちが多数参加してくれ、ワイワイ楽しく編み進めていきます。
編み上がった小舞の美しいこと。
一度この感動と達成感を味わってしまうと、他の家の竹小舞も編みに行きたくなります。
豆知識
竹を編む作業は2人1組で行うと効率がよく、2人の息が合わないとうまくいきません。
昔は各家の大変な作業は集落のみんなが手伝って、助け合いながら暮らしていたようで ( 結<ゆい>と言われます )、若い男女をわざとペアにさせて出会いの場にしてたとか。。。
今でいうコンパや婚活みたいですね。
2023年12月23日 文:康文
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?