ChatGPTで「検索力」のあり方が変わった
IT業界で働いていると「検索力」と呼ばれる能力が結構大事です。
エラーの対処方法を知りたい時、使ったことがないライブラリやフレームワークを使うとき、やりたいことの実現方法を知りたい時、などなど。開発の仕事をしているとあらゆる場面でインターネットの力をお借りする形になります。その時に、以下に早い時間で欲しい情報が書かれたWebページに辿り着けるかは結構大事で、そのスピードが速い人ほど検索力が高いと言えます。
一般にGoogleで欲しい情報を検索する時は、キーワードとなるであろう単語をピックアップして、スペースで区切って入力して検索します。
例えば、Excelでセル結合の方法を調べたかったら「Excel セル 結合」とか「Excel セル結合」などと入力して調べます。
そして検索結果として表示されたWebページを上から順にいくつかピックアップして、自分が求めている情報が書かれているであろうページに当たりをつけ、内容を読んで情報を得ます。
インターネット上の情報は全て真実が書かれているとは限りませんし、情報が古かったり、前提条件(PCの動作環境など)が違っていて適用できない場合などもあります。Googleで検索をする時はその辺りの諸々を考慮した上でキーワードをピックアップしたり、Webページを精査する必要があります。検索力はキーワードに関する知識、センスや情報を見極める力などが問われる能力です。
時々、Googleで検索する際に「Excelでセル結合したい」のように文章で検索する人がおり、そんな人に対しては検索力が低いなー、と遠目で見ながら思っていました。
しかし、ChatGPTの登場によりそんな検索力のあり方が根底から覆されるかもしれません。
ChatGPTは文章で欲しい情報を直接聞くと、それだけで欲しい情報がかなりの高確率で得られます。
例えば、ChatGPTに「Excelでセル結合する方法を教えて!」と聞くと以下のように返ってきました。
使用しているOSやExcelのバージョンを指定することでまた違った回答が得られることでしょう。
GoogleやYouTubeを使って欲しい情報を検索する場合の検索力と言えば
「キーワードをピックアップして、ヒットしたページから欲しい情報が載っているページを選別する能力」といった感じでしょうか。
しかし、ChatGPTなどでAIと対話する中で欲しい情報を得ようとする場合の検索力は「AIが理解できる文章で欲しい情報を伝える力」になります。
これまでは文章で欲しい情報を検索する人は検索力が低いと見なされていましたが、これからは情報が欲しい場合、AIに文章で伝えることが主流になり、キーワードを単語区切りで調べることが時代遅れになるかもしれません。「検索力」と呼ばれる能力のあり方が大きく変わることでしょう。
「問題解決力」についても検索力と同様、AIの進化によってあり方が変わってくることでしょう。Googleで調べたり知識のある人を見つけて質問するよりも、AIに適切な質問を投げた方がスピーディーに適切な回答を得られるケースが今後増えてくることでしょう。なので、AIと上手に付き合える人が問題解決力が高くなっていくような気がします。
AIの進化により、「〇〇力」と呼ばれる概念の多くが今までとは大きく変わっていくのかもしれないなと思うようになりました。
時代の変化を受け入れて柔軟に適用し、必要なことを学習し続けること。そんな適用力こそがこれからの時代に必要なスキルなのかなと思います。