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【MTG】腐肉たちの祭典!第4回zEDHレポ

はじめに

まさかの第4回開催!!!

この世で最もニッチな特殊ルールEDHのひとつであるzEDH、まさかの第4回が開催されました。
しかも今回は過去最多13名の参加者が集まり、なかには私が以前書いた記事を読んで参戦してくれた方も、、、正気か?
自分の発信が誰かの行動を変えられるというのは、嬉しいことこのうえないですね。

第4回となる今回は、なんと優勝者にオリジナルプレイマットが贈呈されるとのこと。
これは最古参勢として負ける訳にはいかない、、、

晴れる屋TCで広げてぇ~~~

ということで今回は、カジュアルEDHとして楽しみたい!という気持ちは前提としつつも、"勝ち"にこだわる構築を目指しました。

前半は構築パート、後半は対戦レポパート、という流れで書いていこうと思います。

そもそもzEDHってなに!?という方は、上述した拙稿や、主催者であるふししゃさんのルールブック、及び第4回イベントレポをお読みくださいな。

※有料部分ありますが、全編無料で読めます。気が向いたら投げ銭感覚で購入いただけますと嬉しいです。

挨拶

kitaと申します。MTG参戦は旧エルドレインから。東京でEDH、モダン、パイオニアを中心に遊んでいます。
比較的カジュアル寄りのプレイヤーで、特に実績はありません。種族王というEDHイベントに《リッチの女王、ヴァリーナ》で参戦し、3-2で予選落ちしたのが一番よさげ。

EDHではレベル5~6を目安に、部族統率者ばっかり組んでいます(ゾンビ×4、エルフ、ドラゴン、ミノタウロス、熊、犬&猫)。
お察しの通り(?)、ゾンビ×4のうち3つがzEDHです。意味分からん。

こんなニッチフォーマットで3つもデッキ作るの暇人すぎでは???

構築編:czEDHは存在するのか?

今回の追加ルール:zポイント

まずはzEDHというフォーマットのルール確認から。

基本的なルールは前回と同様、
「土地および一部例外カードを除き、カード名、クリーチャータイプ、テキスト、フレーバーテキストのいずれかに『ゾンビ(Zombie)』という単語を含むカードのみ使用できる」
というものです。

しかし今回は大会形式のため、決勝進出者を決める必要があります。
他のイベントでは、下記のようなルールで決勝進出者を決めるのではないでしょうか。

  • 勝敗によって増減する持ち点

  • 残ライフ

  • 卓を盛り上げた回数

  • デッキに含まれる同一種族クリーチャーの数

zEDHというゾンビ好きの集まりですから、上記4点目を採用するのも良さそうです。
しかし、ルールの都合上クリーチャー数を増やしても変わり映えしませんし、構築だけで勝敗が決まりプレイングの優先順位が二の次になるのは、カードゲーマーとしてモヤるというのが正直なところです。
そこで、私から"zポイント"なる追加ルールを提案し、ほぼそのまま採用されることになりました。

その内容は、
「ゲーム中戦場に出したゾンビの最大数をzポイントとして集計し、同一勝利数の場合はzポイントが多い方が決勝に進出する」
というもの。
(無限トークン発生時などの細則は割愛します)

このルールであれば、構築段階での縛りはそこまで強くなく、プレイング面でもお互い横並べすることを想定した駆け引きが生まれます。
さらに、ワラワラとゾンビが湧き出てくる様をフレーバーとしてルールに落とし込めるという、zEDHならでは感もあるのではないでしょうか。

《魂無き者》のカウントを助けてくれるというメリットも?

ということで、この追加ルールも念頭に置きつつ、czEDHの可能性を探っていくことになりました。

※誤解を与えないために言及しますが、本筋ではないので読み飛ばしてもらってもokです。
「デッキに含まれる同一種族クリーチャーの数」というルールは、種族王というイベントで採用されているものです。
こちらのイベントでは、「同一種族クリーチャーを25枚以上採用しなければならない」という前提条件のもとで勝利を目指すので、クリーチャー数は下限ギリギリとする方が多い印象です。
だからこそ真価を発揮するルールであり、実際3-2ラインから吸血鬼を40枚以上採用した方が決勝進出したケースもあります。これは種族愛を認めざるをえませんし、その構築で勝っていることを素直に尊敬しています。
ただ、zEDHにはあまり適切じゃないかも?と思ったため、別の追加ルールを提案させていただいた次第です。

