週刊外国人就労関連ニュースまとめ(20.8.2-20.8.8)
時事系しかり、読み物系しかり、ベトナム関連のニュースが目についた1週間でした。
3番目の記事は、例によって会員しか読めないエリアのほうに面白いパートがありましてね。
ザンさんが日本への留学を決めたのは、ハノイのインターナショナルスクールに通っていた高校2年の時だった。小学生の頃に父親の仕事の関係で3年間を東京で過ごし、その頃から「大きくなったら、自分で日本に住んでみたい」と漠然と思うようになった。
(中略)
日本で大学を卒業。昨年6月に帰国してからは、母親の不動産業を手伝っている。「やりたいことがあるなら応援する」。ベトナム戦争を経験した世代の両親からは、そう言われている。
「うまくいかなければ他の仕事をやらないといけない」と釘を刺されてもいる。新型コロナの影響で海外との往来が止まるまでは、東京で知り合った日本や韓国の芸能人をベトナムに招いてイベントを開く仕事も手がけていた。
ベトナムの裕福な層の若者にとって日本が通過点なことが伝わってくる興味深い内容だったんですけど、いかんせん、非会員でも読める記事前半は不法残留外国人の話っていう。ベトナム出身者はみんな金稼ぎ目的で来日している、という思い込みある人たちにこそ広く読まれるべき内容では、という(だいたい毎週書いてる)感想。
■ステレオタイプは、もうおなかいっぱいな気がする時、ありますよね。今の私がそれです。
よりよい生活を求め、技能実習生として来日したベトナム人女性労働者たちの苦悩を描く作品。不当な扱いを受けた職場から逃れた彼女たちは、ブローカーを頼りに新たな職を求めて雪降る港町にたどり着く
このあらすじ紹介だけだと「またそういう系?」ってなるんですけど、期待してもいいかな。ってなったのは
4年前にインターネットを介して知り合った外国人技能実習生と、突然連絡が途絶えてしまったという藤元。「それからずっと頭から離れず、彼女の姿を追うように、故郷から遠く離れた場所でいつ捕まるかも分からない生活を送る女性達を取材し、この物語を書き始めました」
個人の体験が背景にあるなら、そう薄っぺらいものにはならないんじゃ……。日本公開を楽しみにします。
■いわゆる「ガイジンタレント」というステレオタイプの視座が自分の中にもある、と思った記事ふたつ
どっちも良い記事ですが、会員になるしか読む方法がない後者の一部を、ここでは引用しておきます。
来日時、母は結婚していたのですが、私と義父の関係がうまくいかず離婚しました。真冬にワンルームのアパートを追い出されてしまい、2週間、公園で暮らしながら小学校に通いました。そのことを知った給食調理員の女性が私たちを家に呼んで、ご飯を食べさせてくれたんです。さらに弁護士に頼んで日本に住めるビザを申請し、仕事も紹介してくれました。彼女がいなければ公園生活から抜け出せず、不法滞在者になっていたかもしれません。
小学校に通う時も、教科書や副教材のドリル、ノート、鉛筆、ランドセルにいたるまで、学校側が用意してくださいました。来日したばかりの外国人にとって、日本の物価はとても高いんです。缶ジュース1本買うのもためらうくらい。校長先生らは私たちを受け入れ、救ってくれました。だから今、私は恩返しをしたいと思って、児童養護施設の訪問や難民の支援を続けています。
■今週見かけたなかで、いちばん後を引いた記事はこれでした
悲しい、って感想を強いられるようなタイトルはどうなの。ちょっとやそっとでは同調しねえよ? って頭で文章を追い始めた私、最後まで読むと-微妙に記者とは異なる感想ではありました。
扱われているエピソードが「悲しい」というより「残念な」余韻を残したのは、俺たちが全力で向き合ってこうなってるなら仕方がないけど、見ないふりをして、やれることをやっていないからでは。って本田圭佑いうところのリトルホンダ/草薙少佐いうところの私のゴーストが、言ってくるんですよ。ちょっと何いってるかわかりませんか。記事本文ご一読あれ。
■話は一転、物見高い私が続報を引き続きお待ちしている件
■そして恐れていたことが現実に、というニュースを最後に。
これ「把握していたにもかかわらず、公表が遅れた理由は」とかって余計な物語性が付くようなこともなく、早々に報道されてよかったです(ずいぶんハードルが低いよかった探し)。