【クラウドファンディング】夕張高校魅力化プロジェクト
初めてのクラウドファンディングは、H29年7月。
「夕張高校魅力化プロジェクト」の寄付募集を開始し、目標額の3倍となる2,300万円の寄附が集まりました。
地域にとって、高校はとても重要な存在です。
地域で唯一となった夕張高校がなくなると、公共交通では他地域の高校へ通うことができません。
そのため、小中学校から別の地域で子育てし、親が職場に通うようになり、地域の活力がますますなくなっていきます。
財政破綻が表面化してから、地域の子どもたちには、行政サービスとしてのサポートができずにいました。
そんな子どもたちが、せめてチャレンジすることに対して、地域としてできることがしたい。
それが、夕張高校魅力化プロジェクトが立ち上がった経緯です。
夕張高校は絶対になくさない
夕張市は、財政再生団体。力強く未来に向けて政策を表明することは難しいです。
でも、夕張高校の生徒たちは、暗くなった地域を盛り上げようと、
連合野球チームが甲子園出場校に善戦したり、地域に出張する"学校祭"でヨサコイを披露したり、様々な活動を繰り広げていました。
市役所時代の先輩から、よく言われていた言葉があります。
「自分たち(市職員)が何もしなければ、子どもたちに負担を残すことになる。やらないということは加害者になるということだ」
お金ないから助けてとか、このままじゃ夕張高校なくなる、といった被害者意識の発信ではなく、
プロジェクトメンバーは、鈴木市長(当時)と話し合い、「夕張高校を絶対になくさない」という強いメッセージを表明することを決めました。
驚きの反応
いま考えると、支援を集める策は全く考えられていませんでしたが、
出身者の方から多くのご支援をいただきました。
その後、新聞にも掲載されましたが、
2名の出身者の方が500万円ずつの支援を申し出ていただき、
たった2名で目標の700万円達成となりました。
自治体が税金をどう使うのか。
しっかりとなぜこれを実現したいのか、しっかりと意思を表明することで、
共感していただける方に伝わるのだと実感しました。
このプロジェクトは、ふるさと納税として扱うことができる「ふるさと納税型クラウドファンディング」です。
共感を力に変えることができる素晴らしい仕組みです。
実現した瞬間に震え
このプロジェクトで集まった支援金を活用し、
高校生のチャレンジを実現する場、公設の塾を作りました。
学力を高める場として、将来的にはいろんな探究活動の場としたいという想いで作りました。
スタートを切った日、いろいろな感情がこみ上げてきました。
新しいことは何もできなくなった夕張市。
周りのまちから10年以上置いていかれていました。
でもふるさと納税があったことで、自助努力によって、チャレンジすることができるようになりました。
「ようやくチャレンジできるんだ!!!」
身体が震えるのを感じました。
あの瞬間の感激を忘れることはありません。
クラウドファンディングで地域が変わる一歩を踏み出した瞬間でした。