武豊火力発電所のバイオマス混焼によるCO2排出削減量を推計する

武豊火力発電所5号機は、石油を燃料とする2~4号機(出力計112万キロワット)を老朽化のため廃止し、それに代わってほぼ同等の発電が可能な設備として建設されたもの。

USC(超々臨界圧)。
出力は107万kW、年間発電量は約75億kWhの見込みで一般家庭240万世帯分に相当。
熱効率は45%以上(低位発熱量基準)。
木質ペレットを混焼。混焼率約17%(発熱量比)でバイオマス発電電力量は約12億kWh/年、ペレットの年間使用量約50万トン。
これにより石炭のみと比較してCO2排出量を年間約90万トン削減する。

これら数値からCO2排出削減量を推計すると、
90万トン/75億kWh → 120 gCO2/kWh
となる。

CO2排出量のデータは現在渉猟した範囲では確認できなかったが、超々臨界圧発電の約800gCO2/kWhとするとバイオマス混焼後のCO2排出量は680gCO2/kWhとなり、石炭ガス化複合発電(IGCC)とほぼ同等となる。

ちなみに、敷地内に太陽光発電設備のメガソーラたけとよが併設
(5号機の建設に伴い移転してメガソーラかわごえ(7500kW、年間発電量 1140万kWh)となっている)

資料、出典

武豊火力発電所5号機における木質バイオマス燃料の混焼計画について - ニュース|中部電力 (chuden.co.jp)

武豊火力発電所 | 発電所一覧 | JERA

会社概要-JERAパワー武豊合同会社 (jera-taketoyo.com)

JERAの武豊火力、8月に運転開始 電力安定供給へ総力: 日本経済新聞 (nikkei.com)

「武豊火力発電所」 新設した5号機の構内 報道公開|NHK 東海のニュース

石炭新技術と日本(TransitionZero 2022年)
https://static1.squarespace.com/static/605b4bcc5526904ff5589918/t/62174a64a2934716e14aa9dc/1645693568831/TransitionZero_Coal-de-sac_Report_final_Japanese+full+report.pdf

火力発電の高効率化(資源エネルギー庁 平成27年)
https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/018/pdf/018_011.pdf


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