ヨメにプリンを頼まれた。 【絵日記】
「スーパーに行ってくる」とヨメに言ったら「ついでにプリンを買ってきて」と頼まれた。
スーパーに着き、プリン売場の前に立つ。悩む。どのプリンが正解なのだろう。
いやいや、ちょっと待て。考えすぎだろ。どのプリンも正解のはずだ。だってどれもプリンなんだから。「プリンを買ってきて」と頼まれ、プリンを買うのだ。不正解なんかあろうはずがない。
だがどれか一つを選ぼうとすると、どれも不正解のように見えてしまう。買って帰宅後、ヨメに渡したときのシーンを想像する。ヨメが「そうじゃないだろ」と口に出すことはない。そこまで鬼畜ではない。
しかし微妙に「そっか、これか」感を漂わせることは考えられる。そうなるのは、いやだ。
結果、期間限定10%増量中、かつ「広告の品」ということで安くなっていた有名メーカーのプリンを選んだ。量が多いことは、一つの正義のはずだ。しかも安い。
帰宅後、プリンをヨメに渡した。「これでよかった?」と聞くと、ヨメは「うん、大丈夫だよ。硬いやつだから。わたし、柔らかいやつがダメなんだよね」と言った。
正解だった。ぼくが選んだ理由で正解だったわけではない。しかし、結果として正解だった。それでいい。それでいいのだ。