ギガント を観て
初めてコンドルズの舞台を観た。名前は学生時代から知っていたが、コンテンポラリーダンスの舞台としては値段が高めだったこともあって決心がつかずに、年月が経ってしまっていた。
多分、学生の頃観ていたら楽しかったなぁとそれだけの感想で終わった気がする。コンドルズはおじさん達が舞台の上で踊ったりコントのようなものをしている舞台だ。仕事に疲れて、週末ダラダラと過ごしている中年おじ様達とはちょっと違い、キラキラと輝き、時間をかけて作るサラミの燻製みたいに濃縮された旨味のようなものを感じる。二十代のアイドルが同じ事をやっても面白くなく、17人それぞれの生活や過去があって、年齢を重ねた人のダンスだから面白いんだと思う。舞台中にやる、おおぎりやコントはそこまでキレがあるわけでは無いけど、ふふっと笑ってしまう。プロのお笑いとも、美しいダンスとも違い、それぞれの個性の上に成り立つ舞台だから引き込まれ、感動出来るんだと思う。
多くのメンバーは他に仕事をしつつ、ダンスをし、やりたいことをやっているように見える。しかし、自己満足でなく客を意識して舞台を成立させている。
偶然が重なってたまたま今回観ることになったが、今だからこそ出会ったのだろうと思う。勇気を貰った舞台だった。