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ローデンコートって知ってますか?
札幌には古着屋さんがたくさんあります。
自分も気が向いたときに行ったりするのですが、よく行く古着屋さんで興味深いコートを見つけたので紹介しようと思います。
創成川沿いにあるJAMさんです。
古着屋といえば独特なにおいがあり、自分は嫌いじゃないのですが、苦手な方もいると思います。ここの店舗は広いスペースにものすごい数の古着が並べられているのですが、とても綺麗な印象です。きっとスタッフの方が美化に力を入れているのでしょう。
自分好みのクラシックな物は多くないのですが、冬場はニットやコーデュロイパンツなどかなりの数が取り揃えられています。
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今回、見つけたのがこちらのローデンコートです。
ハンガーラックにさりげなく吊るされていたので驚きました。
ローデンコートという存在は知っていましたが、実物を見るのは初めてです。
ローデンコートについてはこちらで詳しく紹介されています。
「これローデンコートだよな?」と手に取って観察すると、特徴的ないくつかの仕様をちゃんと確認することができました。
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・ローデンクロスと呼ばれるグリーンの生地
・背中に一直線に入ったプリーツ、
・肩の切れ込み
・繋がっていない脇の穴
・打ち抜きのポケット
これらが特徴的な仕様です。
値段は14000円くらいだったのでサイズが合えば購入しようと思い試着させてもらいました。しかし、残念、身幅がブカブカでした。
肩幅も袖丈も合っていたので惜しかったです。
その日はあきらめたのですが、数日たってもローデンコートのことが頭に残っていました。
実は冬をしのげるようなちゃんとしたコートは、去年ヤフオクで購入したダッフルコートしか持っていません。
ダッフルコートも気に入っているのですが、裏地が付いていないという欠点があります。
中に着たニットがボロボロになってしまうので、大事な1点ものと合わせられないという問題を抱えています。
ダッフルコートは今後自分で裏地を付けるか、ボロボロになってもよいニットと合わせる着方をするとして、やはりちゃんと裏地のついたコートを一着購入しようと決めました。
あまり期待をせずにローデンコートを探してみると奇跡的にサイズがピッタリ合いそうなものをメルカリで見つけました。
2万円と中古品のコートにしてはちょっと高かったので、一瞬躊躇しましたが、そうやって迷っているうちに本格的な冬になってしまい、毎年つらい思いをしていたので、思い切って購入。
数日後届きました。
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ちゃんと実寸値を確認して購入したので、サイズは丁度良かったです!
たたみじわがすごかったので、霧吹きをして1日吊るしておきます。
ウールのコートを購入した時、恒例の行事です。
本物のローデンクロスなのかわかりませんがメルトンのような質感です。
表面に吹いただけでは、しわが取れなさそうだったので、手でたたいてしっかりと水分を染み込ませていきます。
翌日の晩。
しわが取れて綺麗になりました。
いつもウールの回復力にはおどろかされます。
改めて仕様を確認していきます。
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ローデングリーンと呼ばれる深い緑が美しいです。
自然光に当てると茶系の色も混じっていることがわかります。
樹齢を重ねた櫟の葉を思わせる色合いは、まさに北海道の冬景色に映えるコードだと思います。
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サルコと書かれていますがオーストリアのブランドのようです。
baur foradoriというワードは検索してもよくわかりませんでした。
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通常よりも細く長めの襟がシャープな印象です。
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肩の切れ込みは古着屋で見つけたものより浅い作りになっています。
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脇がつながっているデザインはちょっと残念でした。動きやすそうだったのでどんな感じか体感してみたかったです。
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プリーツもウエストのあたりまでなので、しっかりとくびれができます。
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本格的なローデンコートをややエレガントにリメイクしたデザインなのかと思いました。
十分雰囲気は味わえますし、街で着るにはちょうど良いかもしれません。
以外と洋服にグリーンを取り入れている人は少ないので、出会う人に印象を持ってもらいやすいと思います。
狩猟用のコートなだけあって細かい仕様は個性的ですが、ぱっと見は普通のコートなので、街着としても使いやすいと思います。
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グレーと茶系で合わせてみました。個人的にはしっくりきています。
手ぶくろとハンチングをかぶればイタリアおじさんになれます。
このコートは年齢を重ねた人の方が様になるようで、実際ヨーロッパでも若い人はあまり着ないらしいです。しかし、こんなコートと一緒に年齢を重ねていく生き方も素敵なのではないでしょうか。
後日、いつもお世話になっているノーザンテイラーの町屋さんにお会いした時、たまたまこのコートを着ていたのですが、さすが注文服屋の方だけあった大変興味を持っていただきました。
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しかも、なんとこちらのお店で注文できるそうです。
提携している工場さんの規格のみでのパターンオーダーになるため、あえてお店としては打ち出していないそうですが、ローデンコートを作れるお店は、なかなかめずらしいのではないでしょうか。
仕様書を見せていただいたのですが、ここで注文した場合、完璧にローデンコートの仕様を再現できそうです。
正直、背中のプリーツがもう少し高い位置まで切れ込んでいてほしかったなとか、ポケットが打ち抜きになっていてほしかったなとか、脇に穴が開いていてほしかったなとか、せっかくローデンコートを着るなら特徴的な仕様を存分に味わってみたかったです。
古着市場でもなかなか丁度良いサイズは見つけられないと思うので、興味のある方はオーターを検討してみるのもよいのではないでしょうか?