2023年トラウトと大谷はWSに行けるのだろうか?
プロローグ
MLBのスーパースターであるマイク•トラウトと大谷翔平に足りないもの、それは紛れも無くワールドリングである。
しかしエンジェルスは2014年以降、PSに進出すらできない有様…
球界最高の野球選手である2人の晴れ舞台が、3年周期で訪れるWBCのみというのはあまりに寂しいので、2人がチームメイトである今こそ栄冠を掲げる姿を見たいものである。
個人的に2023年を最高のシーズンで締め括る可能性はあると考えるので、その根拠を説明しようと思う。
❶序 なぜ2022年は駄目だった?
2022年9月20日、LAAは8年連続でプレーオフ進出を逃した。
ALMVPレースではチームをPSへ導いたかどうかが論点になったりしたが、大谷がもっと頑張っていたら天使達は勝てたのだろうか?トラウトが離脱していなければ巻き返せたか?
まぁそんな事はない訳で、チームスポーツである野球において、1人のスーパースターが与える影響は他のスポーツに比べて少ない。
1、2人のスーパースターに大金を投じるより、平均以上の選手を9人集めた方が効率的かつ合理的なのである。
{オーナーのモレノはT.ターナー獲得をミナシアンGMに進言したらしいが、それでは弱点が露出したまんまである}
2022年までのLAAの弱点はやはり、
•先発の頭数
•ブルペン
•ポジションプレイヤーの層の薄さ
であると思う。
2021年オフ、総額約$120MM投じて補強するも、実を結ばず…
シンダーガード 1年契約→TDLで放出
ロレンゼン 1年→18先発ERA4.24
R.イグレシアス 4年→TDLで放出
ループ 2年→65登板ERA3.84
テペラ 2年→59登板ERA3.61
ブラッドリー 1年→21登板ERA4.82
ウェイド トレード→DFA
ダフィー 1年→77試合出場OPS.619
スズキ 1年→引退
弱点を補うには至らず…
それでもLAAは2023年のPS進出を狙う姿勢を見せている。
レンフロー(OF)
フィリップス(OF)
ウルシェラ(IF)
ドゥルーリー(IF)
Ty.アンダーソン(SP)
エステベス(RP)
ムーア(RP)
その他マイナー契約投手中心に諸々
ミナシアンGMはオーナーの提案を跳ね除けて、全体的な底上げを優先した。
個人的には、今年の補強は野手を中心にかなり良いと思う。理由を述べたい。
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❷破 コンテンダーの強さを数値化&エンジェルスの脆弱さ
その前に、2022年強かったチームのレギュラー野手のFANGRAPHS版warを確認してみる。
warとは、代替可能な選手(replacement)に比べどれだけ勝利数を上積みしたかという指標。
代替可能な選手は0war、
平均的な選手は2warとされる
ー HOU ーーーーーーーー
アルトゥーべ2B 6.6war
ブラントリーLF 1.2war
アルバレスDH 6.6war
ブレグマン3B 5.5war
タッカーRF 4.7war
グリエル1B -0.7war
ペーニャSS 3.4war
マコーミックCF 2.0war
マルドナドC 0.5war
ー LAD ーーーーーーーー
ベッツRF 6.6
T.ターナーSS 6.3
フリーマン1B 7.1
W.スミスC 3.9
マンシー3B 2.4
ラックス2B 3.0
J.ターナーDH 2.4
ベリンジャーCF 1.7
テイラーLF 1.4
ー ATL ーーーーーーーー
アクーニャJr.RF 2.2
アルビーズ2B 1.1
スワンソンSS 6.4
ライリー3B 5.5
オルソン1B 3.4
ハリスIICF 4.8
ダーノーC 3.9
オズーナDH -0.6
ロサリオLF -1.1
ー NYM ーーーーーーー
ニモCF 5.4
マーテRF 3.0
リンドーアSS 6.8
