【インタビュー】森永製菓・渡部さん
こんにちは!SEE THE SUNサイエンスコミュニケーション研究員の北島です。
今回はカスサミットでお世話になった森永製菓の渡部さんにオンラインでインタビューしてきました!!noteを通じて共有できればと思います。
カスサミットについては↓からご確認ください。
カスサミットに参加した感想
──まずは簡単に自己紹介をお願いします
渡部さん 森永製菓の渡部です。以前は甘酒の開発を行っていて現在は甘酒のマーケティングを行っています。
──カスサミットに参加していただきありがとうございました。カスサミットはいかがでしたか?
渡部さん カスサミットは成功させられて嬉しかったです。消費者の方にダイレクトに伝えるのは難しいので、そんな中でイベントとしてカスサミットという方法をとれたのがよかったと思います。
──他の方法と比べてカスサミットでは特にどのようなところがよかったと感じましたか?
渡部さん お客さんに情報を伝えるのってすごい難しいんですよね。広告を打つと身構えられてしまう部分もあって…
そんな中で情報を伝える方法としてああいうイベントをできたのはよかったです。いろいろな新聞社の方が来てくれましたし、ネットニュースにもなりましたね。
──当日自分も受け付けなどお手伝いをしてましたが確かにいろんなメディアの方がいらっしゃってましたね。
渡部さん そうそう!業界紙の方々がたくさん来てくれて、仕事の中で話題になることもあってカスサミットの反響を感じました。
お仕事と甘酒について
──カスサミットの成功を渡部さんにも喜んでいただけて嬉しいです!ここからはカスサミットでは聞ききれなかったお仕事と甘酒お話を伺いたいと思います。
渡部さんのお仕事は甘酒に関わるものなんですよね?
渡部さん 今は甘酒のマーケティングに携わっています。もともとは研究所にいて、研究所ではinゼリーと甘酒の開発を行ってました。
──inゼリーも開発されてたんですね!
渡部さん ドリンクってことでinゼリーもやってましたね!そこからはマーケティングにも興味を持っていたので、マーケティングの部署に移りました。
──マーケティングの部署で働くにあたって研究所での経験はどのように活きていますか?
渡部さん 研究所出身だからこそ、研究の人が考えていることが分かったのは大きいですね。特に研究の人に何かお願いする際には、他の人に比べてうまくやり取りが出来ていると思います。
──なるほど、研究員の方とのやり取りに経験が活きているんですね。
渡部さん そうですね。意識しているのは、お願いするところはしっかりお願いして工数を少なくすることです。全部頑張ろうとするととても難しくなっちゃうので、緩急をつけてもらうように伝えています。そのうえで余裕のある時間でクリエイティブな研究をしてもらえればと思ってます。これは研究をしていた経験があるからこそ伝えられることだと思います!
──マーケティングと研究の両方を知っているからこそですね!
食を支える科学について
──さて、ここからは少し話の話題を変えて食を支える科学について伺おうと思います。僕はサイエンスコミュニケーション研究員ということで食にまつわる科学と社会との橋渡しを考えているのですが、渡部さんの考える食にまつわる科学にはどのようなものがありますか?
渡部さん 食品ってめっちゃ科学ですよ!!例えばパンケーキとかも化学反応なんですよね。
──パンケーキですか!正直あんまりイメージしたことないですね…
渡部さん ふわふわパンケーキミックスっていう商品があります。昔ふわふわなパンケーキが流行ったことがあって、それをお家でも作れないかなってことで開発されました。
このパンケーキミックスを使うと、炭酸水素ナトリウムを加熱すると二酸化炭素が発生する化学反応を使ってパンケーキをふわふわに膨らませることが出来ます!
──炭酸水素ナトリウムの反応は中学生の理科で勉強しました。パンケーキミックスに活用されているのは驚きました!こんな素敵な商品を開発する研究者の方が研究開発の時に意識していることにはどんなことがありますか?
渡部さん 研究員と話すときにはメーカーの研究者は製法開発者という話をよくします。美味しいものって食品の研究者ならだれでも作れるんですよね。ただそれがコストに見合うかや実際の製造ラインでの工程がどうなってるかを考えることがとても大切なんです。
──メーカーで研究開発するからこその視点ですね。
食を支える科学を伝えること
──サイエンスコミュニケーション研究員としては、今回教えていただいたような食にまつわる科学を人に伝えることに興味があります。研究の結果は商品として世に出るわけですが、どうすれば十分に研究の結果が活かされると思いますか?
渡部さん まず人に伝えようとしても伝わらないことはたくさんありますね。やっぱり商品を売るとなると色々な要因があります。そのために、頑張って開発したものであっても研究所の外に出た瞬間から壁にぶつかることは多いです。
そんな中でも研究者の頑張りが商品として世の中に出るためには、その壁を研究者に伝えることが重要だと思います。
──なるほど、やはり研究の結果を商品として売るのはとても難しいんですね。
渡部さん 研究所の技術がどんなに良くても、やっぱり売るのは難しいです。技術やおいしさだけではなく、パッケージまで大事なんですよね。消費者の方が商品を選ぶのには色々な要因があるので、「なぜその商品を無意識のうちに選んだのか」が分かるようになるとありがたいなと思います。
──なぜ商品が選ばれたかが分かるようになるとコミュニケーションの方法もより良いものが見つかりそうですね!
そろそろ時間になってしまいました…たくさんのことをお聞きすることが出来てとても楽しかったです。今日はありがとうございました!
インタビューを通じて
今回は森永製菓で甘酒のマーケティングをなさっている渡部さんにインタビューさせていただきました。
もともとイメージしていた研究は美味しいものを作る研究でしたが、インタビューの中で「メーカーの研究者は製法開発者」という言葉を伺いハッとしました。単においしいものを作るだけでなく、それを商品として作るところまで考えてこそメーカーの研究者ですね。実際に研究を商品にしているからこそのお話を伺えたと思います。これから自分が研究者になった時には、研究結果を実現して社会実装するための方法まで考えたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。これからも科学と社会との関係を食を絡めながら活動していけたらと思います!次の記事も読んでいただけたら嬉しいです。