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学習ゲーミフィケーション×教材デジタライゼーション

 「関数男の物語」を一旦、休止して実践紹介です。今回、紹介するのは小学校5年生の社会科「工業生産」についてです。かれこれ7年ほど前、5年生を担任しました。その時点では、GIGAなんてものは、影も形もありませんでした。当時、しきりに言われていたことが、「カリキュラムマネジメント」だったように思います。その視点から「何か楽しい単元展開を!」と考えた実践をデジタルリマスターしてみようと思います。

1.リメイク前の実戦

 社会科を中心に他教科との合科的な学習を進めていきました。具体的には、以下の通りです。

  • 自動車会社の社長という設定で単元を進めていく。

  • 会社に襲いかかってくる問題として、学習課題に取り組む。例えば、「新工場をどこに建てるか?」という課題を通して、沿岸部に工場が集中するメリットについて考えを深めるなど。

  • 学習課題は、「新開発の自動車の燃費問題(算数)を解決する」「社員食堂のメニュー(家庭科)を考える」など他教科の要素も盛り込む。

2.今回の実戦

 前回は、学級担任だったため、他教科との連携は容易に行えました。しかし、今回は、社会科のみを担当しているため、カリマネ的要素は削除することにしました。その分を社会科の学習内容の定着とゲーミフィケーションに特化しようと思います。

  • 自動車会社のメンバーとして単元を進めていく。(班が一つの会社になる)

  • 「新工場をどこに建てるか?」など社会科の課題をミッションとして設定し、解決後にミニテストを行う。その得点を「会社の収入」とする。

  • 「未来の自動車デザインコンテスト」のようなイベントを設定し、上位入賞会社に特別ポイントを「会社の収入」として与える。

  • 「会社の収入」を使って、施設や物件を購入する。購入したアイテムを自由に配置することで町づくりを行なっていく。

3.学習ゲーミフィケーションの視点から

 では、学習ゲーミフィケーションの視点から今回の実践を整理してみます。今回は、某シミュレーションゲーム「シム○ティ」的なイメージで単元をデザインしてみました。

(1)P(ポイント)
 定期的に行うミニテストがまさにポイントです。今回は、チームでの学習を基本としています。どのチームも同じ人数ではないので、平均点をポイントとして付与していくことにします。また、不定期で行うイベントを設定し、特別ポイントも付与していきます。

(2)B(バッジ)
 今回のバッジは、ポイントを消費することで手に入れることができる施設や物件です。「50ポイントで燃料向上が手に入る」というように施設ごとに消費ポイントを設定しておきます。チームで相談し、どの施設を購入するかを検討していくことは、ゲーミフィケーションにおける「独自性の歓迎」という要素にも合致します。

(3)L(リーダーボード)
 僕自身は、安易にリーダーボードを設置することは懸念しています。しかし、今回は、「チーム対抗戦」の要素を取り入れることで、競争意欲を喚起したいと考えました。そこで、取得ポイントが上位のチームのみを公開する仕組みを取り入れてみました。

4.教材デジタライゼーションの視点から

 今回は、子ども達が操作するアプリは、CanvaとGoogleフォームにします。課題であるミッションや報酬である施設をどう設置するかは、すべてCanvaで行おうと思います。
 ミッションとして提示する資料は、基本的に以前の実戦で使った資料をCanvaに差し込んだり置き換えたりしました。この際に、威力を発揮したテクニックが、

PDFをGoogleドライブで開く際に「ドキュメントで開く」

 ことです。先述の通り、以前の実践は、GIGA前だったのです。当時も、ワークシート類はWordやPowerPointを使っていたのですが、現在のKahoot!やCanvaといったブラウザアプリでリメイクするためには、少し手を加える必要がありました。
そこで、PDFをドキュメントで開き直し文字データのみをコピペする作戦を取りました。
 実は、この方法、画像データからもいけるので、スクショからもいけちゃうんです。結構お手軽な手法なので、かつて作成した教材をデジタル化したい場合におすすめです。

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