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前輪駆動と後輪駆動(行事編)

【前輪駆動】の車は、直進性能が安定します。
【後輪駆動】の車は、運動性能が高いのです。

 現在、一般的には、【前輪駆動】の車が流通しています。その理由として、社内空間を広く取れるというのもあるのですが、カーブに弱いという弱点がありました。現在では、タイヤ性能や電子制御技術の進歩により、この弱点を解消してきています。
 でも、【直進性能の良さ】って、行事や学校現場では、効率化とイコールになっていたのではないでしょうか?

前輪駆動型行事

 さて、学校行事に話を戻すと、多くの行事が主任先導の【前輪駆動型】になっているように感じています。中には、主任が計画を立て、様々な準備をし、細々と指導をするなんていう行事になっていることも…。

 実際、僕が、初めて体育主任を経験したときのことです。予行練習の際、グラウンドのライン引きを忘れてしまいました。前日、帰宅後に思い出して、慌てて早朝に出勤し、一人でやってしまいました。


 なぜ、そのようなことになったのか。当然、僕自身が忘れていたことが一番の原因です。また、【ベテランの職員に気軽にお願いできない】というのは、若手(※当時、僕は、最年少の職員でした)ならではの悩みもありました。

 でも、今の立場で、そのような事態に遭遇したとしたら、見直すべきポイントが見えてきます。例えば、「計画段階で役割分担の検討が不十分だった。」や「担当者に当事者意識をもたせる仕組みがなかった。」ということも原因だと思います。
 そして、それ以上に、「運動会は、体育主任に任せとけば良い」という【前輪駆動型】の思考が働いていたのではないかと思います。

後輪駆動型行事を目指すために

 まず、【後輪駆動型】とは、どのような状態かというと、「主任は、方向性を示し、適宜、舵取りをする」役に徹します。そして、他の職員が駆動力となって計画を進めていくスタイルです。では、僕が、【後輪駆動型】の行事にするために、取り組んだことは、

「行事計画の合同起案」です。

 ここでは、学習発表会を例に出します。これまで、「教務主任(学校行事担当)」が、一括で計画立案し、起案していたものを「国語主任」「音楽主任」「総合的な学習の時間主任」など、行事の内容に関連する主任たちにも「ここの役割分担は、音楽主任の先生、お願いします!」といった感じで、計画作りの仕事を振りました。当然、教務主任以外の主任からしたら、昨年度に比べて仕事を増やされたことになります。
 でも、「一人の主任が業務を抱え込む」ことは、組織として見ると、マンパワーに頼った方法で、属人化を招く悪手になりかねません。なので、相当に根回しをし、その他の業務を出来るだけ削減して納得してもらいました。

 この「合同起案」が、目指したところは、【当事者意識の喚起】です。子どもたちが「やらされている行事」の前提には、「教師がこなしている行事」があると思うのです。まずは、そこからテコ入れしたいと思った取組、果たして成果はいかに!?というところではあります。
 でも、これ、一昔前には難しかったと思います。なぜなら、Wordで文章作成すると、共同編集できないからです。「この文章は、○○が開いています。読み取り専用で開きますか?」という通知、来たことありませんか?
 この状態だと、誰かが作業していると、他の誰かは作業をすることができず、入力の順番待ちが起こります。すると、必然的に作業の先送りが起こり、退勤時刻も遅くなります。

 しかし、クラウドベースに移行しつつある現在、スケジュール関係は、教務主任が調整し、国語の系統生について国語主任がまとめ、ステージ練習のための体育館の使用割り当てを体育主任が作成するということが同時に行えます。実際、今回は、Googleドキュメントの共同編集で行いました。

 このように、【後輪駆動型】のシステムを構築するためには、教師のマインドと職場のシステムをテコ入れしていく必要があるのかと考えています。

最後までお読み下さった方へ

 相変わらず、よくまとまらない文章ですが、最後までお付き合い下さってありがとうございます。【前輪駆動】【後輪駆動】ということについては、授業、学級経営編も漠然と考えています。よければ、もうしばらく、お付き合いください。

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