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二月二十三日

【山行】本社ヶ丸・清八山

登山道からの見晴らしは、やはり山登りの愉しみの中でも大きなもので、今はわかりやすくそれが期待できる「富士山の見える山」に惹かれている。
中央線沿線の駅からアプローチしやすい山も多い、山梨県大月市が選定した秀麗富嶽十二景が良い目標となり、これまで高畑山・倉岳山、扇山、滝子山と登ってきている。今回は12番山頂である本社ヶ丸・清八山へ。

【笹子駅(598m)-清八山(1593m)-本社ヶ丸(1631m)-笹子駅(598m)】

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笹子駅から出発。滝子山の際も立ち寄ったみどりやで笹子餅(よもぎ餅)を買い、登山口へ向かいしばらく舗装路を歩く。

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標高600mの笹子駅から1,000mの登山口まで80分、じわじわ続くアスファルトの坂道を登る。駅から登る場合こういったことも多いようで、登山道を行くよりも疲れたりする。やっと土の見えた道に入るも、まだ登山口ではなかった(登山口の写真は撮り忘れてしまった)。

本社ヶ丸・清八山の登山口から、いきなり枯れ草と針葉樹の茂る道となり、体を縮こませて進む。

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茂みを抜け、獣避けの柵を越え登ると、残雪と氷の張った細い道に出会った。ここで備えていたけれど初めて使うチェーンスパイクを装着。時折現れる氷の上はざくざく進むことができ、日当たりの良い雪のない道も通常とあまり変わらない感覚で歩ける。コンパクトで着脱も手軽で、携行してとても心強い装備だ。

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尾根道を本社ヶ丸とは反対方向へ少し歩けば、一気に視界が開けたところに迫力の富士山の姿に思わず声が漏れた。清八山山頂でお昼休憩とする。

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ツナ缶、顆粒だし、七味でだし茶漬け。
好天と冬の澄んだ空気で素晴らしい眺めの中のごはんだったけれど、この日は風が強く、木立がなく見晴らしの良いこの山頂は風を遮るものがなく、運動で発汗した体を急速に冷やしていった。
着るものの組み合わせが難しく、今回は暖かいアウターに中間着なしで来たのだけれど、初めは寒くもやはり登ると汗をかいてしまった。体が温まるまでや休憩時に手軽に脱ぎ着できる、携行する保温着の必要性をますます感じた。

折り返し、本社ヶ丸へ向かう。

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ちょっとした岩登りの場面もあり、体を動かす楽しみのある道を30分程進むと、本社ヶ丸山頂へ到着。山梨百名山でもあったのか。

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眺めは勿論、岩に囲まれた小ぶりな山頂がなかなか素敵。
登山口でご挨拶した二人組の方と山頂で出会い、下山の道や電車などを教えて下さった。よく来るのだろうか、確かにアクセス良好、程良い登り応えに爽快な眺めに、また訪れたくなる。

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分岐がわかりにくい箇所もあったけれど、概ね歩きやすく気持ちの良い道を進んで、16時半頃に駅の裏手へ下山。
今回はチェーンスパイクの他に、トレッキングポールを初めて使ったのだけれど、理想的な使い方はまだできていないにせよ、やはり下りに安心感があり、二本足でブレーキをかける負荷が大分減っていた。登りでも疲れにくく、快適な山行を支えてくれることを実感した。

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笹一酒造へ立ち寄り、観光バス客へ混じっていくつか試飲。パンチがありながらも爽やかな後味の、直売所限定「笹一 山廃純米無濾過生原酒」をお土産に、日暮れを迎えた笹子駅へ戻った。

休憩含め7時間、静かで登り応えのある行程に素晴らしい眺望にと、とても充実した山行となった。いずれ日の長い季節に、長丁場となるという清八山から三ツ峠へのルートにも挑戦したい。

前回道迷いの反省から、今回初めてGPSアプリ(YAMAP)を使用し、登山計画、現在位置確認、記録を行なった。
そもそもGPSが携帯電話の電波が届かないところでも使えることすら知らなかった訳だけれど、今回実際に使用して、行程中こまめに確認することで致命的な道迷いを防ぐことができ、これだけでもどんな登山にも必須な道具だと実感した。また、残った記録から、登山地図やガイドのコースタイムとの照らし合わせ、実際に自分の山行に必要な時間を推測することができ、本と組み合わせて計画することがより綿密に行えて、計画がとても楽しくなるというのも収穫。

体力、経験、装備、道具を徐々に積み上げていき、より山歩きの愉しみを深く味わっていきたい、という思いが強まった山行となった。じんわりと、楽しみながら鍛えていこう。

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