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外部信号とそれを用いた裏技
ホールに行って遊技台の情報を見る際に欠かせないアイテムとして、「データカウンタ」があります。ホールに設置されているパチスロ機の上部に付いているお馴染みのアイテムです。
昔のデータカウンタと言えば、大当たりの回数、小当たりの回数、現在の回転数や総遊技数といった、必要最低限の情報しか見れませんでしたが、昨今のデータカウンタはとても優秀で、過去の当たり履歴や台の差枚数、スランプグラフまで見れちゃうのもあり、台を選ぶ際に役に立つものとなっています。
今回は、パチスロの「データカウンタ」を表示させるための情報源となる「外部信号」と「それを用いた裏技」についてお話をしていきたいと思います。
外部信号について
データカウンタの表示に関する情報は、基本的にパチスロ本体を司るメイン基板から送信される「外部信号」が基になります。
「外部信号」とはその名の通り、「パチスロ機の外部へ送信する信号」の事で、外部へ送信する信号なので、パチスロ機内部に信号が送られる事はありません。
この外部信号で送信してる情報を大きく分けると5つに分類されます。
①メダル投入信号
②メダル払出信号
③大当たり信号
④小当たり信号
⑤ART/AT信号
これらの5つの信号について詳しく見ていきましょう。
メダル投入信号
メダルを規定数投入し、スタートレバーを押下するとリールが回りだします。このリールが回りだした時に、現在投入されているメダル枚数に応じて、メダル投入信号が送信されます。
一般遊技中なら大抵が3枚掛けなので、3回分のメダル投入信号が送信されることになります。また、リアルボーナス中なら、1枚掛けや2枚掛けで遊技することがありますが、この時には、1回分又は2回分のメダル投入信号が送信されることになります。
このメダル投入信号が送信されることにより、ホールのデータカウンタに投入メダルの情報が送られ、現在のプレイ数が「+1」されたり、台のIN枚数がカウント出来るようになるわけです。
メダル払出信号
リールを全て停止させた時に、有効ライン上に特定の図柄組合せが揃ったか否かの入賞役判定をメイン制御で行います。この入賞判定において、払出がある図柄組合せ(1枚~15枚)が揃った場合、配当枚数に応じて、メダル払出信号が送信されます。
1枚の払出なら1回分のメダル払出信号が送信され、2枚の払出なら2回分のメダル払出信号が送信され、最大15回分のメダル払出信号が送信されることになります。
(規則上、入賞役の最大払出は15枚となっています)
このメダル払出信号が送信されることにより、ホールのデータカウンタに払出メダルの情報が送られ、台のOUT枚数がカウント出来るようになるわけです。IN枚数の情報を合わせる事で、台の差枚数やスランプグラフを描くことが可能となります。
大当たり信号
リールを全て停止させた時に、有効ライン上に大当たりの図柄組合せが揃ったか否かの役物作動判定をメイン制御で行います。この役物作動判定において、大当たりの図柄組合せが揃った場合、大当たり信号が送信されます。いわゆる「BIG」と呼ばれる信号です。
この大当たり信号が送信されることにより、ホールのデータカウンタに大当たりの情報が送られ、大当たりの回数が「+1」されます。また、大当たり中(ボーナス消化中)においても、大当たり信号は送信し続けるので、データカウンタ的には一般中ではなく、大当たり中という認識が可能となり、大当たりで獲得した枚数がカウント可能になるということです。
大当たりが終わったら(ボーナスの消化が終わったら)、大当たり信号の送信が停止されるので、データカウンタ的には一般中となります。
小当たり信号
リールを全て停止させた時に、有効ライン上に小当たりの図柄組合せが揃ったか否かの役物作動判定をメイン制御で行います。この役物作動判定において、小当たりの図柄組合せが揃った場合、小当たり信号が送信されます。いわゆる「REG」と呼ばれる信号です。
この小当たり信号が送信されることにより、ホールのデータカウンタに小当たりの情報が送られ、小当たりの回数が「+1」されます。また、小当たり中(ボーナス消化中)においても、小当たり信号は送信し続けるので、データカウンタ的には一般中ではなく、小当たり中という認識が可能となり、小当たりで獲得した枚数がカウント可能になるということです。
小当たりが終わったら(ボーナスの消化が終わったら)、小当たり信号の送信が停止されるので、データカウンタ的には一般中となります。
ART/AT信号
こちらのART/AT信号は、その名の通りART/AT突入時に送信する信号ですが、「サブ基板での出玉管理時」と「メイン基板での出玉管理時」では、送信する際の条件が少し違ってきます。
サブ基板での出玉管理時
一昔前のサブ基板で出玉管理をしていた時では、サブ基板の押し順誘導によって、メイン基板で予め定められたART/AT信号の出力条件を満たすようにしてました。
例えば、AT機において、「メイン基板で押し順ベルを3回連続で取得したらART/AT信号を出力する」といった条件があった場合には、サブ基板で押し順を誘導して、メイン基板からART/AT信号を出力させるといった感じでした。
この時のART/AT信号のデメリットとして、実際にATが開始されるゲーム数のデータカウンタへの反映ゲーム数が多少ずれてしまうことです。送信条件を満たし、誘導するまでフラグのヒキに左右されるからです。
また、途中で押し順を何回かミスして、ART/AT信号の出力を停止させてしまった際に、再度ART/AT信号を出力する場合がありますが、このときは実際のARTゲーム数のずれだったり、ART初当たりの回数のずれ(実際より多く表示される)が起きてしまう場合があります。
たまに旧基準のAT機などで天井ゲーム数とデータカウンタ上でのゲーム数が合わないというのは、これらの外部信号の出力が原因となっています。
外部信号を用いた裏技
上記のように、サブ基板で出玉を管理しているような旧基準のAT/ART機の場合、意図的な押し順ミスで外部信号の出力をある程度操作出来てしまいます。
例えば、通常時にペナルティ覚悟で変則押しをしまくった時、外部信号を出力する条件を満たせた場合、大当たり信号等が出力されてしまいます。その後、大当たり信号等の出力停止条件が満たされると、データカウンタ上で現在の回転数を0に出来てしまいます。
この裏技を使用すると、見た目のゲーム数が0なので、「内部的なゲーム数」を隠すことが可能となり、天井狙いをする際などに悪用出来てしまいます。
メイン基板での出玉管理時
昨今の出玉をメイン管理でおこなっているART/AT機などでは、遊技状態もメインで全て管理しているので、ART/AT開始条件を満たせば即ART/AT信号を出力し、ART/AT終了条件を満たせば即ART/AT信号を停止といった事が容易になりました。
なので、ARTゲーム数のずれや、途中で押し順をミスした際のART/AT信号への影響はほぼなくなり、データカウンタへの曖昧な出力が無くなったとも言えます。
まとめ
各外部信号のデータカウンタへの接続(出力)の仕方によって、表示されるカウンタの場所や内容が変わってきたりするので、ホールで打つ際には注意が必要です。
「大当たりカウンタ」にART/AT信号が出力されていたり、「大当たりカウンタ」に大当たり信号と小当たり信号の両方が出力されていたりなど、ホールによって接続の仕方が違うこともありますので。