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言ってくれてありがとう
前回の記事で伝えきれなかった「分からないことを分からないと言えない」の続きをお伝えしますね。
4つ目の選択肢「その他」を選んだ若手の彼に改めて聴いてみました。
「おっ、そうなんだね。その理由って何なの?」
ボクは目の前にいる彼とその彼がどんなことを考えているのかにとても興味がありました。
そしてそんなボクの気持ちが伝わればいいなと思いながらこんなしつもんをしました。
「しつもんで伝える」だなんて何だか変な表現ですが、そんなしつもんもあるんじゃないのかなって思っています。
尋問や詰問にならない(そう感じさせない)ように、いい・悪いのジャッジにならないように、かといって全てを受け入れようと意気込むのでもなく、あくまでも自然に「一旦受け止める」くらいの気持ちでしつもんしました。
すると彼は「分かっていないって思われるのが嫌なんです。」と答えてくれました。
それを聴いた瞬間「でも実際には分かってないんだから」とか「だからこそ聴かなきゃ」と、求められていないアドバイスをしそうになりました。
ずっと学校の先生をしてきた(教えることを仕事にしてきた)ある意味「職業病」なのか、それともただのボクの「性分」なのか、どちらにしても瞬間的に頭に浮かんだことにビックリしました。
それをパッと口に出さずに済んだのは、ボクが普段一緒に働いている同僚ではなく、たまたま食事会に参加させてもらっただけのよそ者(部外者)だったからかもしれません。
「そっか、分かっていないって思われるのが嫌なんだね。」
自分自身にも言い聞かせるように、彼にそう言いました。
そんな彼の表情を見ると、とてもじゃないけどスッキリした(言い切った)表情には見えなかったので、続けて声をかけました。
「言ってくれてありがとう。この場でこうして自分の気持ちを言うのは勇気がいったと思うけど、それを言えたってことがとても大切なんだと思うよ。」
ボクの気のせいかもしれませんが、緊張感でいっぱいだった彼の表情がやっと少しゆるんだように見えました。
ちなみにボクはこの「一往復半」のコミュニケーションを大切にしています。
しつもんする → そのしつもんの答えを聴く(受け止める) → その答えに対してどう感じたのかを伝える、の一往復半です。
こんなちょっとしたやりとりの積み重ねが「言っていいんだ」っていう小さな安心感につながり、それが「言ってよかった」っていう小さな喜びにつながり、いつか「言ってみたい」っていう小さなチャレンジにつながっていくのかもしれないと思っています。
ちなみにその後、分かっていないって思われるのが嫌な彼に、よそ者のボクだからこそ言える思いっきり無責任なアドバイス・・・という名の「応援」をさせてもらいました。
「分かっていないって思われるのが嫌だから」だけでは何も変わらないからです。
そしてそのままだと、彼自身も含めて誰もハッピーにならないと思ったからです。
求められていないアドバイスになっていなかったこと、彼を応援したいっていう気持ちが伝わっていること、そしてそれが少しでも彼の周り(職場)の変化につながっていくことをこっそり願っています。
そんなボクとあなたをつなぐ今日のしつもん
「安心して言えるのはどんなときですか?」
きた@ 言えるは癒える