週刊外国人就労関連ニュースまとめ(20.5.10-20.5.16)
首都圏在住、かつ決死の思いで電車通勤せざるをえない勢なので、今週と先週までとはずいぶん社会の雰囲気に変化があったと思っているのですが、こと外国人就労関連ニュースというカテゴリに関していえば、んー変わりばえしねーなー。という私見ですおはようございます。
■たとえば私が言うところの「いつかしっぺ返しにあうためのフラグを一生懸命たてているんですよね」系ニュースあれこれ
■なかでも「そんなことやってるんだからバチがあたってもしょうがないよ昔のひとはいいこと言ったね、お天道さまがゆるしゃしないってんだよ」系、と私が呼ぶ方面
「入管施設に収容されている外国人」に関するオフィシャルな発言は近いうちにいろいろまとめて保存しておこう、とあらためて思いました。
■とはいえ。とはいえ、ですよ、第一次産業で人手が足りない、技能実習生をはじめとしてアテにしていた外国人が不在なせいで。みたいなニュースをここ数週間ずっと紹介してきましたが、今週のそっち系報道のニュアンスにかすかな変化があったんです。
こうした中、地元の農協には、全国で約130のホテルを運営するホテルグループからこんな相談が寄せられているという。「客室係として雇用する100人以上の出稼ぎの外国人を、休業期間中に農家で働かせてもらえないか」
上で引いた記事も、ちょうど引用したあたりまでのノリはこれまでとまったく変わらないのですが、このあと紹介されるのが
軽井沢町でキャベツなどを育てる片山修さん(48)の畑では、4月中旬から上田明広さん(60)が働き始めた。車で10分ほどの町内で家族と旅館を営むが、3月下旬からキャンセルが相次ぎ4月から休業。「何かアルバイトでも、と考えていたら募集を知ってすぐに手を挙げた」。
日本人のエピソードなんですね。この記事一本だけなら、まあそういう記事もあるよね。なんですが、別媒体にも。
「人が足りないから移民を受け入れよう、という議論もありますけど、こういう問題が起きた時、どうするのか。人が足りないという職場、現場は結局選り好みされて“人気がない”ってだけで、働く人はいるんですよ、実際には。安易に外ばかりに頼ってはいけないんです。銀行や農協に言われて色んなことをやってきたけど、なんか気付いちゃったって感じだよね。金儲けというより、農業やってるわけだから」
こちらは取材対象である農家の方の述懐ですが、記事まとめ部はこんな風。
「持続可能な社会」の形成などと言われてきた昨今だが、安価な労働力を外から導入し、それでなんとか回していく、というのははたして本当に持続的なのか? より安価な労働力を求めて、さらに貧しい国へと触手を拡げざるを得なくなることも、歪ながらも資本主義が説く「あるべき姿」だろうが、あくなき利益追及の先には必ず終わりがあるし、コロナウイルスのようなパニックが起きれば、全てが一気に瓦解する。必要なことを自分たちの力で可能な限り行うという、まさに無理のない「持続可能な生き方」を選択する人々が「コロナ後の世界」の主役になってくるのかもしれない。
どうした、本気か。
■と、揶揄したくもなりますが(だってこれまで散々やってきたことからの180度転換じゃないですか)私自身は、必ずしもこの方向性を否定したくはありません。
サコ学長いわく
私たちはこの先もウイルスと生きていかなければならず、それに対応する強い社会基盤をいかに持つかが重要です。この機会に、他人がやってくれないことを前提に個人の能力を上げ、自分自身や地域でやる覚悟を決めて、人と連帯感を持つしかないと気づけば変わっていくでしょう。
まさに。「他人がやってくれないことを前提に」これからの社会は在らねばならない、そう私も思います。