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多くの人に聞いてもらえるように、自分たちの強みを言語化しましょう。

前の項では、自分たちのストロングポイントを考えました。

ストロングポイントが決まったら、
次に考えるのは、この長所がお客様にもたらすメリットです。
ベネフィットとも言います。それを言語にするのが今回です。

まずは、少し覚えておいてください。ここを混同する人が多いです。
特に中途半端にマーケティングとか、ブランドとかの勉強や講座を受けた方は特に。
機能=ファクト
メリット=ベネフィット

  1. 例えば冷蔵庫/冷やす・食品の保存が機能/面倒(買い物回数)を減らすものがメリット

    1. いつでも家に食品を保持出来て便利

    2. 食べ残しを保存できて経済的

  2. 例えば時計/時刻が表示されるのが機能/便利(遅刻を減らす)を増やすものがメリット

    1. 待ち合わせ時間に送れない

    2. 一日の自分の行動管理がしやすい

  3. 例えば食品/カロリー・栄養の確保・腹が膨れるが機能/生きるために必要や、満腹は幸せ感がすごいがメリット

    1. この時期、美味しい季節料理

    2. 家族で楽しい食卓を囲める


これらは、割と生活に密着する物理的なものですが、
感情的なもの言いも、あります。

  1. 泣ける映画。(感情を満たす)

  2. 高級ブランド。(所有満足度を満たす)

  3. 本。(知的好奇心を満たす)


こうした、気持ちを満たせるものです。
気持ちを満たすもので、ここ最近はエシカルという考え方もあります。

エシカル(倫理・モラル感)は、主題ではなくサブタイトルです。
同じ商品の場合、より環境に優しいものを選ぶ。

この「環境に優しい」がエシカルを刺激します。

主となる商品が同一の場合、メリットも同一になることがあります。
そこで選択肢をサブタイトルに委ねるわけです。


昨今はそもそも、サブタイトルが最初の選択肢になっているケースも多いと考えています。
つまり、倫理観やモラルに視点を置いた消費行動を指し示します。

エコ商品でないとまず、最初の候補には入れない。
という考え方をする人も、増えていると考えています。

  1. エシカル。(生き方を満たす)

このように、僕は定義を考えています。

やや特殊なものでは「応援購入」というものがあります。

ひとつの例としては、「誤発注で在庫が余って困っています。」というツイートで商品が売れたというのは応援購入です。「それなら、助けてあげよう。」という気持ちからの購入です。分かりやすい応援購入ですね。

たまに見かける「農家の方が困っています。」という野菜売りのバナーもそうですが、SNSならまだしも、バナーとなると、やや媚びへつらい過ぎていて、少し鼻につくという感覚が僕にはあります。
バナーという有料媒体でお金に困っていますと言われても、なんとなく疑ってしまいます。僕のように疑念を抱く方ばかりではないと思いますが。

応援購入の例として、僕は「ポルシェ」と考えています。
様々、ご意見もあるかとは思いますが。
ポルシェはエンジニアの情熱に共感を覚え、消費=応援で、車を売る自動車メーカーということです。あのポルシェ911というメジャーなあの形のみがそうで、他の形のものは有名&高級を所有し、他人との金銭的差別化による所有満足度を満たすためのものと考えています。

さて、話しは911。
後部エンジン・リヤ駆動という稀有なエンジンレイアウトや、水平対向エンジン。どちらも現在主流な構造ではありません。

水平対向は重心が低いとか、6気筒の場合振動が少ないだとかメリットもあるとは思いますが、横幅を使うため長くウオータージャケットを装着できず、空冷という歴史もあります。
それでもRRポルシェは、RRポルシェを諦めません。

意地になり速い車に仕立てようと努力をします。そんなエンジニアの執念がブランドスピリッツであり、その執念にファンがいると思っています。

さて、もう一度振り返り、ストロングポイントを考えてみたくなったりしましたか?


ここで言語化したいのは、「ユーザー目線のメリット(価値)」であり、
「ファクト(機能)」ではありません。
この価値を伝えることが、広報の戦略のコアになります。

あなたの商品やサービスを手にしたことで、どんな未来が待っているのかを絵にするのです。それが強みの言語化です。

応援してもらうなら、自分たちは
世の中に対して、どんな価値を提供するのか。
その価値を提供するに至る、経緯(ヒストリー)
その価値を提供するための情熱。

掃除においてキレイは技術論であり、これは通常の考え方の場合、キレイになるのが当たり前と認識されています。

キレイになる=機能でありファクトです。
プロの技でキレイとか見ますが、そもそも支払いが生じている時点でプロですし、プロに頼む方が自分でやるより汚いなら頼みません。

言語化においてベネフィットを考えると、「あなたは楽ができる。」「自分でやると手が荒れるよ。」とか。これはユーザ目線のメリットです。

「楽している間に、フィットネス。」なんて時間的自由や、「年末は夫婦で楽をする」というライフスタイル的なものとか。
言い方は様々でしょう。

有機栽培野菜はそれだけで言葉がベネフィットしちゃっています。
カラダに悪いものが使われていないと誰もが知っているのですから。
「カラダは食べた物で出来ている」とか、思いつきますが、有機野菜というカテゴリーでメリットを語らないで済んでしまう。

メリットは提示できているので、ここでは差別化の為に技術力による比較をしてくるケースが多いと感じます。
「うちは無肥料」とか。

この場合は、有機野菜の敵が有機野菜だから、技術力です。
有機野菜の敵が普通の露地野菜の場合は、話が変わります。
その場合は有機よりなので、「家族思いのナチュラルママへ」
と、例えば購入者を、超絞り込んだ声がけをしてみたりもできます。


春日部の蜂蜜的には、花の蜜だけのはちみつは有機栽培と近いイメージでいます。やはり問題は、蜜蜂の飼育に給餌が普通という事実を誰も知らないことにありますが。

知らない→教える
蜂は花の蜜を集めている→現在の常識を否定する→否定を認識させる→新しい常識を教える
ステップ数の多い否定は、ちょっとした地獄です。

さて、良いアイデアが想像できましたか。

広告クリエーターは、こんな表現技法を駆使して、様々な文章や絵を想像します。
 
あなたの商品がある世界。あなたの商品がない世界。
あなたの商品を人に置き換えたら、その人はどんな性格の人で、何と言い出すのか。

「自分の言いたいことと、人の聞きたいことはイコールではない。」

そう教わってきました。
人の聞きたいこと、つまり「ベネフィット」で自分たちの強みを言い換えてみましょう。


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