メタゲーム予測:環境

このフォーマットにメタゲームなんで存在するのか?という疑問はさておき、優勝を目指すのであれば、なにはともあれ環境把握。
今回予想される動向は下記2点。

①コンボ志向が強くなる
EDHでより確実に勝利をつかむには、やはりコンボに頼りたいところ。
ゾンビならではのコンボは多数存在し、zEDHの限られたカードプールでもその多くが実現可能です。
相手のコンボ妨害手段(除去、墓地対策、置物破壊)に枠を割く必要があります。

zEDH環境に革命を起こした風雲児の運命やいかに、、、

②横並び戦略が取られやすい
追加ルール"zポイント"により、ゾンビをとにかく増やすことが肯定されます。
しかし、4人がゾンビを並べたところで有象無象がほとんど。ロードを複数置くなど、横並べ同士で優位に立つ工夫が求められるでしょう。

メタゲーム予測:ジェネラル

第3回までよりも勝利を目指す参加者が増えることが予想されるので、いわゆる「強ジェネラル」を選択する方が多いのではないかと予想しました。
例えば下記のような面々です。

《リッチの女王、ヴァリーナ》
白青黒とトップクラスに強いカラーパイを持ち、ルーティングでコンボパーツを探しにいくことができます。起動型能力でゾンビを増やせるのもzポイント的に好評価。
また、地道な殴り合いが発生するzEDHにおいては、ライフ回復も見過ごせません。

リンダさん美人~~~

《腐敗の大鉈、ウィルヘルト》
継続的なアドバンテージを稼ぎつつ、優位を築いていくことができるジェネラル。自身の能力で無限腐乱ゾンビを発生させることができるため、zポイント稼ぎにも◎

しょうもない誤訳がおちゃめ

《屍花》
MH3からの新星。自身のスタッツに加え上陸能力で植物やゾンビを毎ターン並べることができるため、地上戦の防御力は群を抜いています。ゲームが長引けばzポイントもかなり稼げるでしょう。
墓地の土地に発掘を持たせる能力は、墓地肥やしだけでなく、継続的な土地供給によって強力なゾンビを叩きつけていくことを可能にしています。

このフォーマットでタフネス7を超えるのは至難の業

ジェネラル選択

上述のようなメタゲーム予想をもとに選択したジェネラルは、《血の暴君、シディシ》です。

まだ《ゾンビ化》してない頃のシディシさん

シディシ自身はゾンビではありませんが、ご覧の通りテキスト部分に「ゾンビ」と書かれているため、本フォーマットでも使用可能となっています。

シディシの長所、短所はそれぞれ下記のように考えています。

長所①カラーパイが激強
前回の記事でも書きましたが、zEDHにおける色の強さは(黒を除いて)青=>緑>白>>>赤と考えています。ゾンビの基本色である黒に加えて、飛行戦力・コンボパーツの青とマナ加速の緑を有するのは非常に強力です。
特に緑は、MH3にて2種の強力なマナ加速を獲得しており、テンポ面で圧倒的な有利に立てます。
上述した通りコンボ環境が予想されるため、妨害に秀でた色というのも見逃せないポイント。

ワイトもそう思います

長所②圧倒的な墓地肥やし効率
ゾンビといえば、もちろん墓地利用ですよね。
「墓地は第二の手札」というのはあらゆるカードゲームに通じる真理。ジェネラルがガンガン墓地を肥やしていけるので、積極的な墓地利用が期待できます。
リアニメイトスペルを可能な限り積み、コンボでの勝利を目指します。

リアニスペルも豊富にあるぞ

長所③横並び速度が非常に速い
zEDHの特性上、ライブラリー99枚のうちクリーチャーが半数近くを占めます。シディシの着地、及び攻撃時の切削でゾンビがめくれる確率はほぼ100%と言っていいでしょう。
今回の追加ルールであるzポイント制においては、とにかく横並べしていくだけでも価値があると言えます。
正確な確率?知らんがな(^o^)

短所①スタッツが貧弱
回避能力を持たない3/3ということで、目の前に立ちふさがるゾンビたちによってすぐ止められてしまうことが予想されます。また、自身がゾンビではないので、ロードや飛行付与の恩恵を得られないのも厳しいところ。
緑を取っているおかげで土地が伸びやすいので、再キャスト前提でバンザイアタックすることも十分視野に入ります。加えて、シディシ以外の切削手段も用意しておきたいですね。

