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キャリアデザインのフレームワーク 「Will-Can- Must」 にプラスアルファすること

キャリア支援や転職支援って何をしてくれるものなの?という方に、キャリアカウンセラーとして普段考えていることをまとめました。


「Will-Can-Must」フレームワーク


キャリア支援にか関わって幾年。昨年から中高年世代も含めた中途採用支援に携わらせていただくなかで、学生支援であっても転職希望者であっても、キャリアデザインのフレームワークが役に立ちます。

「キホンのキ」である「Will Can Must」フレームワークは、おそらくどの世代、どの性別の方であっても非常に有用です。おそらくこれ以上に汎用的なフレームワークを私は知りません。

  • Will   → やってみたい仕事、自分がなりたい姿、実現したい目標

  • Can   → 自分自身の強み、できること、成功体験

  • Must → 与えられた職責、家族や周囲からの期待、果たすべき義務

ただ「Will・ Can・ Must」だけでは十分でないと感じることも多々あります。とくに
 ・高校生や大学生世代
 ・第二新卒
 ・「なんとなく仕事辞めたい」層
は「Will Can Must」だけでは自己理解の解像度が不足しがちです。

上記のような求職者とお話をするときには、ミスマッチなキャリア支援にならないよう、私はあえて本人のネガティブな志向もできるだけ伺うようにしています。

「do not like」をプラスする

キャリア面談は「それでは、あなたは何がしたいですか?」と「Will」からスタートしがちです。
面談の流れから仕方がない点もありますが、ついつい支援者としても「Will」に傾いたヒアリングになってしまうところがあります。ここで面談の場をコントロールできないと、Willにだけ軸足をおいた、やや浮足立った就職・転職活動に求職者を導きかねません。

そこで、一方向に流れてしまっていると感じる際には、あえて
「では逆に、やりたくないこと・苦手なことってなんですか?」
「一緒に働きたくないタイプの方っています?」
という問いを挟みます。
「do not like」を明確化することで、改めて現実的な選択肢を捉えなおす、冷静さを取り戻してもらうことが目的です。

「do not like」と向かい合うことで、求職者自身もそして私たち支援者も自己理解を一歩深めることができます。
嫌いなものを語るときに元気に話をする人はいません。ときには過去の失敗やトラウマ経験に触れることもあり、語り口は重苦しいものになります。同時に、語り方・口調・理由付けなどから、求職者のパーソナリティをより立体的に把握することが可能になります。

「営業職はノルマがありそうだから嫌です」と語る求職者は、実は営業・セールスの仕事の多様さを理解していないだけかもしれません。
そんな時にこそ、職業理解への浅い部分を補ったり、誤解を解く説明をすることで、求職者本人の視野を広げるお手伝いができます。

「苦手・嫌い」を知るメリット

学生の頃の私は、人であれ仕事であれ「苦手・嫌い」なものがそんなにない人間だと思っていました。どんな仕事内容でも、どんな職場でも、まぁまぁなんとか上手くやっていけるんじゃないか、と甘い自己分析をしていました。
しかし社会の荒波に揉んでいただくなかで、けっしてそんなことはなく、得意なタイプ・苦手なタイプというのは人間誰しもあるものだと勉強させていただきました(涙)。「苦手・嫌い」を意識せずに済んだ学生時代までの自分が恵まれていただけでした。

若年層にとって人生100年時代のキャリアは長い長い旅路になります。どんな仕事につこうと「上司ガチャ」、「配属ガチャ」は避けられません。
そんな場合も自分自身の「苦手・嫌い」を予め把握しておけば、不用意に虎の尾を踏むような事態も避けられます。「苦手・嫌い」を知ることは、自らのソーシャルスキルを高める機会となりえます。

キャリア面談の短い時間の中で「Will-Can -Must」を的確に把握しながら、「do not like」を可視化・言語化する。もっと柔軟にフレームワークを使いこなしながら、よりよいキャリア支援に努めて参ります。

ソラハルでは働く方々のウェルビーイング向上に資するコーチングやカウンセリングの機会を提供しています。
https://mentor-gift.biz/

<参考文献>
【図解】Will-Can-Mustとは?転職の自己分析にも使える!


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