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みためで判断する嫌な癖

人の見かけではなくて、コーヒー生豆の話です。
コーヒーを炭火で焙煎し始めてからずいぶんと長い年月が過ぎました。
焙煎する前に手に入れたコーヒーの生豆を選別する作業をします。

収穫した豆類の選別同様とても必要な工程です。
コーヒーも豆ですから基本的にはほぼ同じ要領で行います。

虫食い豆、欠けている豆を取り除く。
異物(小さな石ころ、ゴミ、麻袋の繊維など)も除外する。
豆の色が変色しているものや明らかに小さすぎる豆も。

自然光のなかでの選別が一番楽に作業できますから
テーブルに豆を広げて午前中に作業をします。

今回選別した豆はてごわいマンデリンG1。

マンデリンによくみられる先割れ豆(豆の先端が割れている)は
欠点豆としてみなしていません。
けれど割れている部分が虫に食われていなければという条件付き。
一つ一つ入念にチェックすると
先割れ部分が虫の害にあっている確率は高めです。

豆も粒揃いではなく大中小と混じっています。
それでも今回のマンデリンのロットは思わず心が萎えるほどのばらつきがなくてうれしい。
マンデリンの生豆の色は決して見栄えが良いとはいえず、黒ずんでいたりくすんだ色だったりします。

初めてマンデリンの豆を買って手に取った時は頭を殴られたようなショックでした。
それまでコロンビアやタンザニア、ブラジルといった大粒で粒が揃っている生豆に接していましたから。

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「ほんとにこの豆、なんとかなるのかな」
マンデリンの味の奥深さが気に入っていた私はすっかりしょげかえりました。
おずおずとマンデリンの生豆を迷いながら慎重により分けていった、あの最初の出会いを思い出します。

マンデリンG1は高価ではなくありふれた一般的な生豆です。
手間をかけてより分け炭火で直火焙煎します。
みすぼらしい生豆は跡形もなくなり艶やかな馥郁とした焙煎豆に生まれ変わります。

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濃くてなめらかな舌触り、大地や腐葉土ハーブの香り、苦みと甘さが混然一体となり心を落ち着かせてくれる懐が深いマンデリン、武骨なこの生豆の虜になっています。


てこずっている超深煎りマンデリンを実現したいものだと思う日々です。


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