《撒けない追っ手》はシディシのオリカです

短所②勝ちに直結しない
2/2ゾンビをたくさん並べても、やはり盤面が膠着しやすいのがzEDH。zポイントは稼げるものの、それだけで勝てるかというと怪しいところです。
ロードマシマシにして盤面を制圧するプランを取るか、コンボ特化にして殺意を高めるか、構築段階から勝負は始まっています。

短所③自身がアドバンテージを稼げない
本家cEDHにおける強ジェネラルの条件は3つ。

  1. ハンドアドバンテージを稼げること

  2. コンボパーツであること

  3. 色が強いこと

残念ながら、シディシは3しか満たしていません。特にzEDHではハンドアドバンテージを稼ぐカードが貴重なので、手札は慎重に使っていく必要があります。
そう考えるとすべて満たすウィルヘルトってバカ強いな?

デッキリスト

これらの長所、短所を考慮し、今回はコンボ特化型でリストを組むことにしました。
主な方針は2つ。

①コンボパーツを最速で揃える
サーチ、墓地肥やしに全力を注ぎ、リアニスペルでコンボパーツを揃えて勝ちます。
カジュアルEDHにサーチは入れない教の信者ですが、今回は勝ちを目指すために仕方ないということで。どうせ3種しかないからいいだろ

MH3すごい!本当にすごいんだ!

②シディシのゾンビ生成確率を高める
リアニメイトや妨害を可能な限りクリーチャー枠に寄せ、可能な限りクリーチャー数を増やすことに。
zポイントだけでなく、肉壁を築いて時間稼ぎをすることで、コンボ成功の準備時間を確保することが狙いです。

意外とゾンビは器用なんですよね

ということでデッキリストはこちら。

実戦編:腐肉たちの祭典、始まる。

9/8(日)、運命のXデー(Zデー?)を迎えました。
当日のメタゲームは下記の通り。

白青黒:《リッチの女王、ヴァリーナ》×3
青黒:《腐敗の大鉈、ウィルヘルト》×2
白黒緑:《屍花》×2
青黒緑:《血の暴君、シディシ》
青黒赤:《冒涜する者、トーモッド》&《ルーデヴィックの名作、クラム》
青黒:《死体生まれのグレムグリン》
白黒:《甦りしダクソス》
黒緑:《邪悪な選督使、ベルベイ》
黒:《異端の癒し手、リリアナ》

事前の予想通り、ヴァリーナ、ウィルヘルト、屍花が複数人参戦するという形に。
《スカラベの神》もいるかなと思ってましたが、過剰にヘイトを買いすぎないようにウィルヘルトへ乗り換えてきたとのこと。
また、《厄介者、ギサ》《グール呼びのギサ》といった黒単ジェネラルも数を減らしました。やはり色の数が重視された形でしょうか。

ここからは各ラウンドの対戦結果と、zEDH的おもしろポイントを紹介していきます。

1戦目:ウィルヘルト→リリアナ→ダクソス→シディシ

初手忘れましたスミマセン。

ウィルヘルトが土地詰まりで苦しみながらも、常に《萎縮した卑劣漢》を構えてくるため、おいそれと動き出せず。

継続的に墓地を睨めるナイスゾンビ

その間リリアナは+2のディスカード要求を《無駄省き》でアドバンテージに変換し、優位に立ちます。
リリアナにヘイトを仕向けつつ、こちらは《テイト農夫》で土地を伸ばしながら着々と準備を進め、ウィルヘルトがフルタップになったところでコンボ始動。
《巣穴の魂商人》×《墓所這い》×《疫病吹き》で無限ライフルーズを決め、足りないライフは《アスフォデルの灰色商人》で補填。そのまま勝利を収めました。

z的おもしろポイントは、ダクソスから投下された《墓所王の探索》。5/5ゾンビトークンを出せるエンチャントなのですが、そんなマニアックなトークン誰も持っているわk、、、

ウィルヘルトから差し出された5/5ゾンビ

あるんかい!

