【補助金】事業計画書の売上計画を立てよう。
先日の記事で、資金計画を立てようとお話しました。
事業を行う上で、まずはかかる経費と資金調達方法を整理しておきましょうという事です。
今回は、売上計画についてお話します。会社全体の売上計画というか、損益計画を作るために必要な、まずは売上計画についてお話します。
今回も無料記事です!
まずは誰に売るのかを考える
事業を始めるにあたり、新商品でも新サービスでも「誰に提供するのか」ここから始めましょう。
想定は既にあるかと思いますので、ひとつひとつ想定してゆくのが大事です。
今回はせっかくですので、事業再構築補助金で考えてみましょう。
まずは、
■ そういった販売活動で
■ 誰に
■ どれだけ
販売してゆくのがどういったものかにもよりますが、いくつかプランを想定しておくのが良いです。
販売方法、販売活動について
提供方法を転換する場合は、たとえば店舗販売をECサイトへ転換するという事が事業計画の肝だったりすると思います。
わかりやすいのでそれを例に考えてみたいところです。小売業と仮定して。
まずは、簡単に表を作ってみましょう。
新事業のスタートを今年の10月と仮定しまして、売上件数はどこからどのくらいかを考えます。
プランAとして、既存顧客をECサイトへ誘導すること。
プランBとして、新規顧客の獲得による売上があがるものと想定します。
で、事業再構築補助金では、既存店舗の縮小要件があるので、今のところ想定していなくても不採択想定で。あるいは縮小してもある程度再開できる目途がたったとしてそちらの想定も考慮しておきます。
希望的観測として、たとえば、サイト開設で既存顧客を誘導し、商品を100個売るとします。
翌月にWEB広告を打ち出し、新規顧客を獲得。12月はクリスマス商戦を狙ってWEB広告の頻度を上げたり、セールを行ったりして売上個数を伸ばしてゆく。こんな計画を立てたとしますね。
実現可能性を高めて行く
ただ、補助金申請では、ざっくり希望を書くだけではだめで、「なぜ」を考えてゆく必要があります。
例えば、ECサイトをオープンしたからと言って、商品が100個。既存顧客が買ってくれるかはわかりませんよね。ぶっちゃけ。
そこで、根拠を提示します。一番危険なのは「多分これくらいでいけるだろう」申請で、たまたま採択されたとしても後々きつくなります。
ですので、根拠となる数字を洗い出します。
■ プランA
<市場>
既存顧客 会員カード(ポイントカード発行数 1000枚)
リピーター数 延べ300人 20代~40代 女性中心
<ECサイトの利用率>
20代~40代のECサイト利用率は2018年で30代が約79%、20代が78%、40代が69%(N社調べ)
平均して75%が利用すると想定
<競合動向>
競合として「R天」「密林」というサイトがあり、非常に高いシェアを取っている。その他、当店の同業他社の大手企業もECサイトを行っており、シェアを獲得する事は容易でない。
しかし、当店でしか扱わないオリジナルアイテムを扱うことでその分野で顧客誘導は可能。当店の売り上げの実績値として25%がその商品を購入している。
300人 × 75% × 25% = 約56人の誘導が可能と想定
<購入点数>
これまでの店頭購入では顧客の平均購入数は3~4点であった。
しかしながら、ECサイトについては好みの商品だけをピックアップして購入し「ついで」での購入がないことが考えられる。
半数の1.5個~2個と想定
56人×1.75(平均) = 98個 購入と想定
これで約100個の購入と若干想定より強気に想定するのも手です。
割とガバガバですが、ある程度の筋は通った想定個数ではないかと思います。
上記の想定がガバガバだからいやだという場合はもっとニーズを探ってみることがいいかなと思います。
・ アンケートを取ってみる(2020年1月~4月までに来店した顧客200人に向けて、当社ECサイトがオープンしたら使ってみたいか)
■ 使ってみたい 50%
■ 欲しい商品があれば使ってみたい 35%
■ ECサイトは使いたくない 15%
これで200人のうち50%が利用する=少なくとも1点は購入する。
という想定もありといえばありですね。
小売店の場合は想定できない事かもしれませんが、たとえば卸売りの場合、BtoBの取引として、ECサイトで月間100個の商品取引を行う内諾・約定が出ている。とかあれば一番の根拠ですけれども。
新規顧客獲得の場合も考え方は同じですが、新規顧客獲得のために行う販売方法に応じて考えると良いでしょう。
プランB
<市場>
市場規模は2兆円程度、大手4社が70%を占める。
ECサイト全体数は500を超えるサイトがすでに存在する。シェアの獲得は難しい。
<ペルソナ>
20代~40代の女性。〇〇に関しては安さより利便性や高品質(オーガニックなど)を選ぶ傾向にある。
<販売方法1 WEB広告>
SNSへの広告出稿 クリック課金で〇〇万円上限
PVは〇〇万、0.01%が購入を見込む
<販売方法2 既存顧客からの口コミ>
友達・家族へ進めるとポイントサービスを行い、利用者想定50人のうち10人が利用開始と想定
例えば、たとえばですけれどもこういった想定をします。
広告により10個商品が売れる。既存顧客からの紹介により10個売れる。
と、想定して、売上個数を考えます。
売上高
予測売上数 × 販売単価
単純に言えばこうですが、販売単価、ここの設定も大事です。
これは次回以降の記事にもしたいと思うのですが、たとえばECサイト開設に経費が掛かったからと言って、商品の値段が市場価格より高くなったら買いませんし、既存顧客も離れて行ってしまいます。
だからといって安くしすぎても儲かりませんし、悩ましいところです。
ここは市場価格又は、これまで売っていた同様の値段とかで想定してもいいです。
ここでの計算はできるだけシンプルに。同じお客さんが同月に2回3回と買いに来るから少し値引きとか複雑にすると予測が立てにくいです。
売上計画に関するまとめを行いましょう
補助金申請書にも書けるような言葉を用いて売上計画をまとめます。
プランA(既存顧客のECサイトへの誘導・販売)
2021年10月より、ECサイトへ店舗を移行する。顧客は既存の顧客を誘導する。初月売り上げは100個を想定するが、クリスマス商戦に向け、広告を打ち出すことで、12月の売り上げは120個と想定する。
販売単価は3,000円、仕入れ率(原価率)は60%、ECサイト販売手数料を2%と想定する。
こんな感じで売上計画を立ててゆきます。いわゆる前提条件です。
次回以降、損益シミュレーションを行ってゆきましょう!
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