アロンゾ1B 4.0
ボーゲルバックDH 1.0
マクニール2B 5.9
エスコバー3B 2.3
キャナLF 2.8
ニドC 0.9
これらのチームに共通するのは、
・コアとなる選手(4〜6war)が3〜5人いる
・レギュラー格は2war以上稼ぐ
・平均以下の選手(〜2war)は3人以下
ということ。
対して2022年エンジェルスはというと、
ー LAA ーーーーーーー
ウォードRF 3.8
トラウトCF 6.0
大谷DH 3.8
レンドン3B 0.8
ウォルシュ1B -0.6
レンヒーフォ2B 1.6
マーシュLF 1.0
スタッシ2B 0.0
ベラスケスSS 0.3
•4〜6warが1人
•2〜4warが2人
•〜2war が6人
と、そりゃ弱いよなという感じ。
(大谷はDHの為ポジションプレイヤーより少し低い算出方法)
補強ポイントがありすぎてどこから補強しようか、といったところ。
❸Q 人事を尽くして天命を待つ
プレーオフに出るチームは2war以上稼ぐ野手でレギュラーを埋めている、と分かる。
ミナシアンの補強が課題を解決しているのか、詳細に見ると、
○打線…
レンフローは堅実に2war稼げる選手
フィリップスは4人目の外野手として期待
ドゥルーリー,ウルシェラのユーティリティ性は内野のdepthを押し上げるだろう。
○先発…
アンダーソン加入により、先発陣はかなり良いものになった。
○ブルペン…
エステベス,ムーアを加え、昨年安定していたハーゲット、21年オフに2年契約を結んだループ,テペラ、そしてたくさん結んだマイナー契約から芽が出るかどうかのギャンブル。
(リリーフは成績が不安定になりがちなので金を費やさない方が賢明)
と、ソリッドな補強だと評価できる。
ー2023想定スタメンの去年のwarーー
ウォードLF 3.8war
トラウトCF 6.0
大谷DH 3.8
レンドン3B 0.8→?
レンフローRF 2.5
ウォルシュ1B -0.6→?
ドゥルーリー2B 3.0
ウルシェラSS 2.4
スタッシC 0.0→?
こうすると見栄えはある。
レンドン,ウォルシュがバウンスバックするという前提ありきだが、
GMは2war以上を稼げる選手でポジションを埋める事に成功したと言えるだろう。
コンテンダーだと胸を張れるくらいにはなったかと。
以上が、私がエンジェルスに勝機ありとする理由である。
後は、怪我しないだけだ!!
(ウォルシュ,スタッシ10日間のIL入りで開幕を迎える…)
それでも昨年より、層が厚くなった。
去年までは誰かが故障すると、代替可能レベル(つまりマイナーレベル)の選手しかいなかった訳で、状況は異なるのである!!
(ブルペン?知らん。)
というか、レンドンは健康だろうかとか、獲得した選手が軒並みスタッツを落とさないかとか、それはもう考えても仕方ない事だと思わないと、ポジるのは難しい……
❹シン・ヱンジェルス𝄇
AL西地区のライバル達は?
忘れていたけど、もちろんHOUとSEAも補強している訳で…
HOUはVerlanderを放出したが、期待のトッププロスペクトHunter Brownが控えている。
さらに、Abreuを獲得して弱点の1Bを補強している。
去年90勝のSEAは積極的なFA補強は無かったが、Teoscar HernándezやKolten Wongをトレードで獲得している。
また、同地区にdeGromやEovaldi、Fujinamiもやって来る。
現実的に考えるなら、ワイルドカードの2枠目3枠目を争えたら上出来でしょうねー
取り敢えず、AL西地区は盛り上がりそう
最後に、
トレードデッドラインでの大谷放出というエンジェルスにとって最悪のシナリオにならない事を陰ながら祈っとります。
(SDに行かないかな〜👀)
おわり。
MLB.com
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