ヨエコを聴く会(東京ピアノ/後編)
前編はこちらから
よお、ヨエコのファンたちよ。
そうでないやつらも、やあ。
どうも、きすけ(鳥)です。
ヨエコ復活が少しづつ近づき、胸の高鳴る毎日でございます。
東京ピアノを聴く会、後編行ってみましょう。
後半は特にスキな曲が多く、語りの温度感もいい感じに仕上がっていると思うのでぜひ見てやってください。
今回も、実際に曲を聴きながら読んでもらうとより楽しいと思います!
東京ピアノを聴く(後半6曲)
8.森へ行く
これねぇ〜これいい曲なのよぉ〜ねぇ〜
これ一番いいのよぉ〜超好きなのぉ〜
…えー、気を取り直して。
ピアノの美しさと徐々に重なって響きあう音楽たちが本当に美しいの一言。
全体的に可愛げな歌詞の中にに感じるアクセントのヨエコ節もまたよくて、ピアノの綺麗さとも合わせて個人的にはヨエコの代表曲だと思います。
本当に!
キラーフレーズは、自分を救うこの一節
「それでも今はこんな私 私は好きだから」
自己肯定感が上がったり下がったり忙しいねこのアルバム。
でも都会のゴタゴタに巻き込まれて生きているとこのメンタルの大事さにも気づきます。
「こんな私」と思っても、どんな時も自分だけは自分自身を絶対に好きで居てあげられるんだね。
9.はないちもんめ
これぞポガティブの極地。
不安のお山もそうだったけどなんでこんなにカッコいい音楽に乗せてこんなに惨めで悲しい人間の曲を歌えるんだこの人は。
「あの子が欲しい」で好きな人間だけを集めて大きな集団を作る。よく考えたら人間の醜い群れたがりを如実に表してて残酷な遊びですよね。選ばれない人間はどんな気持ちなのか。
キラーフレーズはやっぱりココでしょうか
「勝って嬉しいはないちもんめ
負けて悔しいはないちもんめ」
フレーズっていうかココを歌い上げる時の音の盛り上がりを含めた全体が好きなんですが。Cメロまで来て油断してるとこに、はないちもんめのフレーズをしっかり入れてくるのはアツいですよね。
10.マネキン
実はこの曲、普段はあまり聴くことが無いんですよね。こういう曲にもアルバム通して聴くと出会えるのでいいですね。
このジャズっぽい雰囲気、すごく好きですねぇ。楽器がどれもセクシーすぎる。サックスの音がめちゃくちゃホットで最高です。
キラーフレーズは、ヨエコ伝家の宝刀が炸裂しているココ。
「無力な指先は小石一粒さえ拾えず」
ヨエコさんが繰り出す自己嫌悪の語彙の豊富さは本当にすごくて毎回圧倒されるんですが、これも期待通り良いですね。
自分がすごく矮小な存在に思えてくる。
11.雨降り
あーめですーよー。
冒頭の声が優しくて好きなこの曲。
静かな始まりから後半の力強い歌声にシフトしていく流れは流石の歌唱力と言わざるを得ません。
ピアノ以外の楽器がほぼ主張してこないということもあり、純なヨエコを堪能できる一曲ですね。静かな心で聴きましょう。
キラーフレーズはこれまたヨエコの宝刀が炸裂しているココ!
「天井がプラネタリウムなら
見上げるあなたをこっそりと見つめて過ごすだろう」
ヨエコ、好きな人を見つめがち。他の曲でもしょっちゅう見つめたがっています。
ただ何度も見つめているだけあって見つめのバリエーションも多彩でして。
なんかここの表現も素敵じゃないですか?天井がプラネタリウムならってなんだか素敵。
12.ヒバリ
この曲、自分の中に浮かぶ情景が自分で凄く気に入っちゃってて。
都会にひっそりと隠れている小道を見つけて、そこを一人で気ままに探索してるような情景が浮かぶんです。みなさんはいかがでしょう?
音楽全体にウキウキスキップ感というか気軽な雰囲気を感じて、それが凄く好きです。
歌詞の方にも注目しましょう。
キラーフレーズは、二番のスタート、ココ。
「取り残された自転車と
この気持ちも もう動かない」
ここの自転車の持ち出し方がすんごいうまい。
歌詞を見るにこの曲はもう帰ってこない誰かを待ち続けているんですが、取り残された自転車もまた主人を失っていて、この意味で二つの状況は繋がっているんですね。
さらにそこから自転車に重ねて、私の心も「もう動かない」んだっていうとこまで繋がっていく。天才。
13.終点
はい、まず最後にこのタイトルがたまんないす。好きっす。
はじめはなんの終点なんだろ?って思いますよね。
そしたらサビで「あなたが終点なんですか?」ですよ。
か〜っ、たまらん!もうこの人と生涯生きていくんだろう、いや生きていきたい、私はって。ことですよね。
そういう思いってこんな言葉で表現できるのかヨエコ。素敵すぎる……。
そんな素敵な表現は、上の例にとどまらず……。
キラーフレーズはココ。
「大事な答えを並べたい
大事なあなたと並べたい」
はぁ〜なんて素敵なんだろ。こんな言葉言われたらたまらんでしょもう。
好きんなっちゃうでしょ、もう!
濁りに濁ったネガティブ感情の表現からこういう澄んだ表現までも、繊細で美しい言葉で表現できるってのがまた、ヨエコさんのパワーであり魅力なんだなぁと思います。
アルバム最後にふさわしい、めっちゃ素敵な曲だと思います。
まとめ~アルバムを聴くということ~
今回聞いた東京ピアノというアルバムは、引退前に発表した7つのアルバムの内の3つ目のアルバムです。
希望と絶望が同居する暮らしの中で、力強く朝焼けの光の方へ足を進めていく、ヨエコらしいポガティブさをふんだんに感じるアルバムでした。
ヨエコさんのアルバムって感情の変化がめっちゃ激しいんですよね。
特にこのアルバムは、都会という綺麗さと醜さを併せ持つ場所を、各曲ごとの不安定さで見事に表しているなと思います。
ところでこのアルバム、全体を通して聴いてみると、なんだかすべての曲が一本のテーマ、物語に連なっているように聞こえてきます。
上京してきたある人間の苦悩と恋の模様を、描いているような。
最近はアルバムを通して聴くということもなかなか行われなくなってきましたが、通しで聞くことに何らかの意味を持たせているシンガーやバンドは多いです。楽曲のコース料理みたいなもんですね。
好きな曲だけを掻いつまんで聞くだけでなく、アルバム一本を通して聴いて世界に浸ることで、新たな発見があったりするかもしれません。
そして、アルバムといえば……
9月20日、ヨエコの復活アルバム「ニューヨエコ」が発売です!!
「友達のうた」や「卵とじ」など、いち流行を築いたメジャーな曲たちのセルフカバーに加え、新曲「ドーパミン」も収録。
熱狂的なヨエコファンも、これからファンになってくれる方たちも楽しめること間違いなしの、名盤の予感です!
みんな、絶対に買ってくれよな!!!
では!!!!!!!
ヨエコ豆知識
ヨエコは歌と同じくらい、うさぎが好き(Xのプロフィールより)