2ヶ月間オンラインカウンセリングを使って本気でメンタルヘルスにコミットしてみた話(3)
このnoteは、オンラインカウンセリングのcotreeさんを使ってみた体験談の第3回目の記事です。第1回目、第2回目をご覧になっていない方はこちらからどうぞ。
前回は、継続的に使ってみた変化・そして浮かび上がってきた課題を書いてみました。今回はその課題をどうやって工夫しているかを書いてみます。
目次
◯主体的に心に向き合うようになって見えてきた「課題」
◯鍵は「事前の情報共有」と「日々の記録習慣」
◯何を日々記録したか
◯こんなアプリやツール、工夫が活用のヒントになるかも
◯心は見えないからこそどんどん「見える化」していこう
◯主体的に心に向き合うようになって見えてきた「課題」
前回のnoteでは、継続的にカウンセリングを使うようになってから、
●限られたカウンセリング時間、どうやって使う?
●「自分が話したいと思っていたこと」と「実際に話したほうがいいこと」をどうやって見極める?
という新たな課題に直面しました。幸いにもお金を突っ込む余裕があったとはいえ、やはり1回5000円という時間とお金を有効に使うためには単に習慣的に受けるだけじゃ、無駄になってしまう。何か打開策が必要でした。
◯鍵は「事前の情報共有」と「日々の記録習慣」
いろいろと考えて、結局cotreeさんデフォルトに装備されている、「ダイアリー」を活用する方法を自分はとりました。
ダイアリー(要ログイン)→https://cotree.jp/users/diary
結局、会議でもアジェンダを事前に作っていくのと同じで、事前に情報を伝えておくor準備しておくのが、平常時にはいいのかな、というのが結論でした。(もちろん、ただひたすらに気持ちを吐露したいときには、この限りではないと思いますが・・・)
↑PCでみたダイアリーのページはこんな感じ。(最近書けていないのがバレる・・・)
このページは仕組みとしてはすごく簡単で、毎日顔のマークをタップして、その日の気分を選び、入力フォームに書くだけ。
↑気分はこんな感じで選べます
↑書いてみるとこんな感じ
これを毎日続けていって、心の記録を貯めるイメージでしょうか。このページはカウンセラーさんも見ることができるので、事前に心の状態を知ることができて良いようでした。ゼロから説明しなくても、ある程度目を通しておけると、スムーズに話が進みました。
また、カウンセラーさんが事前に日記を見て、「今日は◯月◯日のこのことについて話してみませんか?」というサジェストもしてくれました。自分で何を話したらいいのかわからない、というときでも、心理の専門家が問題になりそうなことを見繕ってくれることで、カウンセリングの時間が有効活用できました。
「え、これでいいの?」って思われる方もいるかもしれません。ですが、これが事前に情報共有する以外にも思わぬ効用ももたらしてくれました。
①一日一回、心に向き合い、振り返る習慣をつくっていけた
日々なんとなくすごしていると気が付きにくいですが、案外心の状態って自覚しづらいものです。それをダイアリーをつけることを通して、「あ、今日は自分、嬉しかった(or悲しかったorイライラしていたetc..)」と向き合える習慣を作れたのがとてもよいと思いました。
メンタルヘルスの世界にも「ジャーナリング」というテクニックがあるそうですが、ダイアリーはそれに近いかもしれません。
カウンセリングを始める以前はチラシの裏に書きなぐったり、Twitterにぶちまけたりしていましたが、ダイアリーにガリガリ書くのは心理士さん以外には見られないので安心感もありました。
②蓄積した記録で心の変化を実感できた
2ヶ月間ほぼ毎日書きづつけたダイアリーを振り返ると、最初は「憂うつ」とか「不安」が多かったのが、だんだん「ふつう」とか「いい調子」が増えていることにも気がつけました。それはやはりなんとなく日々を過ごしていたのでは気づけないことで、それと同時にカウンセリングで自分が変わっていけたことの何よりの証しでもあったのでとても嬉しく感じていました。
ちょうどダイエットで毎日体重計に乗るのと同じこと、とイメージするとわかりやすいでしょうか?
◯何を日々記録したか
ただ、こんな風に「さあ、ダイアリー書こうぜ!」となっても何を書いていいのかとまどうかもしれません。ヒントになるかはわかりませんが、自分の場合はこんなことを書いていました。
●天気と気温
大ヒットした「うつヌケ」で有名な田中圭一先生も書かれていましたが、自分も案外天気や気温でその日の精神状態が変化していることが多くありました。特に寒暖差が激しいとき、雨の時など。その日の天気をYahoo天気とかで見て記録していました。
●睡眠時間
睡眠も案外重要。なんだか気持ちが落ち込んでいると思ったら、単に寝不足なだけだったり、ということも多くあります。自分の場合はウェアラブル端末をつけているので、睡眠もモニターする習慣もあり、そこからデータをダイアリーに書き写していました。でも、そこまで正確である必要はなくて、アバウトでもいいのかもしれません。
●客観的に起きた事実とそれに対する気持ち・解釈
これを一番重要視して書いていました。ただひたすらに「ムキー!●●さんがあんなひどいことを言ってこんなことでくぁwせdrftgyふじこlp」みたいなことも書くことはできるし、全然書いていいと思うのですが、せっかくカウンセラーさんと一緒に取り組む「心のフィットネスジム」なので、心の練習として「客観的に起きた出来事」と「それに対する気持ちや解釈」を分けてかく練習をしていました。
認知行動療法(CBT)の世界には「7つのコラム」という方法があり、認知を修正してバランスの取れた見方をするためのコラム法がちゃんと確立されているのですが・・・(詳細はググって見てください)
「うん、無理だ!」というのが自分の感想。
(学会の皆さん、ごめんなさい!)
