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もし2010年にnoteがあったら

 平安好き・幕末にわかの歴史オタクの短くならなかった日記です。


朝日のような夕日をつれて2024

 先日、「『朝日のような夕日をつれて2024』を観に行きます!」という日記を書きました。

 お目当ては、『光る君へ』の藤原道兼役だった玉置玲央さんと、『舞台刀剣乱舞』の岡田以蔵役だった一色洋平さんです。
 日記は演劇ファンの方にも見ていただいているようです。
 この記事に、演者だけでなく役のファンにも届くようにと『藤原道兼』『岡田以蔵』のハッシュタグを入れました。 
 投稿した後、2人の記事はどれくらいあるんだろう…と気になって検索してみました。

藤原道兼 78件


岡田以蔵 56件

note民大河見すぎ

 一般的には、関白を務めた道兼殿よりも無位無官な岡田さんの方がはるかに有名です。
 岡田さんは司馬遼太郎に書かれ、フィクションではよく坂本龍馬の友人になっている(実際に2人が交流した記録は残っていないのですが)ので、自然とそうなります。

 残念ながら、現代作家で司馬遼太郎並の知名度を持つ平安時代の作品を書いた方はまだいません。
 平安作品は、知られていない→馴染みがない→読んでもよくわからない→売れない→知られない……という悪循環に陥っています。
 実際、『光る君へ』放映開始前でハッシュタグ『藤原道兼』のついたnote記事は3本でした。

 それがこの半年ほどで、道兼殿の知名度はメキメキと上がりました。
 父から愛されずに危うさと悲しさを抱え、覚醒して落ち着きを手に入れた道兼殿を、玉置さんが好演していたのもいい影響になったのでしょう。

『光る君へ』がいかにnoteを読み書きする層へ刺さっているのか、というのもよくわかります。

風の強さと根の深さ

 個人的な好意の話ですが、おととし冬にスマホゲーム『Fate/Grand Order(FGO)』のキャラクター・岡田以蔵を好きになり、現在土佐弁を勉強したり史実の岡田さんのことを調べたりしています。

 ですが長年の平安オタクなので、やはり道兼殿への愛着の方が強いです。
 関白になれたのに疫病にかかって悔しかったよね……娘の尊子そんしちゃんも入内じゅだいしても一条天皇からの寵愛が薄くて『暗戸屋くらべやの女御』なんて呼ばれて可哀想だったね……と同情しています。

 瞬間最大風速は岡田さん、深い根っこがあるのが道兼殿ということになります。

 この投稿数の結果についても、「令和に岡田さんの新しいトピックはなかなかないし、フィクションの岡田以蔵のファンとnote民は客層がかぶらないもんな……」と冷静に見ています。

もし2010年にnoteがあったら

 ですが、もし2010年の大河ドラマ『龍馬伝』が放映されていた時期にnoteがあったらまた違っていただろうな……とも思います。

『龍馬伝』の岡田以蔵

 佐藤健さん演じる以蔵は少し頭と要領が悪く、土佐勤王党内でもないがしろにされていましたが、党首の武市半平太(大森南朋さん)にそそのかされて邪魔者を『天誅』することを覚えます。
『天誅』とは、尊王攘夷を妨害する者に天罰として死を与えることです。

 ですが、どんなに立派なお題目があっても、やることは結局人殺しです。
 剣の腕が立ち、武市から褒められることをモチベーションにしていた以蔵でしたが、生来の人のよさからだんだん『天誅』に耐えられなくなります。

 そんな時、武市にそれとなく命じられて勝海舟(武田鉄矢さん)を『天誅』しに行って、地球が丸いことを教えられて感動し、素直さを勝に買われました。
 以蔵は勤王党を脱走して勝の護衛になりましたが、八月十八日の政変で長州藩はじめ攘夷派が失脚して佐幕派が力を取り戻したことで、勤王党員とともに捕まって土佐に護送されます(ドラマの設定。史実ではもう少し込み入っています)。

 勤王党は土佐藩の重臣・吉田東洋(田中泯さん)を暗殺した罪に問われました。
 史実の岡田さんは拷問に屈して自白してしまいますが、ドラマの以蔵はどんな拷問を受けても口を割りません。
 武市が藩主・山内容堂(近藤正臣さん)と心理的に和解し、東洋殺しを認めたことで、勤王党員はみな切腹・斬首の憂き目に遭いました。

note民の琴線に触れるのでは?

 素直で無邪気だった青年が人を殺し慣れて陰を背負うようになるところや、それでも生まれ持った美徳を失わなかったところ、史実とは違って苦痛に耐えたところ、note民のウケがいいかと個人的に思うのですが……どうでしょう?

「甘言で利用され、搾取されていることにも気づけない悲しさ」
「以蔵が初めて人を殺したシーンでわかる佐藤さんの身体能力の高さ」
「全48話中8話を以蔵虐待に使う制作陣の性癖」
などといった記事が毎週更新される世界線に行ってみたかったですね……。

(担当編集Tさんから「その頃ならmixiやブログでファンが集まっていたのではないか」と意見をいただきました。
 確かにまだmixiにも人が大勢残っていたし、Twitterも普及し始めた時期でもありますね。
 私の観測範囲外で誰かしらが盛り上がっていたかもしれません)

『龍馬伝』は定期的に出演者の不祥事があり、そのたびにNHKオンデマンドの配信が停止しましたが、現在はまた視聴可能になっています。
 他のNHKドラマも見られるので、加入する価値はあります。

観劇まであと2週間

 めちゃくちゃ脱線しました。申し訳ありません。
 それはそれとして、『朝日のような夕日をつれて2024』の公演開始まであと2週間です。
 少しずつ前情報を入れていますが、かなり観る側にもカロリーを要求する作品のようなので、今から気合いを入れています。
『ゴドーを待ちながら』も読まないと……。

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