名作「北国」ってどうなってんの
僕はよく本を読んでます。昔から読んで、いまも読んでます。1000冊くらいは呼んだかな、でも読書家ってほどエラくはないです。なんせ、ほどんどストーリーを追っかけるだけの読み飛ばしてますから。
高校から20歳くらいは、ほぼ海外SF。あれって、よく読まないと意味がわかんないけど、続きが気になるから、頭の中にざっくり映像を作ってページをめくる。そんな読み方をしてます。
継続は力なり。何年もやってればクセになって。どんな本でも、意味だけ拾う読み方で定着してしまいました。
最近のラノベやWEB小説なんかは、ほぼ100%凝った文がない。文章を味わうって意味がよくわからないまま、今にいたってます。
そんな僕でも、文学史に名を連ねた本を読むことがあります。ありますが、やはりストーリー重視で追っていくので、細やかな挙動は察しきれない。
55歳で読んだ名作、川端康成の「北国」は、『都会の金持ち作家が田舎の妾に会いに行って困らせる』はなしと、思ってました。
女性は最初、ひとりだったのが、途中から2人になって。読んでて、どっちがどっちだか、わかんなくなる。最後に火事で亡くなるでしたよね?
なんだよあの終わり方って思いません? 手塚治虫の『ルードウィッヒB』よりも唐突にいきなり終わる。結局なんだったんだって。これが名作なのかって。
しかし、それ、自分が読み方を分かってなかったせいなんです。
「読んだけど、なんだこれ?」な本てありませんか? 名作って書かれた時代が古いから、当時は当たり前だった前提知識が、現代に通じないこともあるようです。
そこらを紐解いて読むのが、読書家というものであり、読書の醍醐味なのでしょうが。
それでもやはり、読んでみたけどわからない作品はあるんです。
この本には、名作を読むポイントが、細かに書かれています。本て、こんなにいろんな読み方があったんだと、びっくりしさせられます。
「北国」も収録(?)してあります。
2人の女性の関係。唐突に切って落とされたラストの意味。
そういうことだったんですね。なるほどーて、感心しました。