統廃合でどうなる?通学時の路線バス
9月がもうすぐ終わろうとしています。中学校3年生のみなさんは統廃合の情報が少ない中、不安に感じていることと思います。私自身も「2025年4月に統廃合する」以外の情報は分からず、何も詳細を発信出来ないのが痛いところです。
今回は統廃合したら路線バスはどうなるのかについてお話します。
統廃合で鷲林寺線の採算が悪化?(ここから常体)
前回のブログでは統廃合によって、阪神西宮から北高・甲高方面に向かう、阪神バスの鷲林寺線の採算が悪化するという持論を展開した。その理由は西宮南高校と同偏差値になることが予想され、平地にあり、自転車でも通学できる西宮南高校に志願者が流れてしまうからである。
実は赤字の鷲林寺線
阪神バスは営業係数を公表しておらず、各路線の採算が分からないのだが、2012年11月29日に西宮市民会館で開催されている「第5回さくらやまなみバス事業評価委員会」の会議資料1に「鷲林寺線は赤字路線」と明確に書かれている。10年前の会議であり、情報は古いが、ここ10年で特段事情が変わったとは思えず、現在も鷲林寺線は赤字であろう。
一般的に赤字路線は自社内の黒字路線の売上げを穴埋めして赤字が補填される。関西圏の多大な利益で中国地方や北陸地方の赤字を埋めているJR西日本、首都圏の多大な利益で東北地方の赤字を埋めているJR東日本が良い例だ。
しかし、新型コロナウイルスで生活様式が変わり、前述の一般論は通用しなくなった。加えて阪神バスはこれといったドル箱路線がない。百歩譲って、西宮浜線や武庫川団地線はまだ利益を出しているかもしれないが、これといった大学路線や企業路線がなく、ドル箱路線が定義できない。
さくらやまなみバスに客を奪われている現状
加えて、西宮市は2009年より西宮北口と北部の山口地域を結ぶコミュニティバス「さくらやまなみバス」を運行しており、西宮戎・獅子ヶ口北~甲山高校の区間で鷲林寺線と経路が重複している。運行自体は阪急バスが行っているが、西宮市にはかつての尼崎市のように交通局が存在せず、運行ノウハウがないことから、西宮北口と山口の2カ所に営業所を有する阪急バスに運行委託をしている。あくまでも事業者は西宮市で、運賃収入の中から運行経費が阪急バスに支払われる形であるため、阪急バスは損も得もしていない。
「南北直通」を実現すべく運行は開始されたものの、実際は南部輸送が大半であり、併走する阪急バス・阪神バスは客を奪われており、阪神バス側は前述の協議会で陳情を出している。
阪神沿線からの通学が減れば、減便や廃止に?
以上から、鷲林寺線はほぼ北高と甲高の通学需要に頼っていると言える。確かに甲山森林公園や神呪寺への足にはなっているが、そこに特段の需要はなく、これを理由に存続は難しいだろう。それ以外は阪急バスやさくらやまなみバス、阪神バスの西宮山手線と重複しており、極論廃止しても他路線で成り立ってしまう。
統廃合で阪神沿線の生徒が西宮南高校や尼崎小田高校、県立尼崎高校に流れてしまい、阪急沿線中心の通学網になってしまえば、ますます鷲林寺線は廃れてしまう。統廃合の議論においては、生徒の通学網もちゃんと考えるべきだ。
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