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第100号/週刊「外国人就労関連ニュースまとめ」(21.7.25-21.7.31)
今週は日経新聞が社説で「技能実習は速やかに廃止を」と書いた件が話題でした。
ただ、同紙が技能実習制度について言及するのは今回が初めてではないので。という点は重ねて念を押しておきたいのです。
日経に限らず、各紙の社説が技能実習制度をとりあげるタイミングは法改正が機会になることがほとんど。つまり翌春の施行を決定する秋口にそういう社説が出るケースが多い……ので、やっぱり今回は「なぜ今」か、が個人的には気になります。
■プレイバック:各紙社説における技能実習制度への言及
2017年11月3日
「途上国の人々が、日本で働きながら技能を身に付ける外国人技能実習制度の改革を目的とした新法『技能実習適正化法』が施行された」
沖縄タイムス
2018年10月13日
「外国人労働者の受け入れ拡大に向け、新たな在留資格などを定めた関連法案の骨子を政府が示した」
毎日新聞
2019年10月22日
「改正出入国管理・難民認定法が施行されて半年が経過した」
読売新聞
■ここでクイズです。
「社説」として技能実習制度は廃止し、新たな在留制度を根本から立て直すべきだ。と最初に書いた新聞はどこでしょうか?
2019年1月30日、東京新聞
惜しい。これ「守れぬなら」って仮定法なんですよ。
というわけで私が推すのは2020年1月28日、信濃毎日新聞の社説説。
しかし新聞社説ってウェブから消しちゃうのかね。縮刷版として保存してあるからいい、とかそういう問題?
■今週もうひとつ、同じぐらいのインパクトがあった事案といえば
タイトルがタイトルなので同じ話だとは思えませんけど、下記も併読推奨
■あと個人的に見守っているのがウガンダSsekitoleko青年の顛末
これね、てっきり「済んだこと」だとみなさん思ってるじゃないですか。セチトレコ青年にとってはぜんぜん終わってない、というだけでなく
この現状に児玉弁護士は東京オリンピック・パラリンピックの終了後、失踪を図ったウガンダの選手と同じように、難民申請の意向を示す選手が現れる可能性を示唆。そういった選手には「支援団体などに協力を仰いでほしい」とした上で、「日本人のひとりひとりがこの問題に耳を傾けてもらいたい」と話す
ほかにも同様の話が出ないともかぎらないんですよ、なぜならそれが難民条約に加盟している国の責務だからです。
■というか、簡単に「国に帰れ」とか言っちゃうひとたちの多さにへきえきする。と100週連続の勢いで私も書いていますが
「入管に収容されているってことは帰国すべきなのにしてないってことだろ、だったらどんな扱いを受けても文句を言うな」
……ぐらいの声が聞こえてくる気がするんですけど。幻聴ですよね。
フィリピン人の母親と日本人の父親との間に生まれました。もの静かで心優しい少年でした。実の父は生まれてすぐに行方がわからなくなったため、成田さんには戸籍がありませんでした
「恨むなら親だろ」「フィリピンへ行け」
……幻聴ですよねええ。
■Q. 当事者意識の醸成には何が必要か
A. 強制労働に加担している企業に対して、不買運動などのアクションを起こすことなどが考えらるが、まずは、自分の住んでいる地域に暮らす外国人の現状を知ることではないか。その中でサバイバーへのサポートや、これから生きていくうえでのエンパワーメントなど、できることから行動してほしい。
まずは現状を知ること。私もそう思います。