同じ自衛隊なのに
先にも書いたが、我が家は父と伯父が陸自、母方の伯父が海自の幹部自衛官だった。そして自分自身の交友関係の中にも、空自の現役自衛官が数人いるようになったのだが、彼ら個々人は非常に魅力的なのに、なぜか海と空には興味を抱くことがなかった。なぜだろうとずっと考えていたのだが、空も海も、その活動を身近に感じる機会があまりないことと、やはり父と伯父という、血のつながった肉親が活躍した陸自の活動を東日本大震災で目撃したことによって、自分の中で何かが変わった気がする。そして月日は流れ2019年、年号も改まったある日
コレをある媒体で紹介するので、撮影用の小道具を揃えてくれないか?というオーダーが来た。忙しかったので断ろうかと思ったのだが、数年前に私が自衛隊を紹介するムック本企画にも携わったことを知っている方からのオーダーだったので無下に断るわけにも行かず、かといって現在の自衛隊装備について詳しく知っているわけでもないので、以前Vショーで偶然再会した知人(詳しいことは知らないが、どうも自衛隊から受注する仕事をやっているらしいことだけは知っていた)に「これこれこんなオーダーが来たんだけど、自衛隊の迷彩服って買えるんですか?」という、今思うと極めてマヌケな質問をメッセで流してしまった。すると数分後...「それだったら富士吉田のレンジャーって店で売ってるよ。官品じゃないから燃えるけど」という謎のフレーズが返ってきたのだった。
正直、衝撃だった。自衛隊の装備品がこんなにたくさんあって、しかも今はネット通販で買えるという事実に私は腰を抜かしそうになった。笑われそうだが、官品・共済品・PX品の違いもこのときはよくわかっていなかったのだが、とるもとりあえずこのときはTC(テトロンコットン)の迷彩服を1セット、急ぎ購入したのだった。
案件は無事終了し、迷彩服も用済みといえば用済みになったのだが、サイズを自分用に合わせていたのである日着用してみると、不思議な高揚感を感じた。ああこれは、現代の軍服なのだと。ただ残念なことに、年齢的にもう予備自衛官にも任用されない年齢だし、これを着る機会ってあるんだろうか?と思ったときに
こんなブログを見つけてしまった。迷彩服案件と相前後してミリタリーアレルギーの強かった母が逝ったこともあり、自分の中にあった箍がこのとき外れたんだとわかるのはしばらく経ってからのことだ。