『コミュニケーション』。これに尽きる。
「コミュニケーションが大切」
ということは、もうウンザリというほど耳にしていることでしょう。
これは医療の現場に限ったことではありません。
中間管理職的なポジションにいる私は、様々な職種、上司からも後輩からも、色んな不平不満を聞かされます。
色々と話をしてくれるのはありがたいことです。話してもらいやすい雰囲気を作れている、話したらなにかいい方向に向かうかもしれないという期待を持ってくれているとだと、肯定的に捉えています。
ただ、その不平不満の大半は、コミュニケーションに関することがほとんどです。
「人の悩みのほとんどが人間関係」
とも言われています。
様々な問題が起こった場合に、良くやりがちなのが
「ルールを作る」
です。
これは、ある点においては事態を改善させます。ただ、ここで新たに生じる問題が
・ルールに当てはまらない状況が生じる
・ルールを守れない人が出てくる
です。
そうなると、また相談にくるのです。
ルールを巡る争いが起こるのです。
本質的な問題はなんでしょうか。
ルールを作ること、守ることが根本解決でしょうか。
そうではありません。
ルールを作るということは、コミュニケーションを放棄するということに思えます。
必ず同じ結論に辿り着くものであれば、いちいち議論しなくて済むように「ルール」にする。
そうすることで時間と労力を節約できます。
問題は、トラブルが生じた場合に、当事者同士がコミュニケーションを取ることなく、自分勝手に不平不満や持論を展開させることです。
上下関係やパワーバランスなどから、直接議論がやりにくいこともあるでしょう。
議論をする上で忘れてはならないのは、ルールを守れているか、ではなく、それは何のためのルールなのか、という本質を見失わないことです。
その本質をはっきりさせておけば、ルールを逸脱すべきなのか、今はルールに従うべきなのかが分かるはずです。それを踏まえて、ルールそのものの変更が望ましいのか、例外的対応に留めるのかを議論すればよいのです。
現場レベルではルールを変える権限がないことも多く、コロコロとルールを変えることも困難です。それも理解しなくてはなりません。
ただそれでも、現場ではその場で答えを出さなければならないのです。そのためにコミュニケーションが必要なのです。
私は別に世話好きでもないですし、お人好しでもありません。
家族のことは別として、他人のことにあまり興味がありません。人と話すことも得意ではありません。
それでも、円滑にことが進むように、問題解決して働きやすくなるように、安全に患者さんの診療が進むように、やらなきゃいけないことだから積極的に対話することを心がけているだけです。
雑談力が高くておしゃべり好きであることと、業務の遂行に必要なコミュニケーション能力は別物のように思います。
医療の道で仕事をしている方々は、自ら望んで進んできた人が大半でしょう。好きなこと、やりがいを感じられることを仕事ととしてできる恵まれた職種だと思います。
好きであったとしても、日々仕事をする上でストレスなく過ごすことはできません。過酷な場面にも遭遇します。
だったら、少なくとも同じ現場で働くもの同士間のストレスくらい無くしませんか?好き嫌いとか、くだらなくありませんか?
仲良し集団になる必要はありません。
ただ、建設的な議論ができる関係性でいられればいいのです。
簡単なことのように思うのですが、何がそうさせてくれないのでしょうか。
お互いがコミュニケーションを取ろうとするマインドがあれば、特別なスキルはいらないはずです。
そんな関係を築けるチームにしていきたいです。