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学校の部活動はやっぱり無くならない?

1.その嘘本当?

中学校・高校から部活動が無くなる!?
なんてことが叫ばれています。

部活嫌いの高校教員である私からしたら、「本当ですか!? 是非お願いします。少しでも残業時間減らして欲しいです」ってなもんですが、ちょっと待った。
そんなことってあり得るんでしょうか?

2.噂の真実

そもそも、部活が無くなるってどういうことなんでしょう?
ネット記事によれば、次の通り。

公立中学校の休日部活動を、民間のクラブや指導者へ委ねる「地域移行」が2023年度から段階的に始まる。スポーツ庁の有識者会議は25年度までの3カ年で完了するように提言。

南日本新聞 373news.com

なーんだ。
・中学校で
・休日の部活を
・民間にゆだねる

ってことなんですね。

じゃあ、部活は無くならないね(涙目)。

3.部活動が無くならない理由

なぜ無くならないかと言えば、次の理由を挙げることができます。

  1. 平日は学校が部活動を強制している

  2. 休日に責任をもって部活動を引き受ける指導者がいない

  3. 大会の運営は教員がせざるを得ない

これらの理由について、もうちょっと詳しく述べていきます。

4.理由①:学校が部活動を強制している

平日は学校で部活をしているので、そもそも部活動そのものが無くなるワケではない。学校が部活動に強制参加させてますしね
皆さんも中学・高校で強制的に部活動に参加させられてましたよね?
コレって悪しき風習ですよね。

5.理由②:休日に責任もって部活動を引き受ける指導者がいない

貴重な休日にわざわざ部活動を無償で引き受ける人っているでしょうか?

居るには居ますよね。
スポーツが大好きで、子どもに指導するのが生きがいだって人。

でも、全国各地に隈なく存在するわけではない
そういう指導者に恵まれない地方だってたくさん存在します。人口の少ない地域ならなおさら貴重です。
つまり、地域によって教育格差が出てくるワケです。

こうした「教育格差」を良しとしないのが公教育です。
現に、政府の肝いり案件「英語の民間試験の大学入試への導入」が覆ったのも、この「教育格差」が最大の理由だったからです。
(田舎の地域になるとTOEICなどの民間試験を受けれる回数が少なくなり、「教育格差」が生まれてしまうから。)

6.理由③:大会は教員が運営せざるを得ない

部活動と大会はセットです。運動部にしろ文化部にしろ必ず大会がつきもの。そして、大会を無償で運営しているのが教員です。

教員は忙しい業務をやりくりして、交通費を自腹を切って負担して、有休を消費して大会を準備します。

学校が部活動から手を離すとなったとき、この大会運営を引き受けてくれる奇特な人がいるでしょうか

流石にいないでしょう。
大会運営できるだけの人数は集まらないはずです。

これを業務委託するとしたら、年間何十万円もかかります。
そんな予算が今の貧乏な日本のどこにあるんでしょうか。
というワケで、「働かせホーダイプラン」加入者の公僕・学校教員の出番となるというワケです。

7.教員が部活動から解放されるただ一つの未来

というワケで、教員が部活動から逃げることは現状不可能に思われます。
けれども、たった一つだけ、教員が部活動から解放される可能性があります。それは、部活動の強制加入を止めることです。

今の子どもたちは、昔に比べてスポーツに対する憧れを抱いていません。

後続の若い世代のスポーツ希求をみると、他 の年齢層と比較して、次の二つが明らかになっ た。①彼らは、スポーツ以外のさまざまなレジ ャーや活動にも興味を拡大させ、その結果、ス ポーツがもっとも強いあこがれの対象ではなく なった。②彼らは、高度成長期の若者がやりた がっていたスポーツではない、新しい種類のス ポーツを求めるようになった。

高度成長期の勤労青少年のスポーツ希求は
その後どうなったのか―各種調査の再分析を通して― p.17

とあるように、スポーツそのものに対する興味が薄れ、しかも学校の部活動以外のスポーツにも興味が分散している状態です。

実際、暇さえあればゲームをする子供は多いです。
私自身、部活動が休みとなると「FOOO! 今日はゲームして遊べるぜ!」と喜びの雄たけびを上げる子どもを何度も目的しました。

その姿を見て確信しました。
学校がもたらす「部活動をする」という強制力がなくなったら、この子たちは部活動をしなくなるぞと。


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