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3組目「北方民族音楽家」による文化芸術交流/嵯峨治彦(北海道)三枝彩子(九州)

2024年3月9日に北九州市・門司画廊MoGAにて開催された北海道×九州文化芸術交流 in 門司港。
文化や芸術に携わる北と南の5組の出演者が集い、それぞれの分野を越えたり越えなかったりしながら交流を重ねました。

北方民族音楽は、今回のケースではモンゴル音楽のことです。
モンゴルの楽器である馬頭琴奏者の嵯峨治彦さんと、モンゴルの民謡であるオルティンドー歌手の三枝彩子さんによる演奏と対話が繰り広げられました。

1組目と2組目は北海道の方と九州の方が順番に登場してましたが、嵯峨さんと三枝さんはモンゴル音楽を通して旧知の仲ということもあり、最初から一緒に演奏されました。

photo (c) Toshihiro Ohtsubo

嵯峨治彦(北海道)
モンゴル伝統曲の演奏から、ポップス、クラシック、邦楽、舞踊といった異分野とのコラボレーションおよび即興的セッションまで、伝統と革新の間を柔軟に行き来しながら幅広い演奏活動を続ける馬頭琴・喉歌奏者。 https://sagaharuhiko.com/

photo Liz Suenaga

三枝 彩子(九州)
歌手(モンゴル民謡) 東京生まれ。東京外国語大学モンゴル語学科卒。オルティンドー(「呼吸の芸術」ともいわれる「長い歌」)の声量に憧れ、モンゴル国立文化芸術大学に留学。 3.11をきっかけに熊本へ移住。山都町在住。 https://utanoho.blog.jp/


演奏されたのは全部で5曲ほどでしょうか。
モンゴルの伝統曲から始まり日本語で歌われた曲まで、スケールの広い(スケールが大きいというよりかは広い、大草原が見えてくるかのような)世界観が会場のMoGAに広がっていきました。

お二人はPAを通さずに生で演奏と歌唱をされたこともあり、身体の隅までダイレクトに音が染み渡ってきました。
会場内はとても良い音の響き方をしていて、改めて馬頭琴の音色の豊かさとマイク要らずの三枝さんの歌唱力のとてつもなさを感じました。

トークの内容も非常に充実していて、嵯峨さんが大学生の時に突然音楽を志したお話、お二人の出会いの話からモンゴル音楽あるあるなお話。
三枝さんはもともと東京出身でしたが、3.11をきっかけに熊本に移住されたとのことで、東京に住んでいた時にはできなかったことをやり始めたこと。

それは例えば東京では音楽家がたくさんいるので三枝さんは歌だけに集中していたが、熊本に行ってからは一人だけでもライブを成立できるようにと、少しずつギターを演奏し始めたこと。
また、東京では車を運転することがないペーパードライバーだったけれども、三枝さんがいま住んでいる地域では車の運転が必要となる機会が多いため、自分で運転をし始めたこと(しかも現在ではマニュアル車も運転できるとのこと)

東京ではそれらのことが自分には決してできないことだと、ギターの達人がたくさんいるのに自分が演奏することなどおこがましいことだ、と思っていたそうで。
それが熊本の、しかも三枝さんの住居は市内から離れた山の方にあるらしく、そこに来てみたらやりたいかどうかとかより、やらなくてはいけない!という環境に置かれ、自分の幅が広がったと。

三枝さんは東京から熊本への移住されましたが、嵯峨さんは学生時に東北から北海道に移住されています。
ある意味では似ている部分があったりもして、その後も興味深い話が続いていきました。

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