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歴史まとめ

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平安時代を中心とした歴史についての書き物をまとめました。 おいおい平安だけでなく奈良や幕末の話もしたいです。
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2024年5月の記事一覧

【光る君へ】苦労人の推し活貴族・藤原行成(後編)

【光る君へ】苦労人の推し活貴族・藤原行成(後編)

前編の続きです。

道長と一条天皇の間でどっちつかずの振る舞い

『光る君へ』でも、行成は一条天皇に自筆の古今和歌集を献上して、天皇の美貌のとりこになっていましたね。

 行成は俊賢の推薦通りの有能さを発揮し、すぐに一条天皇から気に入られました。
 天皇の指示を受け、ひと月のうちに25日も内裏へ参って、文字通り身を粉にして働いていました。

 しかし同時に、行成は道長へも忠誠を誓っていました。
 

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【光る君へ】苦労人の推し活貴族・藤原行成(前編)

【光る君へ】苦労人の推し活貴族・藤原行成(前編)

 大河ドラマ『光る君へ』の初期、藤原道長(柄本佑さん)・公任(町田啓太さん)・斉信 (金田哲さん)と行成が4人で勉強にいそしんでいたのがSNSで『F4』と言われていましたよね。
 高貴な少年たち(中の人たちの事情でそんなに若くは見えませんでしたが)が男子高校生のようなノリで休み時間に雑談したり、『源氏物語』の雨夜の品定めよろしくまひろ(紫式部)やききょう(清少納言)を上からジャッジする姿に、『花よ

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【光る君へ】公任と実資は従兄弟だった!小野宮流衰亡記(後編)

【光る君へ】公任と実資は従兄弟だった!小野宮流衰亡記(後編)

 才にあふれながら不運で嫡流の座を失った公任に続いては、人間的な振る舞いで子孫に影響を与えた実資の紹介です。

 こちらも『光る君へ』のネタバレがありますのでご注意ください。

④公任の従兄・実資(957-1046)~堅物日記おじさん、晩年に跡を濁す 今まで知らない人の方が圧倒的に多かったであろう実資は、『光る君へ』ではロバート秋山さんの顔面と演技で絶大なインパクトを与えています。
『光る君へ』で

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【光る君へ】公任と実資は従兄弟だった!小野宮流衰亡記(前編)

【光る君へ】公任と実資は従兄弟だった!小野宮流衰亡記(前編)

 タイトルに『光る君へ』と書いてあるこのnoteをお読みの方は、大河ドラマ視聴者が多いでしょう。
 平安オタク以外には『ドキッ! 藤原だらけの陰謀大会』状態だったドラマも十話を越え、視聴者も各キャラの顔と名前と役柄が一致してきた頃かと思います。

 その中で、順当に光っている君・藤原公任と、と黒光りして異彩を放つ君・藤原実資を真っ先に覚えた人も少なくないのではないでしょうか。
 町田啓太さんとロバ

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