僕なりのツッコミ論(前)
最近の漫才のツッコミの技術ってすごいなぁ〜って心から思います。
2019年や2018年のM-1グランプリなどは、ツッコミの披露会になってきているとさえ思います。ひと昔前は、いかに斬新なスタイルや発想のボケをするかの勝負をしていたのが、最近ではむしろツッコミ重視。いかに斬新なツッコミのパターンや、王道の技術を見せるのか。もはやM-1では漫才というのが競技化していると思います。
なので今回は、僕の思うツッコミの人が習得するべきな基本的な技術と絶対に必要となる能力について書いてみようと思います。
そもそもツッコミとはなんでしょう?なんとなく感覚的にはわかってはいますが、言葉にするとどうなるのか?僕の中では以下のような言葉で表現できます。
「お客さんの代弁者」であり、ボケが行う「一般的な感覚からするとおかしな言動」に対して、それを指摘する。
なので、ツッコミの人に絶対に必要になってくる能力として、大多数の人が、ボケに対して心の中でどう思うか、どうツッコミを入れるかを、正確に予想する能力だと思います。
ネタを見ていて、ボケは面白かったのに、心の中で思ったこととは全く別のことに対してツッコミが入っていまいちスッキリ笑えなかった。なんて人は多いんじゃないでしょうか?それは間違いなくツッコミのミスです。
なので常に養成所ではこう生徒に伝えています。
芸人は普通の人である必要は無いけど、普通の人の感覚を知る努力をしましょう。
何もかも普通の人間にお金を払う人なんていません。街中で見れますし、友人や家族で事足ります。
なので芸人になろうという人にとって特殊な感性・人とは異なる感覚は非常に重要だと思います。一般社会では受け入れられないような人間も、芸人にとっては貴重な脳みそだったりします。
しかし、それと同士に何もかも普通の感覚も知っておかなければならない。なので、つくづく芸人って難しいなぁって思います。
次にツッコミの技術論になります。
ツッコミは「お客さんの心の声」に対するアプローチの仕方で、大きく分けて2パターンあると思います。
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