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週刊「外国人就労関連ニュースまとめ」(20.11.29-20.12.5)
民放テレビ音楽番組が「メドレー」と称してただ芸もなく複数曲を流す事態を嘆く会の者です、おはようございます。
ビートルズ『アビー・ロード』(1969)の“長いやつ”とかジョン・レノン『ロックン・ロール』(1975)の「リップ・イット・アップ / レディ・テディ」とかこそが正しいメドレー、と教わってきた老人にとって、ああいう自称メドレー、本当に腹立たしいんですよね。せめて曲間のフェード・イン/フェード・アウトぐらいそれらしくつなげ!
……なんでこんな話題から始めたんだ俺。まあいいや(いいのか)今週は毎日新聞記事からのピックアップが多かったので、最初に並べておきます。
あえてひとつピックアップするなら、
外国人の受け入れが注目されがちだが、多くの日本人が地球上を移動し、働いている。18年10月現在で約140万人の日本人が長期滞在や永住資格で海外に滞在している。海外に出た日本人が、日本国内に住む外国人に対してみられるような不当な扱いを受けたら問題だと思わないだろうか。コロナ禍はあらゆる人の人格を尊重し、働く基準が平等に守られる社会をどのように築くか考える再スタートのきっかけとなるだろう。それは一つの地域や国だけでなく、地球規模で考えないと解決できない問題だ。それが、新型コロナが教えてくれたことの一つではないか。
って言ってる、NPO(移住者と連帯する全国ネットワーク)代表理事のひとのインタビューですかね。
■今週のめぼしいトピック
最後の梅蘭の話が気になっていまして。
「技術・人文知識・国際業務」って在留資格で入国したにもかかわらず、単純労働(中華料理店の接客)にたずさわっていた-が摘発理由ですが、無責任な書き手としてあえて断言しますがね、そんな事例は世の中に枚挙のいとまなく存在するわけで、基本的に見て見ぬふりをされてきたんですよ、それで世の中がまわってきていた。
別事件で逮捕された容疑者の供述から不法就労が発覚、という経緯で(時事通信9月9日)、つまり誰も得しないって分かっていた件、案の定誰も得をしない決着に至るの巻。なわけですが、そういうのって法を改正することが最大多数の最大幸福につながるのでは。って、どうしても思ってしまうんですよね。
■まあまあ似た話
沖縄県経済の一定部分がこうした留学生に負ってきた/いるのは周知の事実で、にもかかわらずこの日本語学校が摘発されたのはそれなりの背景があるのか。みたいな想像ができなくはないけれど、そうしたうがった見方はともかく、繰り返しますが、この処分によって得られるものと失うものは冷静に天秤にかけたほうがいいと思うの。
■ここでいったん違う方角の話題へ
この記事を読んで思ったことは
記事では「超富裕層の人数」で比べてるけど、個人的にはこの2年ぐらいの間に、自分の暮らしを「中の上~中の中」ってみなす「中間層の厚みの数」においても、タイが日本を超えた印象あるんだよな
ってツイートした通り。アジア各国へ渡航する際バンコクを利用する機会が多い私の肌感だと、もう認めるしかないやつで。
それでね、われわれのような一般市民が「タイより日本のほうが先進国」イメージを抱き続けるのは、ある程度は仕方がない、だって現地に行かないと分からないから。
だけど、たとえばタイからの留学生に対して入管が十年一日の如く経済思弁能力をどうこう言うのって相当恥ずかしいことだと思うんですよ。政府を代表している以上は、国際情勢について鈍感であっていいわけがない。
何が言いたいかというと、タイには抜かれた、マレーシアが先を行く姿もずいぶん小さくなった、ベトナムにはあと数年で確実に抜かれる足音が聞こえている、インドネシアは人口が多いうえ地勢的な要因もあるからジャワ島以外を含めた全土に抜かれるまではまだ時間がかかりそう、とか考えていくと、技能実習制度をよりどころにしている場合ではない。
■ここで正しいメドレーの例として挙げたジョン・レノンの「リップ・イット・アップ/レディ・テディ」に突然話が戻ります。オリジナルはリトル・リチャードというミュージシャンがシングルのAB面で発表した2曲で、足すと4分ぐらいあるんですけど、それを乱暴なことに1分半に縮めたのがジョンです(キュンです、みたいに言ったった)。
元の2曲の重複を省いてダイナミズムだけを取り出したらこうなるよ。ってこの作業こそが「メドレー」の本質だと思っていて、それでね、技能実習と特定技能っていまある2制度も、こんなふうにまとめられるのでは、いや、まとめるべきだろ。って思うんです。
(特定技能への技能実習からの移行が意外にハードル高いのはもっと知られていいと思う)