言葉を尽くす。言葉で届ける。
同期がミスをして凹んでいる。自分もそうされて嬉しかったから、個包装のチョコレートにメッセージをつけてデスクの上に置いておいた。
家族が浮かない顔をしている。普段は見せない様子に少しだけ気が引けながらも、「大丈夫?」と一声かけてみた。
目の前におばあさんが立つ。ちょうど座れた席を惜しみながらも「どうぞ」と譲る電車の席。
それぞれのたすけあい、ちょっとした親切。
世の中には暗いニュースばかりが流れていると、私たちは思っている。実際に、心の中まで進入してくるような、ひたひたと音のする黒い感情を纏ったものは数え切れないほどだ。
それでも、私たちは信じたい。
見えない場所で、静かに交わされている優しい言葉のこと。ニュースにもならないし雑誌にも載らないしSNSでバズったりもしない、けれど、確かに交換されている親切のこと。
たくさんの人が訪れる渋谷で、「たすけあい」について訊いてきました。
ありがたいことに、友人やお知り合い、関係者の方を通じて、じわじわとシェアしていただいてます。間違いなく今年いちばん頑張った記事なので、こうやって形になり、皆さんに見てもらえるまでに至ったことが、心から嬉しいです。
この記事をきっかけに、最近受けた優しさ、または自分がしてあげたちょっとした親切を思いだす方が多いよう。そのエピソードを教えてくれるだけで、また心がほっこりとし、暖かい気持ちになれるのが幸せでなりません。
「たすけあい」って、大げさなことでなくとも、日々の中でお互いに、できる範囲で交換する優しさで十分なんだって、私も学ばせてもらいました。
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少しだけ、取材の裏話をさせていただくと。
もちろん、誰もが快く話を聞いてくれたわけではありません。
取材日2日間とも、雨が降って寒かったですし、忙しい方がほとんどですから、声をかけても無視されてしまうか、手を小さく振りながら足早に去られてしまうのが当たり前。
立ち止まって話を聞いてくれて、かつ「時間がないのでごめんなさい」と言ってくれるだけでも、心底ありがたいと思ってしまいました。
そんな中で、笑顔でエピソードを話してくれて、スケッチブックに一言書いてもらい、お写真まで撮らせてくれて皆さまには感謝以上の言葉がみつかりません。
この取材を経験してから、私もなるべく街で声をかけられたら、いったん足を止めて話を聞くように心がけています(中には、本当に怪しい勧誘もあるので注意!)。
自分の心と時間に余裕があれば、少しだけそれを周りの人に分けてあげる。「たすけあい」って、大それたことではなくとも、ほんの小さな心がけ次第で成り立つものなんですよね。ちょっとしたことが、人の心を救うことってほんとうにたくさんある。
学びの多い経験をさせてもらえて、確実に幸せでした。
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もしよければ、皆さんにもぜひ記事を読んでいただき、「たすけあい」について1秒でも2秒でも想いを馳せるきっかけにしてもらえたら嬉しいです。
そして、最近受けた優しさについて、エピソードがあればぜひ教えてください。リプや引用コメント、DMにはすべて目を通しています。