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二月二日

【山行】 甲州高尾山

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多摩地域へ引っ越した一昨年、自宅から高尾駅へのアクセスが良く、山梨県へすぐ出られることから、中央線沿線の駅からハイキングを始めていた。
登山装備を揃えながら、レベル上げを意識して取り組み始めたのは昨年秋から。人の少ない静かな山々へ、電車で一時間程で小旅行気分で、気に入って計画している。自宅は高尾山まで電車で30分程の距離だけれど、まだ高尾山に登ったことはない。
今回も京王線で高尾駅まで、中央本線へ乗り換えて、山梨県甲州市にある「甲州高尾山」へ向かう。

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少し出遅れたものの、清々しい朝の空気で、駅からすでに見晴らしが良い。勝沼ぶどう郷駅から周回するコース。
【勝沼ぶどう郷駅(460m)-富士見台分岐(1,140m)-甲州高尾山(1,120m)-勝沼ぶどう郷駅(460m)】

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今回のコースは『山と高原地図 大菩薩嶺』のコースガイド「大滝不動尊から甲州高尾山へ」を辿っている。
行きはガイドでは大滝不動尊までタクシー利用とあったけれど、歩いても問題なさそうだったので歩きで向かうと、獣避けの防護柵の扉を開けて進んで良いことに気付かず、いきなり少し迷ってしまった。
抜けて進めば、眺めの良い林道歩きが続く。

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出発時は冷えていて、恐らくウィンタースポーツ対応のアウターに中はフリースと着込んで来たけれど、登って行くとやはり暑くなり、温度調整の難しさを思い知る。帽子の耳あてを折り返し、襟口を開けながら、大滝不動尊仁王門到着。半ば凍った滝を横目に石段を登り、本堂の脇から山内へ。

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展望台から折り返し富士見台方面へ、木陰にまだ雪の残る道を進む。事前にチェーンアイゼンを購入し、初めて携行したのだけれど、凍結はなく、今回出番はなかった。

ガイド本を見ながら斜面側にある山道への入口を探すも、雪のためか目印となる点が判らず、ルートにない沢を見ながら随分進んでしまっていた(道もしっかりしていて歩きやすく、林業作業用の道だったのかも知れない)。30分程経ち、地図を見返すとどうやら行き止まりの方面とようやく気付く。

(以下道迷い)

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(以上道迷い)

引き返し、先程の雪面の広がる崖がどうやら目印だったようで、近くに道標(撮影を忘れてしまった)を見付け、ようやく山頂へのルートへ、少し登ればすぐ尾根へ出た。

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左手奥へ進めば眺望の良い棚横手の山頂だけれど、先程の道迷いで失った時間を考慮し、富士見台・甲州高尾山山頂方面へ直接向かう。惜しいけれど、再訪の理由もできた。

一気に視界が広がり、清々しい稜線歩きが続く。富士見台からの富士山の姿はもちろん、青白く霞む山々が幻想的な眺め。

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見晴らしの良い場所で休憩、クッカーとガスバーナーを使って、初めての山ごはん。バーナーの音を背に富士山を眺めながら沸騰を待つ。「お椀で食べるカップヌードルシーフード」に対し、お湯の量が多かった。

少し歩けば「甲州高尾山山頂」の標柱があり、ここから下山の道へ。
落ち葉に包まれた急斜面を慎重に下り、いくつか起伏のある道を一時間半程進むと、左手にぶどう畑の見える登山道の出入口へ辿り着いた。

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下山の急坂や単調で長い道のりで疲れたていたところ、このメッセージがお出迎え。こちらの道で降りて来て良かった。ありがとう、ぜひまた来ます。

柵の先にある神社を抜けて車道へ出て、ぶどう畑の丘の中を進む「勝沼フットパス」で駅方面へ。途中で進路を変え、温泉施設「天空の湯」のある「ぶどうの丘」まで、ぶどう畑に囲まれながらまた登る。

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「ぶどうの丘」では、地下のワイン貯蔵庫で甲州市で作られるワインの試飲ができる。「甲州」はもちろん、今では甲州市でも少なくなった品種の「アジロンダック」など、甲州ワイン特有のぶどうの品種や多くの銘柄を楽しむことができた。お土産に2本、今回初めての出番の日帰りには少し大きめのザックに詰めて帰ることにした。
丘の上からの眺めで期待した通り、露天風呂からの眺望も素晴らしく、ちょうど日が落ちてゆく頃、夜景の美しさにも驚かされた。

温泉でほかほかの体のままタクシーで駅まで戻り、帰りの電車にまだ余裕があったので、駅前の食堂「銀月」へ。

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まさにおうちといった風情で落ち着く店内。甲州白のグラスと、馬刺しとおにぎりの付いた「ほうとうセット」を頼んだ。大鍋からよそってくれた美味しいぶり大根をつまんでいると、セットの料理が順番に運ばれてくる。最後にやってきたほうとうの量に驚いてしまった。
初めて食べるほうとう、野菜たっぷり具沢山、やさしい甘みで癒される味わいで、馬刺しとおにぎりもあり満腹だけれど、とても美味しく食べきった。

下山後の楽しみを存分に味わったので、帰りの電車へ乗った後はどこへも寄らずに帰宅。新装備、仏殿参拝、稜線歩き、温泉、地酒、郷土料理と、かなり充実で楽しい山行だった。また季節が進んだ頃、行けなかった棚横手の眺望を楽しみに再訪したい。

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