土下座して頼んでもダメ話

僕は旅人だ
その日も何とか泊まらせてくれる人に出会えた

豪華な家
お屋敷みたいな

その家の一部屋に泊まらせてもらえた

荷物の整理やら何やらしてると外から女性のか細い声が聞こえてきた

「○○さーん」
「○○さーん」

連呼してる
本当にか細いけど確かに呼んでいた
ここの御主人の名字だった

窓を開けてみた
でもそれらしい人はいなかった

でもまだ聞こえるので御主人に伝え僕は外に出た
途端に4人家族らしい人達がいた

子供らしき小さな子は目が2つ
顔にはそれだけしかなかった
火傷で鼻や口が無いのかと思った

母親と思われる人もまた目だけ
これも火傷だろうか

普通驚くだろうけど何故か驚かなかった
そんな自分に驚いた

喋れるのだろかかなり疑問だったが話かけてみた

子供の方は何も家なさそうだった
母親が言った「○○さん」

やっぱりさっき聞こえた声はこの人だった
「○○さんですね?」と言うとうなずいていた

御主人を呼びに行き御主人や奥さんや友人や数人が来た

説明によるとここの息子にいじめられたという
酷い姿になったのもそのいじめで

という事みたいで乗り込んで来たらしかった

御主人側はどうにも対応に苦戦し結局警察を呼んだ

警察が来て間に入って仲裁していた

一旦両者は離れて別々に
俺は御主人側の方に付いて行っていた

いじめで傷つけたのは事実の様で
さてどうしたものかと

肝心の息子はその場にいなかった

僕はいじめられていた事があった
だから乗り込んで来た親子に同情していた

解決となれば賠償金ぐらいだろう
お金持ちだろうし払えるはずだと思った

と同時に凄い嫌悪感だ
なんせあんな姿にさせられていじめというより犯罪だ
詳しく分からないが液体でもかけて火をつけたんだろう

いたたまれなく僕はみんなに言いたい事を言いたくなった

「みなさん聞いてください」
誰も聞かない
「みなさん聞いてください」
大声で今度は言ったがそれぞれ話をして全く無視だった
聞こえてないワケがない
ワザと会話を続けている

「みなさん聞いてください」
もっと大声で絶叫して土下座して頼んだ

変わらなかった
ずっと各々会話が続いていた

僕はこれで終わりだとして
立ち上がりここを出ると決めた

みんな無視だ
それをやめさせて僕の言う事を聞かせる様にするのが何だか馬鹿馬鹿しいしがみつきにしか思えなくてしなかった

でもつい言ってしまった
人に無視されて寂しかったのがあったかもしれない

「いじめしてあの人達をああしたのはそっちだろ」

怒りが表に出て
言動は荒くなった

そう言いながら手当たり次第周りの物を殴ったり蹴ったりして荷物のある部屋へ向かった

御主人の妻が反応して喚き散らし追って来た
いじめなんかないという事を言いながら口調は荒かった

お構いなくやって部屋へ行って荷物をまたまとめて
こんな所いたくないと素早く出て行った

あの親子の悲惨な姿は忘れない
いくら頼んでも僕の発言を聞いてくれなかった事を忘れない

あれほど頼んでも無駄だった
期待もしてなかったが激しい悲壮と怒りだった

いじめをした息子が帰って来て
そこから警察も入ってどう解決するんだろう
解決も何もそれは無理じゃないのかと思った

やりきれなくそこを去った
見捨てでやると思いながら僕は出てった

という夢を見ました


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