日本最古の抹茶の効能書である栄西禅師の「喫茶養生記」
我が国のお茶の歴史
遣唐使が往来していた奈良・平安時代に、最澄(さいちょう)、空海(くうかい)などの留学僧が、唐よりお茶の種子を持ち帰ったのが、わが国のお茶の歴史の始まりとされています。
平安初期(815年)の『日本後記』には、「嵯峨天皇に大僧都(だいそうず)永忠(えいちゅう)が近江(現在の滋賀県大津市)の梵釈寺(ぼんしゃくじ)において茶を煎じて奉った」と記述されています。
鎌倉時代、日本の茶祖と言われている臨済宗の開祖である栄西が、中国・宋に渡り、天台山にこもって禅宗の修行をしました。その時、お茶についての情報も収集した結果、お茶には健康長寿の効能があることを知り、帰国後の建暦元年(1211年)、71歳の年に書き上げた書が『喫茶養生記』。これはその一節、ここでのお茶とは抹茶のことです。鎌倉幕府三大将軍の源実朝に、茶を一服進上した際、その効能書として献呈したといわれています。
お茶を飲むと長生きすることを、すでに800年前に、自らの著書に記していて長生きでした。当初は、お茶は薬とて飲用されていました。栄西は、平均寿命が25歳前後だった鎌倉時代に、なんと74歳まで長生きしました。
現代は薬事法の関係で、公には、強く言えませんが、現代科学がその証を研究しています。椿科の植物ですが、一年を通して、茶畑の葉っぱの色は緑色で、力強いエネルギーがあります。
公益財団法人 世界緑茶協会●https://www.o-cha.net/kounou/index.html
最近の緑茶の効能研究成果
効能別
がん抑制に関するもの
脳の機能維持、増強に関するもの
脳血管障害の予防に関するもの
アレルギー緩和に関するもの
糖尿病予防に関するもの
生活習慣病予防に関するもの
C型肝炎に対する効果
その他
漢方では、「肝・心・脾・肺・腎」の五臓が互いに助け合い、抑制しあって身体の健康を維持していると考えます。その五臓がそれぞれ好む味が五味であり、五味をバランスよく食すれば五臓は健全に保てると考えます。
五臓(ごぞう) 肝(かん) 心(しん) 脾(ひ) 肺(はい) 腎(じん)
五味(ごみ) 酸 苦 甘 辛 鹹(塩辛い)
コーヒーとお茶に共通しているのは「苦味」、五臓の「心」が好む味ですね。漢方では五臓六腑を役人にたとえますが、「心」は「君主の官」と言われ臓腑の代表格です。五味の中でも一番摂りにくい「苦味」ですが、心を落ち着かせ、身体の余分な熱をとり湿気を除く働きがあります。季節では夏、一日の中では日中に摂ることがおススメです。
喜多重左衛門は生業がお茶屋ですから、幼少のころより、生活習慣にお茶を飲むことが日常茶飯事ですから大いにこのおかげはいただいています。ただし、健康寿命と本来の寿命は違います。