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SNSはメディアとして破綻しているのか問題
以前、SNSに投稿したものをまとめていると、ふと、こんなことを思いました。
「SNSは“メディア”として破綻していないか?」
便利な反面、誹謗中傷・差別・犯罪等のツールにもなる危険性も持ち合わせるSNS。もし「破綻している」とするならば、何がどう破綻しているのか…そのあたりの考えをまとめます。
なお、一部、以前の投稿と重複するところが出てきます。
私が思う、SNSを使って何かを主張したがる人の特徴
私が思うに、つぎの3つに分けられると思います。とにかく、何かを「したがっている」と。
①既存メディアを「オワコン」「オールドメディア」と言いたがる
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既存メディアを「オワコン=終わったコンテンツ」と言われて久しいですが、最近は「オールドメディア」とも言われるようになりました。これらって、一体、誰が言い出したんでしょうか?
私は、本当の意味での「オワコン」「オールドメディア」というのは、実は「SNS」のほうであり、また、それを使う人間も「オワコン」「オールド」ではないのかと思うのです。
②勝手にオリジナルのストーリーを作りたがる
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何の根拠もない噂・デマを簡単に信じて「こいつは、こうだから、ああだ」と勝手にオリジナルのストーリーを作り上げ、無実の人を追い詰めていく。
そんな「決めつけ刑事」(嶋田久作さん出演・ACジャパンの公共CM。先日、別投稿で取り上げました)みたいなのが、残念ながら、政治家にもいますね。あまりにも、そんな投稿が多すぎる。誹謗中傷も止まらない。人間って、こんなに残酷な生き物だったのかと、改めて思いました。
③「お気持ち表明」をしたがる
そもそも、そうしたことは、自ら取材し、裏を取って(ファクトチェックをして)、正しいものを出すことが求められるはずです。これ、基本中の基本。普段の何気ない内容のものも、投稿前に精査する必要があります。
しかし、不思議なことに、やれ事件だ、やれ不祥事だ、やれ事故だなどと、そういうニュースばかり取り上げては、無意味に感情的になり「お気持ち表明」をする人が、やたら多い。そんな人ほど、情報を既存のラジオ・テレビ・新聞・雑誌からしか情報を得ないどころか、裏も取ろうとしない。
いまは「お気持ち表明」がエスカレートしている状態ではないかと。
メディア云々以前に、社会人として失格ですよね。
そんな奴は大昔からいた
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…待てよ?そんな奴、大昔からおったやんか…。これって、今に始まったことじゃないんですよね。
インターネットのない時代を知ってる方、わかりますよね…身近に最低1人は、いや〜な奴がいましたよね。噂話が大好きで、ネガティブなことしか話題にしないような人が…現代でもいますが。そういうタイプに限って、大体「トラブルメーカー」だったりするものです。
そういう人は、戦前から…いや、もっと前からいたでしょう。それだけ、人間は、これまで何も学習してこなかった、反省もしなかった、何も子に教えてこなかったということです。
過去の流行語と今を比べる
評論家・大宅壮一氏の、こんな発言が流行していたことを思い出しました。
テレビに至っては、紙芝居同様、否、紙芝居以下の白痴番組が毎日ずらりと列んでいる。ラジオ、テレビという最も進歩したマスコミ機関によって『一億白痴化運動』が展開されていると言って好い。
「一億総白痴化運動」…いまのコンプライアンスでは適さない言葉かもしれませんが、過去の流行語であることと、今回のテーマにおいて重要な観点となることから、敢えて取り上げます。
この言葉、一部を現代に合わせて、別のものに置き換えてみます。
元の文にある「テレビ」を「SNS」に、「番組」を「アカウント」に、「紙芝居」を「テレビ」に置き換えると…
SNSに至っては、テレビ同様、否、テレビ以下の白痴アカウントが毎日ずらりと列んでいる。SNSという最も進歩したメディアによって、『一億白痴化運動』が展開されていると言って好い。
あら不思議。現代にマッチしてしまいます。それだけ「メディア」も「人間」も、「一億総白痴化」流行から70年近く経つのに、ほとんど変わっていないことがよくわかります。所詮、人間というものは、その程度でしかなく、「メディア」そのものを上手に利用することができていないのかもしれません。
ちなみに、先日記した記事のタイトル「一億総“横山やすし”化したっぽい…」は、これからヒントを得ました。
私なりの結論
「メディア」とは「通信・伝達・表現などの手段」のことを言います。しかし、SNSで「手段」となっているのは何だろうということを考えると、「通信・伝達・表現」のどれにも当てはまらないのではないかと。身勝手な「感情」を無闇に出しているだけ。「発言するための道具」にしかなっていない。そんなものを、本当に「メディア」と呼べるのか…
「メディアが破綻している」ということは「人間の根本的なところも、色々破綻している」とも言えそうだなとも思うのです。
SNSを使うのは「人間」です。破綻させているとすれば、それはSNSそのものでも、運営する会社でもなく、「人間」なんですよね。みんなで寄ってたかって、勝手なことばかり主張して、相手を攻撃しながら破綻させているとしか思えないのです。
(これ以上主語を小さくするのは不可能です)
以上の理由から、SNSは「破綻してるかどうか」以前に、
「メディアとして、そもそも成立していない」
と言わざるを得ないという結論に至りました。
これは、あくまでも、私なりに出した結論が、たまたまこうだったということ。反論もあるでしょうが、そのあたりはご理解ください。
…まあ、言ってしまえば、この投稿自体も単なる「お気持ち表明」でしかないわけで。
この投稿自体、矛盾してますね…つまり、そういうことなんですよ、はい。