宇留野圭『Keyway』
2023年7月16日の日記。
真鶴からみなとみらいへ向かい、BankART Under 35に行って来ました。BankART Under 35は、2021年にはあの菅実花さんも出展していた展示でした。
目当ては佐貫絢郁(さぬきあやか)さんと保坂和志さんの対談だったのだけど、一度の支払いで他の二ユニットの展示を(そして別会場のOver 35展示も)見られるということだったので、他のUnder 35作品も見てきました。
宇留野圭さんの『Keyway』が面白かったです。作品の一つは、掌二つ分ぐらいの大きさの、三つの透明の箱を一つの装置に接続した物。一つの箱は、瓶とか何とかが散乱している中で、モーター仕掛けの機械が暴れ回り、瓶を叩いていて、その音ががちゃんがちゃんと周囲に撒き散らされている。一つは箱に収まる小さな蛍光灯が吊るされていて、その手の所にモーター仕掛けの何かがぶら下がってぐるぐる回っている。もう一つは何だったかな、動きのない大人しい感じの物。それらが一つの装置に別々にくっつけられているのだけど、一つ目の瓶をがちゃがちゃやってるやつが自分の箱を揺らすので、その揺れが他の二つにも伝わって揺れてしまっている。これは、アパートでDVをする奴がいる部屋があり、気にせず暮らす奴がいて、あとは見なかったことにしてじっとしている人もいる、というシチュエーションを思わせて面白いなと思いました。
もう一つ、縦長の真っ白な壁が、三つ横に並んでいる展示もありました。それぞれちょっとだけ違って、一つは窓にカーテンが掛かっていて、風に揺れている。真ん中のは細い窓があって、向こうは見えない。三つ目はそうした物のないただの壁。
そして裏に回ると、それぞれの背後に虫の死骸が置かれていたり、シンクがあったり、加えて虫の死骸の動画が流れていたりと、やっぱりそれぞれの壁、を持つ部屋の住人を想像させるような物が目に入ってきます。住人を想像しつつ、表の壁との関連を考えてしまったのですが、よく分からない。もしかしたら、さっきの展示に引っ張られてしまったけど、全然違う見方をするのがよかったのかも知れないなと今思い返しながら思っています。
さて本題の佐貫さん。
……は、長くなったので日を改めて。
追伸
宇留野さんの作品は本人の公式サイトに動画が載っていました: https://www.keiuruno.com/home-1/resent-work/%E5%AF%86%E5%AE%A4%E3%81%AE%E4%B8%89%E9%80%A3%E6%A7%8B%E9%80%A0/