このライブカメラがすごい いきもの編(その1)
谷川俊太郎の「朝のリレー」が好きだ。
日が昇り日が沈む。そんな何でもない、毎日当たり前にやってくる現象をあれだけロマンチックに表現したものを他に知らない。
そんな教科書にも載るほどの名作を生んだお方が「なんでもおまんこ」なんて詩を作っているあたりもアナーキーで最高だ。
インターネット以降の世界において私達はいつでも自由に、家に居ながらにして遠く離れた土地の様子を知ることができる。
その気になれば国から国へと朝を追い続け、夜をも駆逐することができる。
朝のリレー、走者は全部俺。そんな物理的に不可能なことを可能にするインターネット、最高なので皆どんどん満喫したほうがいいと思います。
鳥のカメラ編
1.コーネル大学管理のライブカメラ群
https://www.youtube.com/c/CornellLabBirdCams
コーネル大学がアメリカ各地に設置しているカメラの数々。
以下、個人的によく見ているカメラ。
https://www.youtube.com/watch?v=N609loYkFJo
コーネル大学のお膝元、ニューヨーク州の学術都市イサカにあるサプサッカー・ウッズ自然保護区内に設置されているライブカメラ。なおこのエリアには同大学の鳥類学研究所がある。
サプサッカーとはシルスイキツツキのことであり、鳥類学研究所のロゴマークにもなっている。
視聴中に確認した鳥:アオカケス、ショウジョウコウカンチョウ、シジュウカラ、キツツキ類(頭が赤かったのでもしかしたらシルスイキツツキかもしれない)等。森で見かける鳥が多い。
お勧め時間帯:日本時間の午後9時頃に現地は夜明けを迎えるのでそれ以降。どの鳥カメラにも言えることだが、基本的に鳥は明るい間に活動する種が殆どなので日没後は他地域のチャンネルに移動するのがお勧め。
こちらは中米パナマに設置されたライブカメラ。
熱帯らしくフルーツを食べる鳥がやってくる。黄色い色、緑色、赤い色、楽園カラーの美しい鳥ばかりと思いきや意外と地味目な鳥も多い。熱帯地域の鳥に全く詳しくないので綺麗なことしか分からない……。
視聴中に確認した鳥:アマゾンオオハチクイモドキ
お勧め時間帯:午後9時以降
なおコーネル大学では鳥類の識別アプリなんてものも製作しているので気になる子がいたら調べてみるのもお勧め。
2.カラファン必見、フィンランドのカメラ
フィンランドの湖水地域、ラハティの街付近に設置されたカメラ。毎年冬期間限定の餌台を置いており、今シーズンは昨年十月から運用している模様。
とにかくカラの仲間がたくさん来る。人の気配がほとんどない場所なのか、はしこい彼らが比較的ゆったりと食事をしているところを見られる。
カラの仲間、ちっさくて丸っこくて可愛いですよね。
視聴中に確認した鳥:シジュウカラ、ゴジュウカラ、ウソ、アオガラ
お勧め時間帯:午後2時~午後11時頃。フィンランドは高緯度地域のためこの記事を作っている時点では昼間の長さが七時間ほどしかない。具体的に言うと現地時間の午前9時ちょっと前から日が昇り、午後4時頃には沈んでしまう。
3.常に大繁盛のバードレストラン
ライブカメラチャンネル「Bird watching HQ」より資材提供を受け、南アフリカの首都プレトリア郊外の民家の庭より放映中のライブカメラとのこと。明るいうちは常に何らかの鳥が来ているので変化の多いライブカメラが好きな人には特にお勧め。フルーツ、ミンチ肉、雑穀、蜜と様々な餌が提供されているのが繁盛の秘訣か。あまりに餌が減るのが早いため交換風景に遭遇することが割とある。
右上に出る鳥種のテロップは恐らくAIで自動識別しているものと思われる。実にハイテックなシステムである。ボタンインコ以外は日本では馴染みのない鳥ばかりなのでとてもありがたい。
視聴中に確認した鳥:ウロコカワラバト、ミドリモリヤツガシラ、ボタンインコ、ホオグロスズメ
お勧め時間帯:午後1時以降から。これを書いている今時期、南半球は夏なので昼の時間が長くベストシーズンかもしれない。
4.今まさに旬、ハクトウワシの子育てカメラ
North East Florida Eagle Cam。
ハクトウワシを中心とした猛禽類の保護団体「American Eagle Foundation」が設置している、サムソンとガブリエルと名付けられたハクトウワシのつがいの巣の様子を中継するカメラ。先週雛が生まれたばかりであり、子育てに奮闘中の彼らの姿が見られる。これを書いている時点ではダントツのお勧め。フワフワの綿毛に包まれた雛、今からでも間に合うのですぐ見よう。
同じ巣を四つのアングルから見られる豪華仕様。お好みのカメラですぐ見よう。
視聴中に確認した鳥:ハクトウワシ
お勧め時間帯:こちらの午後九時ごろに現地は日の出を迎える。明るくなるとすぐ雛たちの朝食風景が見られるのでお勧め。活動が活発なのはやはり日中だが、日没後もかいがいしく雛を守るお母さん鳥の様子が暗視機能で確認できるので一応24時間楽しめるカメラではある。子育てに昼も夜も関係ないのは人も動物も変わらないのだ……。
簡単にレコメンドするつもりがいきもの編だけでも二つの記事に分けるはめになってしまった。次回はいきもの編その2として鳥のカメラを他に何点か、そしてその他のいきものカメラの紹介をしようと思う。