効果は絶大なコラムだけど、やはり毎日の中で自分一人で実践するのは無理がある。なので、せめて「事実」と「気持ち・解釈」にわける練習をすることで、プチ認知行動療法的にはなれるかなあと思って取り組みました。
◯こんなアプリやツール、工夫が活用のヒントになるかも
ここまで、書いてみましたが、ぶっちゃけ・・・
「かなりめんどくさい!」
というのが本音。持ち前のど根性でダイアリーを毎日描き続けていましたが、やはり面倒でもあります。
まず、ブラウザー(自分の場合はChrome)を起動→URL打ち込みorブクマをタップ→ダイアリーを起動、という3ステップがありました。(アプリではなくウェブサービスだから、仕方ない部分なのはわかってはいます・・・)
また、それを毎日忘れないように書き続けるのは至難の技。
さらに、せっかく書き続けても、振り返りがしづらい(過去に遡るのにスクロールかなりしなきゃいけない、気持ちも一覧で可視化できない)という、困難も。自分側だけではなく、心理士さん側のシステムもやはり見づらそうではありました。(開発さん、ごめんなさい!)
なので、自分の場合はこんなアプリやツールを駆使してみたよ、こんな工夫をしてみたよ、という一工夫をしてダイアリーを日々書いていました。
①まずは宣言してしまう
自分一人でストイックに書き続けるのは、自分でもしんどいです(笑)なので、心理士さんにまずきちんと宣言して話しておくと、ダイアリーを続けていくきっかけになると思います。心理士さんに話せたら、家族や医師にも話してしまいました。
自分一人で「あー、めんどくさいから今日書くのやめよう~」ってなっても、「あ、でも言っちゃったし、気分くらいはチェック入れるか」となれるメリットもあります。
②Excel,Googleスプレッドシートで無理やり見える化
「振り返りがしづらい!パッと見わかりづらい!」という課題はExcelやGoogleスプレッドシートで解決しました。LIGさんのこちらの記事を参考に、Googleスプレッドシートでカレンダーを作って、その日のダイアリーの気分の色で塗りつぶし続けていました。
↑実際のカレンダーの様子。
カウンセリングでは、実際にこの画面を画面共有で見せながら、一緒に話したりもしていました。カウンセラーさんからも、見やすくて助かったようで、とても重宝してもらえましたし、自分でも継続のモチベーションになっています。
Excelが苦手な方は、100均一とか無印良品で打ってる卓上カレンダーに色ペンで塗りつぶす、みたいなやり方もありかと思います。
③Google Keepなどのメモ帳アプリ
ダイアリーはやはり3ステップ踏まないと行けないので、書き出すのに手間でもあります。そこで自分はメモ帳アプリを活用することを決めました。
僕の場合は格安のAndroidスマホを使っていたので、デフォルト搭載のGoogle Keepを使いましたが、読者のみなさんがお気に入りのメモ帳アプリがあれば、それを使う形でいいと思います。
予めダイアリーに書く内容をテンプレートとして作っておく→その日の分のダイアリーを帰りの電車の中でスマホで書く→空いた時間でコピペしてダイアリーに貼り付け、というリズムを作っていました。
◯心は見えないからこそどんどん「見える化」していこう
はい、ここまで長ったらしく書いてきましたが、結局は「日々心の状態を記録し、心理士さんと事前に心の状態を共有して、カウンセリングの時間をいいものにしようぜ!」ということを頑張って工夫していた、というだけの話です。
もちろん、cotreeは「カウンセリング」のサービスではあるし、心の記録は主な目的ではありません。ただ、「心のフィットネスジム」であるのなら、自分たち利用者が心を記録すること、日々心の状態を振り返ることは、どこかで必ず必須になると思っています。
例えば、フィットネスジムなら体重なり、ウェストなり、体脂肪率なり、筋肉量なりで体の変化を実感しやすいと思います。目で見たり、体重計で計測すれば、効果を客観的に把握できるからです。
ですが、心はそうではない。心は日々移ろいやすく、また目にも見えない。だからこそ、クライエントの自分たちも意識して心をとらえる習慣を作らないと、心を変えてはいけないのだろうと思います。
極端な話、ダイアリーを使わなくたってそれでもいいのだろうと思います。別の日記アプリや、紙のノートに書くのでもいい。ただ、どこかで心の記録を取り続けることで、「自分は前はこうだったけど、カウンセリングでこんな風に変わることができたよ!」と思ってほしいなと利用者の一人として思うのでした。
おしまい。
□次回予告
・特に今はありません・・・
□参考記事
@soar_worldさんに出ている紹介記事がわかりやすいと思うので、オンラインカウンセリングに興味を持たれた方はぜひ御覧ください。
cotree心理士の徳田さんの記事も初めての方にわかりやすいと思うので、ぜひどうぞ!