プラモの大盛り定食
今日はおよそ50年前のプラモ、タミヤの1/35の二号戦車F/G型を組み立てた。
ワイはプラモの好み的には新しいプラモの方が好きでよく集めている。シャキッとしたデティール、細かい分割、最高だ。
そんな中でさながら山の一部というか、動かざること山のごとしと小さな箱なのに一つで山のような存在感を放つプラモがいた。それが君だったのだよ。
箱を開けて眺めた。ちょっとバリや成形のズレが・・・最近のシャープなキットに慣れ切ったワイは顔を顰めてしまった。食わず嫌い良くない。
ニッパーを握って刃を入れる。ワイはこの時の感触が好きだ。ぐにっパチっという感触。あえて高い切れ味の片刃ニッパーではない普通のニッパーを使う。
最近作られたものだろうけど古い金型で作られたプラスチックは独特な匂いがした。ニッパーで切ることでそれが鼻腔に広まった。
気がつけば二号戦車は組み上がっていた。あまり好みではない、とファーストインプレッションだったが完食すればそうでもない。まるでソースをドバッとたっぷりかけた分厚いハムカツでお腹いっぱいにした気分。
今それは製作机の棚の上に鎮座している。
この二号戦車はかつての模型少年達が心躍らせて模型道を邁進する入り口にしたプラモデルなのだろう。
ワイかなり周回遅れだろうけど同じ山並みを見れた気がした。
最近のキットと比べると少し不恰好な出来の1/35二号戦車は確かに満腹になれるボリュームで、模型の楽しさを味わえる大盛り定食だった。