エッセイ『見てみたいなぁあの仕事の裏側』
『一度で良いから見てみたい、女房がヘソクリ隠すとこ』日本には古くからこのような名言もあるが、もし透明人間になったら潜入して見てみたいお仕事の裏側は沢山ある。
最近映画をよく観るので思うが、レイティングシステムと呼ばれる、俗に言うR指定というやつね、アレを決定している会議は死ぬ前に是非一度見てみたいものだ。
G、PG12、R15+、R18+と四つに区分されるそうなのだが、たぶん出来上がった映画をみんなで見終わった後に、あーでもない、こーでもないと大の大人たちが激論を交わすのだろう。
想像するだけでニヤけてしまう。例えばこんな感じだろうか?
A「僕、個人的にはPG12で良いと思いますよ」
B「的場くんは甘いねぇ、R15にしときましょうよ。明らかに乳首見えてたわけだし」
A「でもあの乳首の出かたはイヤらしい乳首の出かたではなかったですから」
C「だーからその発想が甘いって言ってんの。映画館で小学生が興奮し出したらどうするんだよ?」
A「しないでしょう、この程度じゃ」
C「あー、お前わかってないわ。やっぱり結婚もしてない子供もいない奴にはわかんねえわな。ウチの息子なんか小4で俺の隠したエロ本読んでやがんだ。はえーよ、子供の発育は」
A「そんなもんでしょうか」
D「的場くんさ、こっちの作品なんかはどう思うの?」
A「あぁ、この作品は完全にR15でしょう」
D「うそでしょ」
C「甘いねぇ」
B「お前これこそR18だろ。乳首出てるだけじゃない、揉まれたうえに吸われてんだぞ!」
C「金井さんは金井さんで乳首にこだわりすぎですよ。的場さ、こっちは性的描写、過激な暴力シーン盛り沢山よ、これをもし暴走族とかが見たらどうすんだよ?」
A「暴走族はこんなこと平気でやってるでしょう」
C「だから、これを見たウブな高校生がこれに触発されて悪の道に進んだらどうすんだよ?」
B「最近の高校生は乳首ぐらいじゃ興奮しないの?」
D「金井さん、ちょっと静かにしててください」
みたいな感じで、会議は揉めに揉め一時休廷ということは日常茶飯事だろう。
色々なことがルール化される法治国家の地味な会議を見てみようツアーがあったら行ってみたい。