社会と演劇を繋げること。そして牛スジが美味すぎること。九州の演劇界の皆さんと大いに飲み語る。【S1-Day1】
夜は「はやまんさん」と小倉駅で待ち合わせ。
はやまんさんは飛ぶ劇場の俳優さんで、前回九州に来た時もお話しさせていただいたのですが、今回は私がお願いして制作やプロデュースなどをされているお仲間を連れてきていただきました。
白頭山というお店ではやまんさん、守田さん、有門さん、北村さん、森嶋、東海林、景井の七人(途中で榮田佳子さんと娘さんも顔を出してくれた!)で飲み始めました。
守田さんは北九州芸術劇場でローカルディレクターをされていて、地域の劇団と劇場を繋ぐお仕事をされているそうです。
一方で自分で劇団もされていて、祖父の家を改装したおうち劇場を運営されているとのこと!
北九州の中心地から少し離れた住宅街にあり、それなりに行くのも大変らしいのですが、その小旅行のような環境もこみで楽しんでもらえれば、と。
もともとは役者になりたかったのですが、オーディションに落ち続け、自分が当初なりたかった理想像に自分はなれないんだと痛感し。
その中で自分はどうやったら演劇に関われるかを考え、自分で劇団を作って自分の演劇を模索してきたとのこと。
シビれました。
有門さんは、劇団に入る=俳優で飯が食えると思っていたのに、入団したら実際はそんなことはなく衝撃を受けた、と。
倉本聰さんがやっていた富良野塾に入れば稼げると思ったら、こちらでもそんなことなく農作業や酪農に従事する日々で。
お給料は少ししかもらえず、その中でタバコを買ったりとヒモじい想いをされたそうです。
いま思えばそういう経験が何よりも大切だったと気がつくけど、当時は死にそうな想いだったと笑い話にされてました。
有門さんは飛ぶ劇場で活躍された後に退団し、自分で団体を立ち上げられたそうです。
俳優として所属されていた時と立場が大きく変わり、自分の劇団を維持することがいかに大変かを痛感させられたと仰っていました。
ご自身の作品は、どんな方にも楽しんでもらえる作風であるということ。
街で飲んでいるその辺の人達にチラシを配って仲良くなって、その場のノリで気軽に見に来てもらいたいこと。
現在は演劇と社会を接続させる仕事が増え、昔はそんなことを考えていなかったけど、自分自身も社会と演劇を繋ぐことに興味を持ち始めているというお話が印象的でした。
北村さんは4人の中では1番の先輩格で、俳優をすっぱりと辞められた後は自身で制作の会社を立ち上げ、様々な舞台公演のお仕事をされているそうです。
ダンス系のお仕事をすることもあるとのこと。
北村さんはお話されていても頭が良い人というのが伝わってきて、一緒にお仕事したら話が早そう、つまり本質をすぐに理解して動いてくれそうな印象でした。
また、北村さんは兄貴分なところがあり、若手時代のはやまんさんや有門さんを支えてきたお話を聞かせていただきました。
なんと、北村さんに私たちの分のお会計をお支払いいただき、ご馳走になってしまいました。
改めまして、北村さん
ありがとうございました。
そしてはやまんさん
皆さんを連れてきていただき、ありがとうございました。
私は舞台芸術のプロデューサーという括りで活動していますが、その中でも自分にしかできない役割を見出したり、行政や劇場とは異なる民間団体ならではのアプローチをしてきたという自負があります。
演劇界だけ、ダンスシーンだけ局所的に盛り上がればよいという考えはあまりなく、とにかく社会にもっと演劇やダンスを「当たり前のように嗜む人間、語れる人間」が増えて欲しいな、という考えをもっています。
「やっぱり劇場で良い作品をやってナンボだねぇ」
という劇場主義でもないので、ジャンルの垣根を越えて、社会という箱庭の中でアートで遊ぶような試みも大好きです。
そんな私の考えに対しても、九州の皆さんは理解していただいたり、面白がっていただけた気がするので、素直に嬉しかったです。
こんな夜はとにかく
酒が、美味い。
帰りの電車で、景井君がこんな表情になってしまうのも無理がないですよね。
皆さんとお別れしたあとも軽く興奮した北海道組3人は、ホテルにチェックインしたあとにコンビニでお酒を買い、海を目指してふらふらと門司の街を彷徨ったのはここだけのお話しです。