骨伝導イヤホンの新作OpenRun Proは、気軽に自分だけのBGM再生環境が作れるイヤホン
定番骨伝導イヤホンの話題の新作
骨伝導イヤホンの新作、OpenRun Proをクラウドファンディングで購入しました。
イヤホンを日常的に装着していて耳の穴が痒くなったり痛くなったりということに悩まされていたので、骨伝導イヤホンには興味を持っていました。しかし、これまでいくつか出ていたもののどれもが「低音がスカスカ」という致命的な弱点があり、なかなか手が出ませんでした。
そんな中、今回クラウドファンディングで発売されたOpenRun Proは、ガジェット系YouTuberの発売前レビューが、どれも「従来のものより低音がかなり改善された」というものだったため、試聴しないままこのレビューを信じて購入してみました。
骨伝導イヤホンは「耳の穴を塞がずに聴けるイヤホン」というのが最大の特徴ですが、数日使ってみた上で、この特徴から導かれるメリットとデメリットとして感じたことを以下書いてみます(あくまでも個人の感想です)。
骨伝導イヤホンのメリット
①普通のイヤホンやヘッドフォンと比べて長時間つけても耳周りの不快感が格段に小さい。
→ 慣れるまでは若干の違和感はありますが、慣れてくればメガネと同じように一日中装着していても気にならないくらいの装着感です。
やはりこれはとても大きなメリットと感じました。
②装着中も、外音がほぼそのまま聞こえるので、利用シーンが幅広くなる。
→ 音楽等の鑑賞中でも、外からの音はかなりはっきり聴こえてきます。音量にもよりますが、音楽聴きながらの会話も可能なくらいです。
耳の穴はすっぽり空いているわけだから当然ではあるのですが、耳の近くで音楽が鳴っていながら、外の音も聴こえてくるという、今まで感じたことがない斬新な聴覚体験でした。
ただし、これはデメリットにも繋がる点でもあります。
骨伝導イヤホンのデメリット
①音質はまだまだ普通のイヤホンには及ばない。
→ 低音は「スカスカ」という感じではないですが、普通のイヤホンやヘッドフォンと比べて全体的に音の迫力や密度みたいなものは全然足りないと感じました。例えて言えば、解像度の粗いディスプレイを見ているような感じです(iphone4でretinaディスプレイに進化する前のディスプレイという感じ。)。
これから更に技術が上がってくればさらに音質も向上してくるのでしょうが、今のところは、音楽鑑賞用としては、音質は普通の(安い)イヤホンにも全然及ばないと言うのが正直な感想です。
②電車の中など、騒音が大きい環境ではほとんど音が聞こえなくなる。
→ 外からの音がかなりはっきり聴こえますので、騒がしい環境下にいると、ほとんど音が聴こえなくなってしまいます。
電車の中とか家電量販店の店内などの状況では正直聴くのは厳しかったです。
③音漏れがある。
→ 骨伝導とは言いつつもごく小さなスピーカーユニットぽいものからも音が出ているらしく、感覚的には、いわゆる普通のインナーイヤーのイヤホンと同じ様な音漏れは生じていると感じました。ですので、音漏れが許されないような環境での使用は難しいでしょう。
④首の後周りのネックバンド部分が襟などに干渉して煩わしい
→ 本体そのものは重さもほとんど無いのですが、首の後周りを囲むようなバンドの形状となっているため、襟の高い服などに干渉して煩わしいと感じることは多々あります。完全ワイヤレスイヤホンに慣れている人だと、この点は結構気になるのではないかと思います。
現状では、気軽に自分だけのBGM再生環境を作れる、というデバイスという位置づけか
私は自営業ということで、文書起案等の集中すべき作業の際にBGMを流しながら作業に取り組んでも怒られないという立場なので、BGMを聴きながら作業したいという願望を持ってはいるものの、流石にスピーカーから音楽を流すと周りの人に迷惑になりますし、他方で、イヤホン等をつけていると、電話の音に気づかなかったり、他の職員とのコミュニケーションにも支障を来たしますので、これらを解決する最適解がありませんでした。
また、裁判所等への出廷で徒歩移動することも多く(裁判所が駅から遠い場所にあることも多い)、その徒歩移動中に音楽やポッドキャスト等を聞いていますが、これ自体は普通のイヤホンでも可能ではあるものの、外音が聴こえないと狭い道とかでは不安ですし、最近のワイヤレスイヤホンでは外音取り込みモードもあるものの不自然な音になるのであまり使いたくないというジレンマがありました。
加えて、普通のイヤホンやヘッドフォンは、私は連続1時間の装着が限界で、それ以上になってくると不快感が増してきます。
骨伝導イヤホンは、以上の悩みをいずれも解決してくれる可能性を持ったものであり、気軽に自分だけのBGMを流せる環境を作れるデバイスというのが今のところの印象です。
価格2万円超えという、イヤホンジャンルでは高価格帯のデバイスになりますので、人によって骨伝導イヤホンに対して期待するものは色々かと思いますが、あとはメリットと値段が釣り合うかどうか、というところになるでしょう。