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週刊外国人就労関連ニュースまとめ(20.8.9-20.8.15)

お盆休み期間だからニュースの数も減るかな、って思ってたんですけどぜんぜんそんなことはありませんでしたね。今週のヘッドラインは熊本で技能実習生を含む企業従業員がCOVID-19陽性に、というこちら。

某県の高校で運動部学生を中心に、寮生活由来のクラスターが、という報道あったタイミングでしたし、ほかにもポツポツ似たケースが聞こえており

白岡市の土木建築会社の社員寮に住む外国人技能実習生5人と、実習生と接触のあった日本人社員1人の陽性も分かり、同社関連の感染者は計11人となった

報告~公表に至っていない事例が実は日本全国に蔓延しているのでは、と思う次第です。技能実習生の居ない都道府県は無いし、彼らが集団生活をしていないこともまた、ほとんど考えられないわけで。

■さーて、そんな技能実習生関連のニュース、今週はこんな感じでした

山形。2019年10月末データを8月9日付で伝えた記事ですが、「技能実習生は、賃金の安い人材として受け入れようと考える企業が多い。しかし、日本人と同様に最低賃金を下回ってはならず、研修や渡航などの費用も発生するため、日本人を雇用するよりコストがかかる場合があるという」って書きぶりに、クリップせざるを得ない。

広島。「実習生との間で当初、残業代を400~450円で支払う『口約束』が成立していたとも説明した。この社長は『ちゃんと払うと違法な長時間労働がばれる。実習生は金のために少しでも残業がしたい。だから裏で払える分だけを渡していた』。縫製業界ではよくある手口とも明かし、背景には厳しい国内市場があるという」

岐阜。「昨夜のことです。寮に社長が入ってきて、『李は、白は!』と名前を呼び、行くと突然、殴られた。殴った理由は何も言わず、『あとは掃除して!』と怒鳴られて」

富山。「7月29日、富山地裁で開かれた初公判で男は起訴内容を認めた。『オーバーステイになっても構わないと思っていたのか』。検察官の追及を受け『ただ仕事をするだけなので、悪いことをしているとは思わなかった』と釈明。逮捕されなければ帰国の旅券代がたまった時点で入管に出頭するつもりだったという」

■一方で、困窮する技能実習生への対応について行政が無策なわけではない、というおなじみの私見

ただ、こうした「地味だけどやってる」話は映えないので……センセーショナルな記事を伝えることには熱心な報道機関が、あたかもこれらの対策が存在しないかのように振る舞うのを見ると、何か言いたくはなるんですよね。

■さらにややこしかった今週のニュースがこれ

人手不足に悩む現場への解として感心するんですけど、なんかね、特定技能スキームを使ってるけど実態としては技能実習を国内に落とし込んだやつですやん。という感想が、「長崎から長野へ」という字面に感じてしまう……うえに「長崎」って言ってるけど仕切りに入っているのが、現・副総理の親族が経営している「福岡の」企業だったりするんですよ。
いや、もともと炭鉱王の時代から機を見るに敏だった一族ですし、このニュースが取り立ててどう、ということはないのですが、ちょっと手放しで称賛する気にはなれないなあ、って調べていて思ったので。

■政治家と結託した企業のニュースを聞かされるなら、こっち方面で聞かせてくれればいいのに。

最後の記事は例によって有料エリアに良いことが書かれていまして。

米国の国土安全保障省は人身取引を「現代の奴隷制」であり、力やうそを用いたり、強制労働をさせたり、性的搾取をしたりすることだと定義している。しかし、被害者が声をあげるのは難しい。フェデリーナの生活支援などをしてきたPWC事務局長のアキリーナ・ソリアノさんは反人身取引サミットで「人身取引と聞くと、身体的暴力や性的搾取など最悪のケースを想像する人が多い。実際にそういったケースもたくさんあるが、仕事内容にうそがあったり、借金などを理由に強制的に働かされたりすることもれっきとした人身取引だ」と強調した。そして「そういった人たちは、自分が被害者であるとも気づかず、逃げることもできないと黙ってしまう。でも、救う手立てはある」

引用中の太字は私。この考え方からすれば、たしかに本邦の外国人技能実習制度のすべてが、ではないまでも、人身取引に該当するであろう監理団体のニュース、今週も含め我々が多く目にしているところですよね。

せっかくなので、ちょっと前に話題になった記事を参照用に挙げておきますね。

(本記事のサムネイルも当該年次報告書の表紙から)

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