2戦目:ウィルヘルトA→シディシ→ウィルヘルトB→ベルベイ

土地5、《撒けない追っ手》、《太陽の指輪》でキープ。
2t追っ手、3tシディシの好スタートを切り、ベルベイから供給されるマナを利用して手がかりドローを連発。
《スカラベの神》で墓地の《Rot Hulk》をコピーしたり、相手の《屋根の上の嵐》は《泥沼のドルイド》でちゃっかり破壊したりと暴虐の限りを尽くします。
最後はスカラベのライフルーズとゾンビ軍団突撃で勝利。

めちゃめちゃ気持ちよくなっている盤面

z的おもしろポイントは、ベルベイとスカラベの友情コンボ
ターン開始時にスカラベが全員ライフルーズさせるため、勝手にベルベイが誘発。毎ターン4マナ供給が確定するという事態に。しかもこの4マナが確実に手がかりドローに変換されるので、そりゃ勝ちますよね。
こんな友情コンボが発生するのはzEDHだけ!

zEDHでは貴重なマナ加速要員です

ここで、本来3回戦だった予選ですが、時間の関係で2回戦までに変更。
2-0で決勝進出が決定しました。
結果的に2勝2名、1勝2名となったため、zポイントでの決勝進出者決定はなされず。致し方なしですね。
ちなみに、予選ではzポイント30がトップでした。《グール呼びのギサ》で《魂なき者》をサクったんだとか。気持ち良さそ~。

やっぱギサ姐さんはハンパねぇぜ!!

決勝:ヴァリーナA→屍花→シディシ→ヴァリーナB

《萎縮した卑劣漢》、《呪われた匪賊》、《猛火の松明》、《精神石》、土地3でキープ。
マナ加速から3tシディシを決めようかと思っていましたが、《むら気な召使い》や《聖遺のワイト》が登場したり、みんな墓地にコンボパーツを置いたりと好き勝手するので、仕方なく序盤は妨害に回ります。

どうやっても盤面が暗くて草

するとヴァリーナBから早々に《ゾンビ使い》が投入され、沼渡りを得たゾンビたちがノーガードで殴り合う世紀末大戦が勃発。
序盤からゾンビを並べ続けていたヴァリーナAが、ライフも回復しつつ盤面の優位を築きます。

アルファから存在する核スイッチ

ここで、屍花から《屍術淘汰》!この環境で唯一といってもいい全体除去で盤面をリセット。
各プレイヤーがサクり台を持っていたため、コントロール奪取は《戦墓の隊長》1体に留まります。

全除去がこれしかないので、みんな躊躇なく横並べできます

平和が訪れ隙ができたところで、私はここぞとばかりに《ゾンビの黙示録》をキャスト。
墓地から《アンデッドの占い師》《不快な納墓役》《不気味な奉仕者》《ファイレクシアの発掘者》《食糧庫のゾンビ》《萎縮した卑劣漢》《呪われた匪賊》を一挙にリアニメイト。
《巣穴の魂商人》《墓所這い》も揃え、ライフの許す限りドローを続けられる状態になりました。 

しかしあと1枚のパーツが引けず、ライフもあとわずかに。ドローの質を高めるべく、仕方なく《スカラベの神》をポン置きしたところ、ヘイトを一身に集めることに。

ヴァリーナAから《ゾンビ使い》が再度登場し、13/13の《戦墓の巨人》が襲いかかってきます。
保険として抱えていた《死人の地所》を差し向けたところ、ヴァリーナBから《過充電縫合体》。ずっとなにか構えてるなぁと思ってたけどさぁ~~~(怒)

オタクカードがオタクカードに打ち消される図

ならば《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》を割って沼渡りを消そうと《耐え抜くもの、母聖樹》を魂力。しかし、手元にはいつの間にか置かれていた《沼》が、、、

沼渡りを阻止できず、ここで敗退。
その後、圧倒的盤面のヴァリーナAがそのまま残り2人も殴り倒して優勝!
おめでとうございます!

z的おもしろポイントは、なんといっても敗因が《沼》
そんなこと普通のEDHではあり得ないですからね。
負けたのはメチャクチャ悔しかったですが、敗因が面白すぎて水、もとい沼に流すことにしました。

おわりに

ということで、第4回zEDHは2-0からの決勝没となりました。
構築に不満はなかったですが、プレイングとヘイトコントロールに課題が見えましたね。
またガチ大会が開催された暁には、必ずやリベンジを果たしたいと思います。

ところで、ここまでカード名を出しつつもレポを書いてきましたが、読者の皆さんにどこまで伝わっているんでしょうか。甚だ不安です笑
そもそもzEDH参加者以外に読む人がいるんだろうか

もしzEDHプレイヤー以外の方の目に留まり、この奇怪なフォーマットに興味が湧いた方がいらっしゃれば、主催ふししゃさんが運営するDiscordサーバーにお越しください。
地獄の門戸を叩いていただければ幸いです。

また第5回zEDHでお会いしましょう。
それでは。

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