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外側上顆炎について その1

今日も柔道整復師、理学療法士、整体師の方、新人の方に向けて、僕の実際行っていることについて書いていきます

今日は外側上顆炎(テニス肘)について書いていきます

この疾患は治せる治療家がはっきり分かれるのではないでしょうか?

一般的に外側上顆炎のような付着部痛は難治性となりやすいと思いますので、しっかり病態を把握した上で、正しい施術を行いましょう

外側上顆炎は2回に分けて、投稿したいと思います

外側上顆炎(テニス肘)とは

様々な病態が報告されていますが、近年では短橈側手根伸筋の腱付着部の炎症が主な原因と考えられています

病態としては筋及び起始部の炎症、微細損傷などの記載があります

外側上顆炎とテニスの関係ですが、スキルの低い選手のバックハンドストローク動作で発生すると言われています

普通、バックハンドストローク動作では前腕掌屈、背屈の中間位で固定させることによって無理なくボールを返すことができますが、ミートの位置が悪かったりした場合に、手関節がボールの勢いに負けて、手関節掌屈位に持っていかれます

その結果、前腕伸筋群が遠心性収縮を強いられ、筋や付着部に炎症を引き起こすとされています

ただ臨床では、テニス選手に多いわけではなく、普通のデスクワークの仕事をしている人や主婦に多かったりすると思います

デスクワークでキーボードを打つ動作は手指のMP、PIP、DIP関節の屈曲で行われると思いますが、

手指の屈曲をスムーズに行うためには、手関節背屈位でなければなりません

手関節を背屈にすることによって浅指屈筋などの手指を屈曲させる筋の筋長が長くなり、張力が高くなります

これを腱固定効果といいます

実際に手関節を掌屈させた状態で、手指を動かすと屈筋が上手く使えないことがわかると思います

背屈位に保持するのは、前腕伸筋群なので、保持することによって緊張が高まり、外側上顆炎となることがあります

なぜ、短橈側手根伸筋腱に炎症が起こりやすいのか

前腕伸筋群のうち、短橈側手根伸筋、総指伸筋、尺側手根伸筋は共同腱を構成していて、その共同腱の中で短橈側手根伸筋腱は、上方、深層まで腱線維が存在しています

他の伸筋群は筋と腱が入り混じっているような構造のようですが、短橈側手根伸筋は腱性部のみで、更に付着部の面積も小さいので、張力に弱い構造になっています

これに加えて、外側上顆の前方関節包の厚さと後方関節包の厚さの違いもあり、前方が薄い構造になっていて、短橈側手根伸筋が付着している前方の関節が薄く脆弱であるため、こちらも要因となっているのではないかという考えもあるようです

外側上顆炎の判断

外側上顆炎ガイドライン

①抵抗性手関節背屈運動で肘外側に疼痛が生じる

②外側上顆の伸筋群起始部に最も強い圧痛がある

③腕頭関節障害など伸筋群起始部以外の障害によるものは除外する

とあり、僕が外側上顆炎をみるときは

①筋腹の圧痛

②付着部の圧痛

③腕頭関節の圧痛

を確認するようにしています

腕頭関節に圧痛がある場合には、腕頭関節に存在する滑膜ひだの炎症や関節内の嵌入による疼痛も考えられます

この場合は、追加でフリンジインピンジテストを行います

※前腕回内で肘を伸展させて、滑膜ひだを挟み込ませて疼痛が誘発されるか確認するテスト

腕頭関節の滑膜ひだが原因の場合は、かなりの難治性で手術や注射も視野に入れて対応しなければならない病態でもあるので、しっかり確認しましょう

肘外側にかかるストレス

前腕伸筋群や付着部痛、関節包の痛み 

→ 牽引、剪断ストレス

腕頭関節の痛み 

→ 圧縮、剪断ストレス

が加わっていることが考えられます

まずはしっかり、肘外側のどこに痛みがあるのか?

こちらを確認するようにしましょう

月曜日は、施術のポイントなどを中心に書いていきます

明日も臨床頑張りましょう

参考文献 なぜがわかる評価戦略 運動療法のなぜがわかる超音波解剖

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