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誰しもウォッチ対象を生涯で3つ持つそうですが(嘘ですそんな説は聞いたことない)/週刊「外国人就労関連ニュースまとめ」(21.5.30-21.6.5)

ブックオフIRウォッチャー・法務大臣閣議後記者会見ウォッチャー、そして大坂なおみ記者会見ウォッチャーの私、今週はとにかく忙しくて。

このタイミングでひとつだけ紹介するなら、ニューヨークタイムズの「仕事があなたのメンタルを削ってくるとき」って記事ですね。仕事より健康を優先します、ってあなたも言っていいんだよ。という主旨。
今回、大坂なおみがメンタルヘルスを「言い訳にした」ってナジるひとをけっこう見かけたんですけど-彼らいわく「本当にメンタルがダメならテニスなんてできるわけがない」「自分の経験から言うんだけど」-自分の経験という観測範囲があるがゆえに視野が狭くなっていまいか、と我が身を振り返るきっかけにはなりました。

■というわけで法務大臣閣議後記者会見ウォッチ 6/1(火)

大臣のかたくなな監視カメラ映像の開示拒否の姿勢は,現行憲法の拷問を禁ずる条文から,「絶対に」という言葉を削いでいこうとする現在の自民党の動向に同期したもののように思えてなりません。(中略)基本的人権を始めとした,現行憲法秩序を停止する緊急事態条項の入った改憲案を実現しようとする自民党の御出身だからなのでしょうか。その点をお伺いしたいと思います

「どんな質問にも正面から答えようとしない」法相のスタンスを批判的に紹介してきて久しい私ですが、今回の記者の質問には賛同できない。
大坂なおみに投げかけられる最もしょーもない質問の代表といえば「大阪出身だから大坂って名前なんですか」だと思っているんですけど、それだって質問だからね。
上記「法相に訊く、自民党員だからそんな感じなんですか」は質問の形をした持論の開陳でしかない、と私には思え、学会の質疑応答コーナーでのあるあること、え、それ質問じゃないですよね? ……まさか自分が当代法相の肩を持つコメントをすることになる日が来るなんて。

■とはいえ、政府の方向性が急に変わるなどということもなく

って話が出たあと、すぐに

管理強化がんばるぞー。みたいな報道を見かけ、見なかったふりをしたいぐらいだけど。って思いました。
そもそも「在留外国人」ってここで使われているターム、「在留資格を有する正規の外国人」ってニュアンスですよ、いいやそれはおまえの思い過ごしだろ、って言われても譲らんぞ。悔しかったら「疫病を根絶するため在留資格の有無を問わない」って言ってみろ(=別に悔しくはないですか、そうですか)。

■ちなみに入管収容施設から一時的に出ていってもらう「仮放免」という施策は、それを望んで叶わないまま亡くなってしまう悲劇との比較で考えれば「マシ」ではあるのですが

仮放免中は就労が認められず、生活保護も申請できない。こうした事情を背景に全国各地で仮放免中の人が摘発されている。広島県警も20年4月以降、万引や覚醒剤を使用したなどとして3人を逮捕した。(中略)外国人問題に詳しい広島弁護士会の滑川和也弁護士は「仮放免された人の生活は民間団体や同じ国籍のコミュニティーに支えられているのが実情だ。法改正問題とは別に、公的支援を受けられる仕組みを早急に整備する必要がある」と指摘する

仮放免はする→公的な支援はしない→犯罪なんかした日には当然摘発する。ってこの流れ、オトギバナシとかに出てくる魔女とか悪い殿様とか、そういうムーブだろ、としか私には思えません。

■良いニュースは無いのか

これまでは、センターが進める日本語教室を含む多文化共生事業などは、市の補助金(年間約1500万円)で運営していた。だが、市は今年度から、センターでの日本語教室や外国人の生活相談、行政相談について、市の委託事業として約1千万円の予算を充てた。センターの事業が市の予算に組み込まれたことで受講料は無料になったが、日本語教育を受けられる対象者が「市内在住・在勤」の外国人に限られた。市の担当者は「対象外となった方には居住地周辺の日本語教室などを紹介した」と説明する。
講師として市外から通っていた外国人を教えていたという女性は「通えなくなったことを知ったらショックを受けるはず。周辺の自治体には、そもそも日本語教室がない地域もあるのに」と話す。

あなたはもう忘れたかしら。

わりと多くのひとが、当事者の言い分「差別の意図はないが、誤解を生じる恐れがあり撤回した」が何も分かってない以上、今後も似たような話が出てくる気しかしない。って言っていて、私も同意していたのですが、あらためて

この種の「外人」は脅威であるとするラベルが付けられた誤情報は山火事のごとく広がるが、これらにつきものの撤回や謝罪が、人種差別主義者のメッセージのような注目を集めることはめったにない

それよ。

現場へはいつも社長が運転する車で移動したが、車中での私語やスマホの使用は許されなかった。
何も言わずに車に乗ると「勝手に入るな」と言われ、ノックして入ると「うるさい」と怒鳴られた。仕事のやり方もろくに教えてもらえず、失敗すると怒鳴られたり、殴られたりした。
21年の正月、同じ送り出し機関から日本に来ている仲間と再会した。そこで20年4月からホップさんの働く会社で働いていた技能実習生3人が、すでに失踪したことを知った。社長に殴られたり、変な形に髪を切られたりしたことが原因だったという。

■お隣、韓国のニュースを見て思ったこと

クエンさんは直接的な経験はないが、一緒に来た友人は周囲の友人や中年の大人たちから「男性と出会って結婚しようと韓国に来たのか」とたびたび言われるという(中略)「仲介業者を通じて移住女性たちが知らない人たちと結婚するのを知っている。一部の男性が移住女性を物扱いし家庭内暴力が起きたりもする。私がすべてのベトナム人を代弁することはできないが、ベトナムの人たちもこうした政策に怒っている。ベトナム人新婦がいるのは事実だが学生がみんな結婚しに来たのではない」

「男性が女性を物扱いする」韓国と、「ふつうの日本人が外国人労働者全般を物扱いする」日本と、どっちがより酷いんでしょうかね。

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