どうして僕は合格したんだと思いますか?
先日、とある学校の先生から「教員採用試験に合格しました」という報告を受けました。
受験者数が減ってきていると言われている教員採用試験ですが、それでも学校種や教科によってはまだまだ狭き門なので「いやー、嬉しいねー、ホッとしたねー」と合格した喜びを一緒に味わせてもらいました。
4回目の挑戦だったことや8倍近い倍率だったこと、今まで一度も一次試験さえ合格しなかったこと、その教科では最年少の合格らしいということを話してくれました。
改めて「すごいねー、よく頑張ったねー」と伝えたのですが、ニコッとはするもののどこか冴えない表情だったのが気になっていました。
「それにしても、講師をしながら何年もかかって合格する人もたくさんいる中での最年少合格ってホントにすごいね」と伝えると、こんな意外な言葉が返ってきました。
「その教科の合格者の中で最年少なだけじゃなくて、来年度はその教科の中でも僕が最年少教諭になるらしいです。
合格はしましたが、できないことばっかりだと思うので、今はそれがすごく不安です。」
そんな彼の不安を少しでも解消できたらいいなと思ったボクはこう伝えました。
「そっか不安なんだねー。
それでも最年少で合格したってことは、間違いなく素敵なところがあったからだと思うよ。
ちなみに、今回の採用試験に合格した『勝因』みたいなのって何なの?」
すると彼は「それが分からないんです」と言いながら苦笑いしました。
筆記テストの点数も別に高かったわけじゃないし、面接ですごくいいことを話せたわけじゃないとのこと。
自信がないという感じではありませんでしたが、どうして自分が合格したのかが分からずに戸惑っているような感じに見えました。
かと言って、教育委員会に「どうして僕は合格したんですか?」って聴くのもどうなんだろねなんて話をした中で、こんなことを伝えました。
「だったら身近な人たちに聴いてみるのはどう?
『僕の何が認められて採用試験に合格したのか自分ではよく分からないから、よかったらあなたが思う先生としての僕のいいところを1つ聴かせて』って。
10人に聴いたら10個、50人に聴いたら50個、100人に聴いたら100個の君のいいところが知れるよ。
それは、どうして君が採用試験に合格したかの答えになるかもしれないし、この先不安でいっぱいになったときには何よりの支えになるんじゃないかな。」
20年前、ボクが教員採用試験に合格したときに「どうしてボクは合格したんだろう?」なんて考えもしませんでした。
そしてもし誰かに聴かれたとしても「えっ、頑張ったからじゃないんですか?」って答えたと思います(笑)
そんな20年前の自分とは比べものにならないくらいしっかりした彼が、自分らしさを発揮できる素敵な先生になることを願っています。
ちなみに・・・
ボクはその場で、彼に対して素敵だなって思っていることを伝えました。
すると同じ部屋にいた別の先生も「じゃあ私は・・・」と聴かせてくれました。
採用試験に合格したのに不安そうだった彼の表情が、一瞬で輝いたような気がしました。
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