のらねこ日記いきもの編オニヤンマ
夏フェスに行った時、私の前を歩く2人組の帽子にオニヤンマがとまっていました。
よく見たらフィギュアでした。
『なんで、そんなのつけているんだろう?昆虫マニア?』と、その時は思いましたが、後日テレビで蜂や蚊などの虫除けだと知りました。
子供の頃、シオカラトンボや赤トンボは、よく見かけていましたが、生きたオニヤンマを見たのは、社会人になってから、それも職場(病院)でした。
古い病院の建物は明かり取りのためだけのコンクリの中庭があり、私の職場はそちら側に窓がありました。
1年目の夏、先輩が
「毎年、夏になると中庭にオニヤンマが飛んでくるのよ」と教えてくれました。
そして、確かにシマシマ模様の大きなオニヤンマが一匹飛んできました。
なにもないコンクリの中庭でオニヤンマは飛び回り、何処かへ去って行きました。
群れ飛ぶトンボしか見たことがなかった私は、一匹で飛ぶオニヤンマに
『孤高』を感じ、
『なんてカッコいいんだろう!』と思いました。
翌年もオニヤンマは現れました。
その翌年も。
たぶん何処か近くの水場で生まれて、風向きの関係で中庭を通るのでしょう。
私は、毎年オニヤンマが来るのを楽しみにしていましたが、6年目の夏から姿を見ることができなくなり、やがて私は転勤しました。
6年経って、また同じ職場に戻ってきましたが、やはりオニヤンマは現れず、オニヤンマのことを知る職員さんもいなくなっていました。
あれ以来、生きたオニヤンマを見ることはありません。
あの虫除けオニヤンマを買おうかな。